【猫飼いTIPS】猫は、ほぼ肉球で汗をかく
みなさんは愛猫の足の裏を触った際に、なんだか濡れていると感じたことはありませんか? 人間の汗腺は足のつま先から、頭のてっぺんまで体中に存在していますが、猫の汗腺は「肉球と鼻」にしかありません。鼻はわずかな面積で、そう考えると、汗の放出ができるのは「ほぼ肉球」しかないのです。今回は猫の肉球にまつわるお話です。
猫が肉球に汗をかいている理由は?
猫が肉球に汗をかくのには、ふたつの理由があります。ひとつは暑いときに肉球から汗を放出し、体温調節の役割を果たしています。しかし、猫の体は人間と違って小さく熱がすぐに逃げるので、それほど体温調節は必要ない動物です。汗をかかない体質なのです。ですから、ほとんどの場合は体温調節というよりも、緊張、興奮、焦り、恐怖、怒りなどを感じたときに汗をかくことが多いといわれています。
みなさんも愛猫を動物病院などに連れて行ったときなどに、肉球が濡れていると感じたり、診察台の上に肉球の跡が付いたなどの経験があると思います。それは猫がかいた汗で、前述した状態の場合に放出されたものなのです。人間が緊張した際などに手足に汗をかくように、猫も同じように汗をかきます。猫の肉球の汗は、いわゆる「冷や汗」が多いのです。
愛猫の肉球が濡れていると感じたときには、その状況を改善してあげることが大切です。もし、暑くて汗をかいている場合には、エアコンや扇風機などを使用して室内の温度を下げる、また、肉球自体を涼めるようにしてあげましょう。暑いときには、犬と同じようにパンチング呼吸(ハアハアと荒い口呼吸)をする猫もいるので、それもひとつの目安になるでしょう。
暑がりかそうでないかは、猫の原産国や被毛の長さによっても変わりますが、特にペルシャ、ヒマラヤン、エキゾチックショートヘアなどの短頭種は熱中症にかかりやすいので、夏場のパンチング呼吸時には注意が必要です。また、緊張などで肉球が濡れている場合には、その緊張から解放させてあげることが大切です。緊張の原因を取り除き、リラックスを促すように抱いたり、撫でてあげるとよいでしょう。
猫の肉球にはほかにもたくさんの機能がある
飼い主のみなさんのなかには「肉球のプニプニ感が大好き」という人も多いことでしょう。SNSなどを見ていると、肉球だけを画像に撮って載せている人もいます。また、キャットウォークを透明なアクリル板などにして、下から眺めている人もいるようです。しかし、この肉球はプニプニしていてかわいいだけでなく、前述した汗をかくことのほかにも猫にとって大切な機能が備わっています。
猫はもともと狩りをする動物です。確実に獲物を捉えるためには、音をさせずに歩いて、できるだけ獲物の近くまで行く必要があります。そのため、足音や衝撃を抑える弾力のある肉球を備えているのです。さらに、肉球に汗腺があることで、歩いた場所にニオイを残し、狩りや帰巣に役立てたり、その肉球の湿り気が木に登ったり、高い場所にジャンプするときの滑り止めの役割を担っています。
猫の肉球のプニプニには癒されることが多いですが、じつは数多くの機能があるのでした。
前足と後足は肉球の数が違う
猫は前足と後足では指の本数が違います。それに伴い、肉球の数も変わります。前足は5本の指の先端に5つの指球(しきゅう)と呼ばれる肉球があります。手の平のように見える大きな肉球は掌球(しょうきゅう)、少し上の内側にひとつあるのが手根球(しゅこんきゅう)です。後足は4本の指の先端に4つの指球、真ん中にある大きな肉球は足底球(そくていきゅう)です。このように肉球にはそれぞれ名前が付いています。
まとめ
猫の肉球の湿り気は、猫の気持ちを表すものでもあります。その状況における愛猫の気持ちを知るには、態度や行動はもちろんですが、肉球を触ることもひとつの目安になることでしょう。肉球が湿っていたときには、愛猫の気持ちを理解し、リラックスができるよう考えてあげることが大切です。
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