「36回ローンで購入された猫」の悲しすぎる結末

「36回ローンで購入された猫」の悲しすぎる結末

犬や猫の飼育費は「100万〜200万円」近く必要だ

東洋経済オンライン | 2020/10/03

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このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。

ネット上で話題になっているので、ご覧になった人も多いのではないでしょうか。さらに、この記事をきっかけに「お金と心に余裕がない人はペットを飼わないで欲しい」というマンガがTwitterに投稿され、こちらも大きな反響になっています。

ペットショップで子猫をローンで購入し、このコロナ渦で自身の生活をも圧迫するようになってしまい、愛猫を手放せざるを得なくなりました。確かに、自分の生活力や実際にかかる飼育費などを考えずに、安易に購入した飼い主の責任は重いといえます。

しかし、販売する側=ペットショップにも問題はあると思います。来店したお客さんに、子犬や子猫を抱かせ、購入を迷っていると店員がローンの案内をします。タブレットで月々の支払額や支払回数などを即座にシミュレーションします。ペットショップによっては金利がゼロのところもあるので、お得感を感じる人もいるようです。店員の「ローンも利用できますよ」は天使のささやきに聞こえることでしょう。しかし、それが悪魔の誘惑となってしまうこともあるのです。子犬や子猫の将来を考えれば、飼い主の状況を聞くことも必要なのです。命を扱うということを真摯に考えてほしいと思います。

ペトハピで紹介している健全なブリーダー「太鼓判ブリーダー」は、安易に譲渡することはありません。生涯にわたって愛情をもって飼育できるのかを見定めます。少しでも不安なことがあれば、譲ることはありません。それは、子犬や子猫に深い愛情を注ぎながら育ててきた“わが子”だからです。だからこそ、譲って終わりではなく、そこからお付き合いがスタートします。健全なブリーダーは、子犬や子猫の生涯にわたって飼い主をサポートし続けます。どんなに小さな疑問や悩みでも真摯に対応し、ともに幸せに過ごしていけるようにアドバイスするのです。

帝国データバンクによると、コロナ渦で倒産したり事業を停止して法的整理となった企業は500社を超えたようです。しかし、ペット業界はまさに“ペットブーム”といえる状況です。ペットショップでの販売数は伸び、新規の出店も見られます。しかし、日常生活が戻りブームが終わったあと、安易に購入されたペットたちの未来は明るいのでしょうか。

犬や猫を飼うということは簡単なことではありません。迎える前に、ともに幸せに過ごしていけるのかどうかを、ちゃんと考えることは必須です。飼い主の安易な気持ちと行動で、犬や猫に辛い思いをさせることがないように、真剣に「命」と向き合うことが大切だということを忘れないようにしましょう。