【犬飼いTIPS】「シロアリ探知犬」を知っていますか?
みなさんは「シロアリ探知犬」をご存じですか? その名のとおり、シロアリを発見するために訓練を受けた使役犬です。じつはシロアリは休眠することはなく、1年中活動しています。高気密・高断熱で暖房設備の整っている現在の家の床下は、とても過ごしやすい場所で、冬でもシロアリは活動しているのです。姿は見えなくても、床下やその地中にはシロアリが潜んでいるかもしれません。今回はそんなシロアリを発見する「シロアリ探知犬」のお話です。
そもそも日本のシロアリ被害って?
日本の主なシロアリ被害は、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、そして外来種のアメリカカンザイシロアリの3種によるものです。羽アリの群飛時期はそれぞれ違いますが、3~11月の範囲で新たな巣を求めて飛び回ります。この時期は、木造住宅にとっては恐ろしいシーズンの到来といわれています。外来種のアメリカカンザイシロアリは、1975年の発生報告以降、28都道府県で発生しています。群飛時期がもっとも長く、3~11月と9カ月間も続きます。予防策がなく、駆除も困難といわれているので、発生源の早期発見と除去が必要です。羽アリを見つけたり、住んでいる家に下記のような状態があれば、シロアリの床下診断が必要かもしれません。
■ 築5年以上経過している
■ 畳・床にすき間やきしみがある
■ ドアの閉まりが悪くなった
■ 玄関を水で流し洗いしている
■ 外壁やタイルにひび割れ・水染みがある
■ 廊下を歩くとミシミシと音がする
「シロアリ探知犬」のすごいところ!!
犬の臭覚は人の10万倍以上といわれ、使役目的としてその能力を活かし、多くの場面で活躍をしています。なかでも「シロアリ探知犬」は、人の眼で見つけられないシロアリの被害を見つけられるという高い能力を持っています。人の目視では調査困難な物件や造りが困難な物件の調査、寺社仏閣や公共建物の非破壊調査、離島でのシロアリ調査など、活躍の実績は数多くあるのです。
シロアリは木造住宅で多く見られます。シロアリがいる家の床下では、柱、土台、根太などに潜んでいて、土中では巣で産卵、繁殖をしています。特に家の北側の台所、洗面所、浴室、トイレなどの水回り、柱が土間に接している玄関、雨に濡れやすい場所にある柱などに潜んでいる可能性があります。いずれにしても、目には見えないシロアリの被害は、なかなか見つけることは困難です。そんなときに「シロアリ探知犬」は、シロアリや巣に含まれる特有の物質(揮発性有機化合物)を嗅ぎ分けることにより、シロアリを検出しているのです。
「シロアリ探知犬」には、もともと狩猟犬であるビーグルが使われています。臭覚を利用して獲物を追いかけるエキスパートですから、もっとも適した犬種と言えます。
どんな訓練を受けているの?
日ごろの訓練では、シロアリやフード、おやつなどを嗅ぎ分ける訓練が行われています。ほぼ毎日30~40分行われ、どんな場所でも静かに待機できるように訓練されているのです。その訓練は下記の内容です。
① 6つのタッパーにシロアリ(生体)、フード、おやつをそれぞれに入れる
② そのタッパーを回転する道具に付けられた6つのボールにそれぞれ設置する
③ ハンドラーが「探して」と合図を出すと、ひとつずつ「クンクン」とニオイを嗅ぎながら探す
④ シロアリのニオイを感知した犬は、お座りして頭を上下に振ってハンドラーに知らせる
⑤ 正解するとご褒美がもらえる
実際の現場でもハンドラーの合図とともに探し始め、感知した場合には同じように知らせます。
シロアリ探知犬への調査依頼は?
「シロアリ探知犬」は、シロアリ駆除で有名なアサンテで訓練されています。調査を依頼したい場合には、Webサイトの「無料床下診断お問合せフォーム」から行うことができます。条件は築5年以上の戸建てで、同居者に犬アレルギーの人がいないこと。そのほか、依頼費、住所地により別途出張費用がかかることがあります。また、探知犬の調査は、依頼されたとしてもすべてに同行するわけではありません。発見が難航しそうな物件が優先されるそうです。いずれにしても、詳細は確認が必要となります。
まとめ
アサンテでは、2007年よりシロアリの群飛を知らせる「シロアリ注意報」を発表しています。特に外来種のアメリカカンザイシロアリは11月まで群飛しますので、住んでいる地域で羽アリが飛んでいるかどうか確認してみてください。「もしかしたらシロアリがいるかも」と思ったときには、優秀な「シロアリ探知犬」に依頼してみるもの得策かもしれませんね。
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