アイペット「ペットのための防災対策に関する調査」8割の飼い主が避難場所のペット可否を知らず

アイペット損害保険は、犬・猫飼育者1041名を対象に、第4回「ペットのための防災対策に関するアンケート調査」を実施し、結果を発表しました。

【災害を想定して、ペットに関する防災対策を何かしているか】に対して、何かしらの対策をしている飼い主は21.6%でした。具体的な対策については、犬飼育者の回答では「待てやおすわりなど基本的なしつけができている」、猫飼育者の回答では「普段からクレートやケージに入ることに慣れさせている」がトップとなりました。また、前年の調査と比較すると、犬・猫飼育者ともに「ペット用の防災グッズを揃えている」「在宅避難ができるよう、家具やケージ固定、落下防止などペットのための防災対策によって自宅の環境を整えている」がそれぞれ大幅に増加しました。

【ペットのために現時点で備えている防災グッズ】については、犬・猫飼育者ともに「フード(おやつ含む)・飲料水」が8割を超えました。次に多かったのは、犬飼育者は「リード」、猫飼育者は「トイレ用品(猫砂を含む)」という回答で、前年と同様の回答となりました。また、今後追加する備えについては、犬・猫飼育者ともに「フードや飲料水」がトップで、犬飼育者では「水のいらないシャンプーやブラシなどのケア用品」「寒さ対策用のブランケットや暑さ対策用の冷却マット」、猫飼育者では「避難先で使うトイレ用品(猫砂、排泄物を処理するためのビニール袋等)」「迷子になった時の写真・迷子札」という順で、ライフラインや避難することを意識した回答が上位を占めました。

【自宅から最寄りの避難場所がペットを連れて避難できるか】については、「知らない」との回答が76.3%と大半で、「知っている」は23.7%にとどまりました。なお、「知っている」と回答した飼い主のうち約8割は、最寄りの避難場所のペットの受入れ体制について認知していました。ただし、「建物の中に一緒に入ることはできない」が半数以上となるなど、依然として避難場所のペットの受入れ体制について課題を感じる結果となりました。

【ペットと一緒に避難生活を送ることを想定した場合、ペットに関する心配事】は、犬・猫飼育者ともに「他人や他のペットとのトラブル」「慣れない場所でのトイレ」が上位で、前年と同じ回答が並びました。そのほか、自由回答でも「吠えること」「鳴き声」「迷惑をかけること」など、周囲への配慮に関する心配事などが並んでおり、避難生活における心配事は、犬・猫飼育者共通のようです。

「同行避難」については、前年よりも3.9ポイント増の55.7%で、認知・理解度はゆるやかな増加を示しました。しかし、災害時ペットは飼い主との同行避難が原則とされているにも関わらず、8割以上が「知らない」と回答しました。特に猫飼育者では、9割近くが「知らない」と回答しており、室内飼いが推奨される猫の避難については、「在宅避難」という選択肢への意識が高い可能性もうかがえました。

災害時の迷子対策として有効といわれているマイクロチップの装着有無については、装着率は全体で25.4%にとどまりましたが、前年に比べ、犬・猫ともに5ポイント以上増加しました。2022年の義務化施行(既に飼育している人は努力義務)を前に、販売元等での対応が進んでいることもうかがえます。

現状のコロナ禍において災害が発生した場合、避難所に多くの人が密集するリスクを回避するため、安全面に十分配慮した上で「分散避難」なども検討する必要があります。そこで、【避難所以外にもペットと一緒に避難できる避難先、ペットの預かり先は確保しているか】を尋ねたところ、確保していると回答した飼育者は、約15%にとどまりました。さらに、確保先では、犬・猫ともにトップは「親戚・知人宅」で、続いて犬飼育者は「車中避難」「在宅避難」、猫飼育者は「在宅避難」「車中避難」「かかりつけの動物病院」の順となりました。また、今後検討する選択肢では、「在宅避難」「車中避難」「親戚・知人宅」がトップ3に並びました。

東日本大震災から今年で10年が経ちます。また、昨今の地震や台風、豪雨などの自然災害に加え、新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、新しい避難所のあり方も考える必要が出てきています。日ごろから防災への基本的な理解や意識を高め、ペットのための防災対策をさらに考えていく必要性を改めて認識する結果となりました。