猫との暮らしで知っておきたいこと Vol.94

【猫飼いTIPS】家庭で生活する現代の猫にとって水は生命維持に欠かせない!

[2022/08/22 6:01 am | 編集部]

あなたの愛猫は水をよく飲みますか? より飲水を即すために、自動給水器(ウォーターファウンテン)などを使っている人もいると思います。猫は水を必要としますが、家庭での生活があだとなることがあります。今回は飲水についてのお話です。

猫にとっての水の重要性

猫は水を必要としますが、家庭での生活があだとなることがあります。かつては砂漠に生息しており、水の大半を食べ物から得ていました。しかし、現代の飼い猫の多くは、水分の少ないドライフードが与えられており、それを補うために水を飲むことを余儀なくされています。

このような環境でも問題ない猫もいますが、つねに軽い脱水状態にある猫もいます。そのため、膀胱結石や猫特発性膀胱炎(FIC)などの泌尿器系の病気にかかりやすくなります。これらの病気の治療には、水の摂取量を増やし、希薄な尿の生成を促進することが重要です。

ですから、逆説的に聞こえるかもしれませんが、もし愛猫がトイレ以外の場所で排尿していたり、下部尿路疾患の症状がある場合は、できる限り水の摂取を促すことが大切です。おしっこの量を減らすのではなく、増やしてほしいのです。

猫にもっと水分を摂らせるには

もっとも簡単な方法のひとつは、ドライフードとウェットフードを併用することです。確かに少し手間になりますし、値段も高くなりますが、病気の予防や薬に頼らない治療と考えれば大差はありません。

もちろん、ウェットフードであれば何でもよいというわけではありません。なかにはジャンクフードのようなものもあります。高品質の原材料を使用し、AAFCO(米国飼料検査官協会)などの基準を満たした製品を選ぶようにしましょう。

また、ウェットフードだけですと歯に歯垢が付きやすくなったり、噛む力が養えなくなるので、特に若いうちはなるべく大きめの固形物が入っているタイプを選ぶとよいでしょう。

猫にとって、ウェットフードは自然な食事に近いので、簡単に切り替えられると思われがちです。しかし、必ずしもそうとは限りません。猫にとって変化は大きなストレスになりますし、FICはストレスが原因で起こるケースが多いので、移行はスムーズに行いたいものです。ウェットフードを置いて、猫がそれを気に入れば、素晴らしいことです。そうでない場合は、以下のようなヒントがあります。

・いつものドライフードに少量のウェットフードを混ぜ、1~2週間かけて徐々にウェットフードの比率を高めてください。急激な変更は嘔吐や下痢を引き起こすことがありますので、このような方法で食事を変更するとよいでしょう。

・ウェットフードを食べない場合は、ドライフードを与えるずに12時間後にウェットフードを出し、そのまま放置してください。それでも食べない場合は、ウェットフードをさげてドライフードをほんの少量与えます。この作業を繰り返します。


数日経っても食べない場合は、ウエットフードに愛猫が大好きなもの(砕いたドライフード、ふりかけ、おやつ、チーズなど)を少しかけたり、一時的にジャンクフードのようなウエットフードを試してみのもいいかもしれません。

ウェットフードをまったく食べない場合

猫は、食事を抜きすぎると健康を損なう恐れがあります。特に太り気味の猫は注意が必要です。蓄えられた脂肪が急速に分解されると、肝リピドーシス(脂肪肝)と呼ばれる致命的な病気を発症する可能性があります。

ですから、猫がウェットフードを食べるようになるまで、ただ待っていればいいなどとは決して考えないでください。もし切り替えが難しい場合でも、絶望する必要はありません。ほかにも選択肢があります。

獣医師から、尿石を溶かすため、あるいは膀胱の健康を促進するための療法食を提案された場合は、ドライフードがあるかどうか尋ねてみましょう。ほとんどのペットフードメーカーは、ドライタイプとウェットタイプの両方を製造しており、好き嫌いの多い猫でも満足できるような製品を提供しています。

水を飲むようにするには、家のあちこちに異なる種類のウォーターボウル(形状・素材など)を置いて、特定の種類や場所の好みを確認します。ウォーターボウルは毎日洗浄し、新鮮な水を補給してください。

流水を好む猫もいます。1日に数回、蛇口から水をちょろちょろ出してみてください。または、自動給水器を使うのも効果的です。循環するタイプや噴水ようなタイプなど、猫の興味を引くものが多く発売されています。

まとめ

猫の健康には水の代謝が不可欠で、猫の病気の70%以上は脱水に関係した病気と考えられています。水は体内に取り入れた栄養を全身へ運び、消化を助け、さらに酵素を働きやすくさせる役割を担います。

猫は犬より水分濃縮能が高く、一度に摂取できる水が体重の4%程度と少ないために、口渇に頼る飲水では猫泌尿器症候群(FUS)に罹患しやすくなります。

愛猫に健康で長生きしてもらうために水分は大切です。根気よく続けることで、猫の健康を維持するために必要な水分を摂取させる方法を見つけることができるでしょう。

[編集部]