【猫飼いTIPS】猫にまつわる言葉はどれくらいあるのかご存じですか?
「ネコ」が付くことわざや慣用句は意外と多く、それは猫が昔から日本人にとって身近な存在であったことを物語っています。その魅力や神秘性から多くの言葉が生まれてきました。
それらの言葉の意味を調べてみると、猫の性格や習性、昔の人が猫をどのように思っていたのかがおもしろいほど見えてきます。今回は猫にまつわる言葉のお話です。
100以上あるとされている猫にまつわる言葉
猫にまつわることわざや慣用句は100以上あるとされています。そのいくつかをとりあげてみたいと思います。飼い主がイメージしている猫と、昔の人がイメージしている猫との違いなど、おもしろい発見があるかもしれません。
猫に小判
猫に小判を与えてもその価値がわからないことから、「どんなに価値があり貴重なものでも、その真価がわからなければ何の価値もなく無駄になる」ということを意味します。
猫の手も借りたい
「非常に忙しく、些細な助けでもほしい」ということを意味します。
借りてきた猫
猫は縄張り意識の強い動物ですが、縄張りを離れると途端に弱気になって縮こまります。その様子から「普段と違っておとなしく、つつましい様子」を意味する「借りてきた猫」という言葉が生まれました。
犬は人につき猫は家につく
昔は飼い猫でも外を自由に歩き、自分で狩をしていたので、その家の人が引っ越しをしても獲物がいるその場所を離れようとしませんでした。その様子から「家につく」といわれるようになりました。
猫をかぶる
「猫をかぶる」とは、「本性を隠しておとなしそうな振りをする」もしくは「何も知らないふりをする」ことを例えた慣用句です。しかし、猫は決しておとなしい動物ではありません。ではなぜ「猫をかぶる」という言葉が生まれたのでしょうか? その理由はふたつあるとされています。
基本的に猫は獰猛な動物ですが、飼うと甘えてくる二面性のある動物と考えられていたから。そして、「ねこ」は「ねこだ(大きなむしろのこと)」を指し、むしろをかぶって知らんふりをする様子から生まれた言葉。のちに「ねこだ」が変化して「猫」となったと考えられていたから。それらから「猫をかぶる」という言葉が生まれました。
猫も杓子も
この言葉は「誰もかれも」「何もかも」を意味する言葉です。「台所で杓子を持っていたカミさんも昼寝をしていた猫も」という誰もかれもという意味のたとえです。語源ははっきりしていません。
猫の額
「とても狭い土地」を示す慣用句です。猫の額が狭いことから生まれた言葉です。猫の目や耳の割合が額に対して大きく、額が特に小さく感じられることからきています。
女心は猫の眼
猫の目(瞳孔)は明るさや感情によって形がかわります。丸くなったり、針のように細くなったりするので、女性の気まぐれで移り気な気持ちを例えている慣用句です。
猫の尻尾
「役に立たないもの」「なくても困らないもの」を例えた言葉です。江戸時代には「猫はしっぽが長いと猫又になりやすい」と信じられていたことから、猫のしっぽを切るという風習があったそうです。しかし、猫の尻尾はバランスを取ったり、感情を表現するために大切な部分ですから、猫にとっては迷惑な話ですね。
ちなみにWikipediaで調べると、「猫又」とは日本の民間伝承や古典の怪談、随筆にある猫の妖怪。大別して山の中にいる獣といわれるものと、人家で飼われている猫が年老いて化けるといわれるものの2種類があるとされています。それを恐れたことで猫の尻尾を切り、この言葉が生まれたとされています。
猫が顔を洗うと雨
猫は顔の毛繕いする際、自分の前足を舐めてそれを顔やひげにこすりつけます。人間が濡れたタオルで顔を拭くのと同じようなことですが、じつはこの行動のいくつかは天候と密接な関りがあることがわかっています。
猫のヒゲのセンサーは非常に優秀で、湿度の変化を敏感にキャッチします。夏場や雨の日など湿度が高い日はヒゲの張りが悪くなるため、前足を湿らせて顔を洗っているとされています。そのためこのような言葉が生まれました。しかし、実際はキレイ好きな猫は毎日顔を洗うので、ほかの理由で顔を洗うことも多いようです。
猫に紙袋
「ねこにかんぶくろ」と読みます。猫の顔に紙袋かぶせると、じりじりと後ずさりすることから、転じて尻込みをすること、ある局面が後退することを意味します。
猫糞
「ねこばば」と読みます。昔の人は猫がうんちを隠すのを見て、「悪いことをしたのに、隠して知らん顔をしている」と思ったとか。そのため「猫糞」と言うようになったそうです。
猫なで声
猫をなでるときに出すような優しい声のこと。機嫌を取ろうとする媚びた声の意味で使われることが多いようです。
まとめ
猫にまつわることわざや慣用句はたくさんあります。その意味を知ると猫と人との関りが感じられ、古くから猫が日本人の生活にとけこんでいたことが伺えます。
今回はその一部を紹介しましたが、興味がある人はさらに調べてみるとおもしろい発見があるかもしれません。
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