新型コロナウイルスと愛犬・愛猫の健康～飼い主の責任と行動
香港のAFCD（漁農自然護理局）は、新型コロナウイルスの感染者が飼育する犬から、新型コロナウイルスの弱い陽性反応が出たという発表をしました。ニュースにもなっており、飼い主のみなさんは不安に感じているのではないでしょうか。
ペトハピでは、いち早くWSAVA（世界小動物獣医師会）の声明をご紹介しました。また、今回の香港当局の発表について、日本臨床獣医学フォーラム（JBVP）が、会長で獣医師でもある石田 卓夫先生のコメントを発表しています。
繰り返しになりますが、私たちが取るべき行動は信頼できる情報を得て冷静に行動することです。獣医師で医学博士の小関 隆先生のアドバイスを元に、いま私たち飼い主が把握しておくべきことをまとめました。
1. 現時点では、伴侶動物（犬・猫）や畜産動物（牛・豚・鳥など）が新型コロナウイルスに罹患するというエビデンス（証拠）はありません。ですので、飼い犬や飼い猫から新型コロナウイルスに感染する可能性、人や他の動物に感染を媒介することは非常に考えづらいとされています。
2. ヒト-ヒト感染は主に感染した人の咳や鼻水から出る呼吸器の飛沫が主な感染源と考えられています。念のため、新型コロナウイルスに感染していると診断された人を動物に近づけないことで、動物を守り疾病が伝搬する潜在的な可能性をなくすことができます。
3. 犬における消化器症状を起こすコロナウイルスに対するワクチンを使用することで、新型コロナウイルスへの何らかの防禦を期待する人がいますが、こうした使用法にエビデンスはありません。なぜなら新型コロナウイルスは型が明確に異なるからです。
飼い犬や飼い猫がウイルスを伝搬するという間違った情報を恐れた飼い主によって健康な飼い犬や飼い猫を遺棄または殺してしまうという、とても悲しい事件が海外でありました。動物福祉の観点からも、あってはならないことです。デマに惑わされず冷静な対応が求められています。
ペトハピでは、新しい情報が入り次第アップデートしていきたいと思います。少しでも不安がある場合は、速やかに獣医師に相談しましょう。