【犬飼いTIPS】犬はなぜ遠吠えをするの?

みなさんの愛犬は遠吠えをしますか? 「ワオーン」と遠くまで響く遠吠えは犬ならではの習性ですが、日本の狭い住宅事情では、近所迷惑になっていないか気になるところです。また、それは飼い主にとってもストレスになります。もし、愛犬が遠吠えする場合にはどう対処したらよいのでしょうか? 今回は遠吠えの理由と対処法のお話です。

犬が遠吠えをする理由とは?

犬の祖先はオオカミです。彼らは群れをつくって生活し、その仲間同士で狩りに行くときのコミュニケーションとして遠吠えをするといわれています。その習性の名残は、現代の犬の遺伝子にも組み込まれていて、個体差はありますが遠吠えをする犬もいます。しかし、現代の犬は群れをつくって生活しているわけではありませんし、狩りをすることもありません。ですから、その遠吠えにはさまざまな理由があると考えられています。

【パトカーや救急車、消防車のサイレンに反応している】
これらのサイレンの音は、犬の遠吠えに周波数が近いといわれています。サイレンの音が聞こえると、仲間の声だと勘違いして遠吠えをしてしまうのです。犬の習性からの行動です。

【近所の犬とのコミュニケーション】
普段は遠吠えをしない犬でも、近所の犬の遠吠えを聞くとつられて遠吠えをしてしまうことがあります。これもまた犬の習性で、遠く離れた仲間とのコミュニケーションのひとつになります。愛犬が遠吠えをしたときには、近所の犬とコミュニケーションをとっているのかもしれません。

【敵の撃退や縄張りの主張】
前述した近所の犬とのコミュニケーションとは反対に、縄張り等を主張している場合もあります。近所の犬たちが一斉に遠吠えを始めるのは、お互いにそれぞれの縄張りを主張していることもあります。

【不安や寂しさを紛らわすため】
犬はもともと群れをつくって生活をしていたため、どんな犬種でもひとりで留守番することは苦手です。それが長時間になる場合には、その気持ちを紛らわすために遠吠えを繰り返してしまうことがあります。ペットホテルに預けられたときや動物病院に入院したときなど、慣れていない場所では特に遠吠えをしてしまうことが多いようです。また、夜間など周辺が寝静まってしまうと、その不安や寂しさから遠吠えをすることも少なくありません。

【ストレスを発散するため】
不安や寂しさを紛らわすことと繋がるのですが、不安や寂しさがストレスとなり、それを発散するために遠吠えをしている場合があります。人が嫌なことがあるとついつい「あ~、もう!!」などと言葉に出してしまうのと同じように、遠吠えでストレスを解消しています。犬は言葉で訴えることができないので、遠吠えをひとつの方法としているようです。

【要求の主張】
何かをしてほしいときなど、飼い主への要求をするときに遠吠えをする犬もいます。「遠吠えするとよいことがある」と覚えてしまった場合には癖になってしまいます。

【認知症が要因】
犬も老いてくると人間と同じように認知症を患うことがあります。認知機能が衰えた犬が不安や寂しさを感じたときには、24時間関係なく遠吠えを繰り返してしまうことがあります。

※楽器や音楽、歌声に反応して遠吠えのような鳴き声を上げる犬がいます。それは飼い主が困るというよりも飼い主と一緒に愛犬が楽しんでいるというもので、対処しなければならない遠吠えとは種類が違います。

 

遠吠えをやめさせるには

遠吠えが近所迷惑になる場合には、何とかしてやめさせるように対処する必要があります。しかし、前述したように犬が遠吠えをする理由はさまざまなので、その対処法もさまざまです。

▶飼育環境を見直す
家の外で飼育している場合には、室内飼育に変えます。室内で飼育している場合は、サイレンの音が一番聞こえにくい部屋に移動する、室内に防音対策をするなど、飼育環境を変えることで遠吠えを減らしたり防ぐことができます。認知症で遠吠えが酷い場合には、防音ケージなどを用意するのもひとつの方法です。

▶遠吠えしたら無視する
飼い主への要求をしている遠吠えの場合には、遠吠えをしたら背中を向けて無視することが大切です。「遠吠えしてもよいことが何もない」と覚えさせる必要があります。愛犬の要求に応えてしまうと、ますます遠吠えがエスカレートしてしまいます。完全に無視しましょう。

▶天罰方式で遠吠えを止める
遠吠えをしたら、大きな音を鳴らす、近くに物を落としてビックリさせるなど、遠吠えをすると嫌なことが起こるということで止めさせる方法です。

まとめ

犬が遠吠えをする理由はさまざまです。愛犬が遠吠えをして近所迷惑になっている場合には、何かしらの対策が必要です。まずは原因を突き止め、それに合った対策をしていくことが大切です。すぐに止めさせようと焦るあまり、愛犬に過度な不安やストレスを与えてしまうと、逆に遠吠えがエスカレートしてしまうこともあります。落ち着いて愛犬の行動や様子を観察して適切な対応をしていきましょう。