【猫飼いTIPS】猫は夜行性!? 夜に活発になる理由と対応策

猫を飼っている人なら、夜中に突然走り回ったり、遊び始めたりする愛猫の姿に驚いた経験があるでしょう。ときには何かを要求するように、鳴き続ける場合もあります。

猫は、昼はずっと寝ていて、夜に活動をするというのが猫の性質思っていませんか? 猫に関する最大の誤解のひとつは、猫は夜行性、つまり日が暮れてからもっとも活発に活動するという考え方です。

今回は、猫の活動の特性となぜ夜に活発になるのか、その理由と対策をご紹介します。

猫は夜行性?

猫は夜行性ではありませんが、昼行性(昼間に行動し夜間は休む)でもありません。では、猫がもっとも活動的なのは一体いつでしょうか。答えは夜明けと夕暮れ、つまり薄明薄暮性になります。

猫が薄明薄暮性なのは、夕暮れや夜明けに狩りをするように進化したからといわれています。獲物となる鳥やネズミなどの小動物は夜明けに活発に動き回るので、猫は薄暗い状況でも物を見る能力を発達させることで進化したのです。

薄明かりの時間帯は、昼夜を問わず狩りをする大型の上位捕食者から自分を守る役割も果たしています。

ただし、「鶏が先か、卵が先か」という因果性のジレンマのとおり、猫が薄明薄暮性の性質から見る能力を発達させたのか、薄暗い状況でも物を見る能力があったから薄明薄暮性になったのかは不明です。

なぜ猫は夜行性だと誤解されているのか

なぜ私たちは猫が夜行性だと思い込んでいるのでしょうか? ある調査によると、猫の飼い主の半数近くは、愛猫が夜中まで鳴き続けることがあると報告しています。

また、別の研究では、猫の飼い主の平均睡眠時間は7時間以下しかないことがわかっています。つまり、多くの飼い主が愛猫の一方的なおしゃべりや、ズーミー(Zoomies)に悩まされているということです。

もちろん、ズーミーはよく見られる行動です。しかし、愛猫が真夜中におとなしく眠っていたとしても、明け方に起こされると、彼らが一晩中起きていたと思い込んでしまうのです。

眠れないときの対処法

食欲の低下、過剰なグルーミング、トイレの粗相、過度に鳴き続ける場合は注意が必要です。特に、夜中に「ニャーニャー」や「アオーン」などと鳴き続ける理由には、以下のようなものが考えられます。

 避妊・去勢手術をしていない場合の交尾行動
 認知機能障害症候群(CDS)
 口腔内疾患や関節炎などによる痛み
 甲状腺機能亢進症


通常は、猫の日中の過ごし方や活動量を調整することで、効果が見られます。快適な睡眠のために試してみてください。

食事の時間と方法を調整する

野生の猫は、1日に15回もの少量の食事をとりますが、現代の家猫は、1日に2回程度の食事が一般的でしょう。夜中にお腹が空いて起きる場合もあります。

猫に大量の食事を与えると太る原因になりかねないので、一日の食事の回数を多く、少量にすることがオススメです。一日の最後の食事は、遊んだあとの就寝直前にするとよいでしょう。

ただ、通常はそこまで猫にかまっていられないことがほとんどです。そうした場合は、自動給餌器を使うことも検討しましょう。

さらに、フードボウルではなくスローフィーダーに取り替えてみてください。猫が精神的にも肉体的にも刺激され、夜間の睡眠の質が向上します。

遊んでから食事を与える

野生では食事は大変な労力です。獲物を狩るためにエネルギーを消費し食事にありつき、次の狩りのためのエネルギーを補充するために十分な昼寝が必要です。これは捕食サイクルと呼ばれるものですが、室内飼いの猫は、そのサイクルの一部(食べて、寝て)を繰り返すことしかしていません。

愛猫に捕食サイクルの全工程を与えるように努め、「狩り」の工程を活発な遊びに置き換えます。1日のうち1食しかできない場合は、就寝時間の1時間ほど前に、たっぷり遊んでから食事を与えるとよいでしょう。

猫の睡眠のサイクルをリセット

猫は多相性睡眠で、活動の合間に短い昼寝を繰り返し1日に12時間から16時間眠ります。

しかし、猫も人間の睡眠サイクルに合わせることができます。同期させるためには、愛猫の昼寝を短めにし、昼寝の間に十分な刺激を与えることがポイントです。

猫の睡眠サイクルをリセットするために、日中に頻繁に猫を起こし一緒に遊びます。1日に4回、10分間程度遊ぶのを1週間続けてみてください。

寝室に入れない

寝室のドアの外でニャーニャー鳴く猫もいるので、すべての猫に効果があるわけではありません。成功率を高めるには、次のものを用意して愛猫を別の部屋で眠らせるとよいでしょう。

・キャットステップやキャットタワー
・温かく快適なベッド
・潜れる毛布
・知育トイなどのおもちゃ
・ウォーターボウル


要求を無視する

厳しい愛情は有効ですが、簡単ではありません。愛猫の行動を完全に無視し、愛らしい誘いにも降参しないことです。一度でも屈すると愛猫の期待はリセットされ、ご褒美を得るためにさらに行動をするようになります。

また、猫の問題行動は改善する前に悪化する可能性があることも理解しましょう。その行動が新しいものであったり、ほかの症状を伴っている場合は、助けを求めている可能性あります。その場合は無視せず、動物病院に行きましょう。

まとめ

猫が夜に活発になるのは、彼らが夜行性ではなく薄明薄暮性の生態を持つためです。この誤解を解くことで、猫の行動に対する理解が深まり、適切な対策ができます。

夜間の騒音に悩まされる場合は、昼間の遊びや食事の調整、専用の寝場所の設置などの工夫で、快適な生活を実現できます。

猫の自然な習性を尊重しつつ、適切な対応策を実践することで、猫も飼い主もともに穏やかな夜を過ごせるでしょう。