うんちを移植する最新治療(便微生物移植)
ヒトの腸内フローラは3歳ぐらいまでに完成するといわれていて、幼少期がめちゃくちゃ重要なことがわかっています。帝王切開で生まれた子どもは、普通の出産で生まれた子どもに比べて腸内細菌がよくないというのも事実です。この問題を解決するために、帝王切開で生まれた直後(生後2時間後)の赤ちゃんにお母さんのうんちを摂取させたらどうなるか? という研究論文が発表されました。
この研究でわかったことをザックリまとめると以下のようになります。
①うんちの移植をして2日目でよい菌(Bacteroidaceae)がドカンと増殖し、ビフィズス菌などの腸内細菌種が増えた
②うんちの移植で腸内細菌は普通の分娩で生まれた赤ちゃんとほぼ同じになる(帝王切開で生まれた赤ちゃんには、Bacteroidaceaeはほとんど見られない)
これは、「犬と猫の腸内フローラの主役はヒトと同じか?」でも説明したとおり、赤ちゃんは産道を通過するときに母親から菌を受け継ぐということになります。すでにアトピーの治療で「糞便移植」の効果は実証されていますが、帝王切開で生まれた子犬や子猫にも、母犬・母猫からのプレゼント=便微生物移植は必要かもしれません。
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