【犬飼いTIPS】犬はテレビを見て番組の内容を理解している!?
テレビを見ようとソファに座ったら、愛犬がテレビの前に陣取って視界を遮られたときはありませんか?
愛犬がテレビの前に座って画面を凝視したり、画面に向かって吠えたりしているとき、彼らはテレビの何を見て、何に反応しているのでしょうか。
犬向けにつくられた映像もありますが、犬は私たちと同じようにテレビ番組を楽しむことができるのでしょうか。
犬はテレビを見ることができるの?
犬はテレビを見ることができます。実際に多くの犬が楽しんでいるようです。犬が魅力的に感じるテレビ番組の特徴はいくつかあります。動きなどの視覚的なものもあれば、音に関するものもあります。
犬は人間の目とは大きく異なるため見え方も違います。犬の視力は0.4から0.2程度で、構造的に遠くのものがよりぼやけて見えることがわかっています。つまり、愛犬が私たちよりもテレビの近くに座るのは当然なのです。
また、犬には色を認識する錐体細胞が2種類しかありません。私たちは3種の錐体細胞を持つため、赤から紫までの色のスペクトル(赤・橙・黄・緑・青・紫)を認識できますが、犬が認識できる色は黄と青の2色です。
さらに、犬の目には暗い環境での視覚を可能にする桿体細胞が人間よりも多く存在しています。そのため、犬は暗闇でもよく見え、動きにも非常に敏感なのです。
犬は映像自体の感じ方も、私たちとは異なります。リフレッシュレート(1秒間に画面を書き換える数)が低いと「ちらつき」を感じます。人間の場合は55㎐(ヘルツ)以下になると感じるようですが、犬は動きの視覚能力が優れており、75㎐まではちらつきが見えるという研究もあります。
つまり、一般的なテレビ(60㎐)で映像を見ている場合、私たちには滑らかに見えるけど、犬には映像がちらついて見えるのです。最近では120㎐などの高リフレッシュレートの4Kテレビも発売されているので、犬も滑らかな映像を楽しむことができるでしょう。
犬はテレビが現実ではないことを理解している
犬がテレビを見て何を考えているのかを知るのは、現在の技術では難しいでしょう。とはいえ、犬はテレビに映るほかの犬や動物を認識し、鳴き声や音に反応し、実際の映像とアニメは容易に区別できるようです。
しかし、犬は嗅覚などほかの感覚にも大きく依存しています。犬のもっとも重要な感覚である嗅覚によって、犬は画面に映る映像が現実ではなく、単に動物や人物を模したもの認識している可能性が高いでしょう。
とはいえ、犬はテレビに映る動物の鳴き声によく反応します。これは、種の違いを超えても犬に情報を明確に伝えているといえます。ですから、愛犬とテレビを見ているときには、動物が苦しむような番組は避けたほうが賢明でしょう。
テレビに興味を示さない犬もいる
人間と同じように、犬もテレビからさまざまな楽しみを得ることができます。しかし、犬種や年齢などによって視力が違うので、テレビに映し出された映像がよく見える犬もいれば、そうでない犬もいます。
もし、愛犬が子犬だったり、とてもよい視力を持っているのであれば、嗅覚や聴覚に頼る犬よりも、画面に映る動きく映像に夢中になるかもしれません。
また、映像に簡単に「騙される」犬もいれば、見ているものが現実でないことを敏感に認識できる犬もいます。
犬が好きな映像
一般的に、犬は動物が動いている番組を好み、アニメよりも本物の動物の映像によく反応します。
愛犬がテレビに興味を示すかどうか試してみたい場合は、動きのある動物、特に愛犬が実生活で見慣れている動物(ほかの犬、猫、鳥など)が登場する番組を選ぶとよいでしょう。また、青、黄色、緑などの色合いの画像であれば、より見やすくなります。
次に、愛犬の反応を見て、彼らが見ているものが好きかどうかを判断しましょう。目は映像を追っているか、尻尾を嬉しそうに振っているか、または、不安そうになっているのか、唸り声をあげているのか。愛犬が好きな番組が見つかるまでテストを続けます。
テレビはつけっぱなしにしてもよい?
おそらく、愛犬はあなたと一緒にテレビを見ることを好むでしょう。ひとりでいるときは、丸くなって眠ったり、ほかに自分が興味のあることをしていることが多いといいます。
ただし、あなたの愛犬がテレビを見るのが好きなようであれば、留守番しているときにテレビをつけっぱなしにしていてもよいでしょう。
テレビ(あるいはラジオ)の音が聞こえているだけで、家族が帰宅するまでの時間がより早く過ぎるような感覚になるかもしれません。
その際は、テレビの音量は控えめにし、犬がテレビから離れようと思えば離れられるようにしておきましょう。ケージやサークルに入れていたり、クレートトレーニングしているときなどはテレビの映像や音がストレスになることもあるので避けましょう。
まとめ
テレビ好きの犬もいれば、あまり興味を示さない犬もいます。特に子犬のときは、現実と仮想の区別がつかず、どんな映像でも興味を示すかもしれません。
また、テレビは環境に慣れさせるというメリットもあります。普段とは違う映像や音を聞くことで、それが怖くないという経験になれば、外出したときにパニックになることも少なくなります。
ただし、テレビは遊びや散歩、あなたと過ごす時間の代わりにならないことは理解してください。愛犬は、テレビよりもあなたとの時間が大好きなのですから。