【猫飼いTIPS】猫が偏食するのは単なるわがままなの?
犬に比べて猫は偏食家だといわれます。「うちの子、好き嫌いが多いの」とか「健康のためと思ったのに、好きなものしか食べないの」など、フードジプシーになっている猫の飼い主さんの話をよく耳にします。それは猫の単なるわがままなのでしょうか。今回は猫の偏食についてのお話です。
猫はこだわりのある偏食家
じつは猫の食べ物の好みは、幼いころの食習慣で決まります。子猫は生後1カ月ほどで徐々に離乳食を食べ始めますが、その最初に口にした食べ物を「ごはん」と認識するのです。ですから、この時期に食べなかったものは、その認識がないのでなかなか受け入れることができないというわけです。ニオイを嗅いで食べないのは、「これは私のごはんじゃないわ」と思っているから。猫は慣れ親しんだ味が好きで、新しいものは好まないというのが普通なのです。
例えば、子猫のころにマグロやカツオなどの魚系中心のご飯を食べていた猫に、チキンやビーフなどの肉系のフードを与えても食べようとしません。個体差があるので、何でもパクパク食べる猫もいますが、偏食をするのが普通です。単なるわがままではないのです。愛猫が今のフードに満足してパクパクと食べているようなら、無理に変える必要はありません。栄養面などご飯に問題がないのなら、そのままのフードを食べることが猫にとっては幸せなことなのです。
年齢や体質でご飯を変える時にはどうしたらよいの?
基本的に栄養面等に問題がなければ、フードを変える必要はありません。しかし、避妊・去勢後やシニア期に入ったとき、アレルギーが出た場合など、年齢や体質に合わせてフードを変える場面も多々あります。その場合には、今まで食べていたご飯に新しいフードを毎日少しずつ混ぜて与えるようにします。そして、徐々に新しいフードを増量してゆっくりと変えていきます。移行は2週間程度かけるのがコツです。一度に変えてしまうとまったく食べない、あるいは食べてもお腹を壊して下痢が続いてしまうこともあるので注意が必要です。
また、最近は手づくり食が人気ですが、そうするためには子猫のころから慣れさせる必要があります。成猫になってからの手づくり食は移行が難しい場合が多いですが、市販のフードに手作り食を徐々に混ぜていくことで、慣れてくれる猫もいます。ただ、手づくり食は栄養のバランスを取ることが難しいので、なるべくなら市販されているフード(総合栄養食)に手づくり食をトッピングするという形のほうが健康維持しやすいでしょう。
好きだからといっておやつばかりはダメ
総合栄養食は、猫に必要な栄養がバランスよく配合されています。しかし、おやつばかり食べてしまい、フードをあまり口にしない猫もいます。その状態が長く続けば栄養が偏ってしまい健康を維持することができなくなります。おやつは間食ですし、ご褒美のときなど「何か特別なときに限られた量を与えることを意図したフード」と位置付けられているものです。猫にとっておやつは必ずしも必要なものではありません。
おやつは味付けが濃かったり嗜好性が高いものが多く、与えすぎるとそれしか食べなくなる傾向が強いのです。おやつしか食べなければ栄養不足になり、免疫力が衰え病気になりがちです。病気になれば療法食が必要になりますが、濃い味に慣れていると、まったく口にしないなどの悪循環に陥ります。愛猫が喜ぶからといって与えすぎるのは健康上からもよくありません。偏食の原因がおやつの与えすぎということもありますので、注意が必要です。
まとめ
猫が偏食をするのは、離乳後に初めて食べたものを「ごはん」と認識するからです。いろいろなものを食べてもらいたいのであれば、子猫のころからさまざまなフードに慣れてもらう必要があります。愛猫がいろいろなフードを食べなくても決してわがままで好き嫌いをしているのではないということを認識しておきましょう。もし、現在のフードをよく食べているなら、そのまま同じもの、あるいは同じ系統(肉系/魚系)のフードを与えるほうが猫にとっては嬉しいことなのです。
コメントを送信