多頭飼いの醍醐味

太鼓判ブリーダーが犬たちとの暮らしをご紹介。ほのぼのした日常やブリーダーならではの話など、いろいろな日常をお届けします。今回はイタグレのブリーダーIG Ippuku Kennel/萩原京子さんです。

「2頭目を迎えたいけど、子育てのたいへんさがまた来るのかと思うと……」と躊躇なさる方が多いです。ただ、すでに多頭飼いの方は実感していると思いますが、2頭になっても苦労は2倍になりません。

下の子は上の子を真似してどんどん覚えていきますし、飼い主もすでに経験値がアップしているので、多くても1.5倍くらいとお伝えしています。2頭で遊び、2頭とも疲れて眠り、飼い主の手から離れて彼らの生活へとなっていきます。どちらかというと2頭のほうが楽と言ってもいいくらいです。

それと「先住犬と仲良くしてくれるか心配」とも、みなさんおっしゃいます。

いつもベタベタくっついて、一緒におもちゃで遊んでいるのを仲が良いと思われるようです。ふだんは穏やかな共同生活をし、ときに一緒に遊び、ときに大げんかし、まったく別の部屋で寝ていたかと思うとくっついて寝ていたり……。

 

人間の兄弟もこういった暮らしではありませんか?

うちのワンコたちを見ていると、お互い認め合い、お互い折り合いをつけ、ほどよく共同生活していこうとしているのがよくわかります。

ひとつ屋根の下で日々ツノをつきあわせて、取っ組み合いのケンカしながら生きてくことなどなく、基本的には譲り合いの精神で暮らしています。私にはとてもできないことなので、犬たちを見て己を振り返ることが多々あります。

1頭から学ぶこともたくさんですが、複数になるとまた違った項目がグンと増え、近すぎない立ち位置から広く見ることができます。飼い主とワンコ、どちらが教育しているのか、教育してもらっているのか……それも多頭飼いの醍醐味です。