“健全”なブリーダーはつねに学んでいる

家族の一員としてみなさんと暮らしている愛犬や愛猫の多くは、ブリーダーによって産出されています。ブリーダーといっても、単に販売目的のためだけに繁殖する業者から、敬愛心を持って繁殖を行う健全なブリーダーまで様々です。ペット業界におけるビジネスチェーンでは、ブリーダーは川上に位置しますが、あまり良いイメージ はなく、見聞きするのは、いわゆる“悪徳繁殖業者”や“悪徳ブリーダー”などネガティブなものばかりでした。

健全なブリーダーの行動や考えはあまり表に出ることはなく、広く知られることはなかったのです。しかしながら、健全なブリーダーこそ表に出て、その手本になるべきだと考えます。ペトハピは創刊当時から独自の基準に基づき、国内の健全なブリーダーを「太鼓判ブリーダー」として紹介してきました。

「太鼓判ブリーダー」は、単に良い犬や猫を産出しているブリーダーを紹介しているわけではありません。彼らがブリードする犬種・猫種について、どれだけの愛情を持ち、どんな環境でともに暮らし、どのような考えや計画を持って、子犬や子猫を産出しているのか、そんな思いや奮闘を広く知ってもらうためのものなのです。

昨今、ペットショップチェーンが販売する子犬・子猫の遺伝子検査を開始しました。しかし、健全なブリーダーたちは、すでに13年前くらいから対応していました。そして、その差は期間だけでなく、内容にも見られます。ペットショップチェーンは重篤とされる遺伝子疾患を中心に最低限の検査しかしていません。その一方で、健全なブリーダーは可能な限りの全疾患検査を行っているのです。

参考記事:ペットショップの「販売8週齢」「全頭遺伝子検査」は本当に安心なのか

日本はペット三流国といわれますが、実は世界に誇れるブリーダーも存在しているのです。彼らは、国内外のブリーダーと交流して、病気や医療、栄養(フードやサプリ)、用品など多岐にわたる情報をやり取りしています。そして、つねに知識を高めるために勉強しているのです。それらに終わりはなく、つねに進化し続けないといけないのです。

獣医師・TICA公認ジャッジの服部先生による「カラー遺伝学」セミナー
TICAブリーダーセミナー

猫のブリーダーにあって必須な学問といえば、「カラー遺伝学」です。世界的な猫の血統登録機関であるTICAやCFAでは、傘下のブリーダーには必須項目として勉強会を義務づけています。

一般のオーナーさんには難しい内容なので詳細は省きますが、猫の表面に現れる色やパターンは、猫の持つカラー遺伝子(因子)によって決まります。その数はなんと1000種類以上もあります。TICAやCFAの血統書には、その猫の先祖である5代分の血統が記されています。勉強すれば、血統書を見ることで愛猫のカラーや模様がどう遺伝したのかがわかります。もちろん、親猫を見ればわかりますし、ブリーダーに聞けば説明してくれると思います。

「カラー遺伝学」セミナーに続き、ペトハピでは、サプリメントの活用セミナーを開催しました。最近はペット用のサプリメントの販売も増えてきましたが、飼い主のみなさんは愛犬・愛猫にどんなサプリメントを与えていますか?

ケーエーナチュラルフーズ元井社長による「ペットのサプリセミナー」

日本では、ペットにサプリメントを与えることはまだまだ一般的ではありません。しかし、欧米ではフードに加えて、足りない栄養素をサプリメントで補うことは普通のことなのです。実際に欧米のブリーダーやオーナー宅を訪問すると、ずらりとサプリメントが並んでいます。「ペットフードですべてを賄うことはできない」という考えが広まっているようです。

最近では抗酸化力や免疫力を高めると謳っているフードが多くありますが、裏面の原材料を見れば、それらを実現するものがほとんど含まれていないことは一目瞭然でしょう。原材料は、「ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則」により、使用量の多い順に記載すると定められています。愛犬・愛猫に与えているフードにおいて、抗酸化力や免疫力を高める原材料や成分は一覧のどれくらいの位置にあるでしょうか?一度、確認してみてください。

サプリメントは、目的や用途が限定されているので、そういった心配はありません。たとえばアガリクス。免疫力を高めるということで、癌治療の補完代替療法として利用されています。厚生労働省の調査でも、60%以上と最も多く利用されているのが、アガリクスのサプリメントという結果になっています。

アガリクスの効果

また、このアガリクスの効果は、抗腫瘍だけではありません。免疫力を高めることで、真菌感染症(皮膚炎、カンジダ、マラセチア)、心臓や肝臓の保護作用、血圧低下、自律神経の調整(ストレス調整)、糖尿病、メタボ、発毛促進、抗インフルエンザなど、多くの効果が報告されています。これらは、家族である愛するペットにも有効なのです。

参考記事:愛犬・愛猫の免疫力をあげて健康寿命を延ばそう!

「キングアガリクス100ペット用」

ブリーダーにとっても、親犬・親猫の健康維持は必須です。健全な子犬・子猫は、健康な親犬・親猫からしか生まれないからです。もちろん、飼い主も同じです。クスリに頼らず健康に⻑生きしてほしい。みなさんそんな気持ちが強いと思います。

ブリーダーが積極的に使っているのが、「キングアガリクス100ペット用」です。これは、人間用のアガリクスをペット用に錠剤にしたものです。

ブリーダーは、ブリードする猫種のスタンダードを確認するために、親猫をショーに出陳します。ショーでは猫たちの負担を最小限にするよう配慮しますが、多かれ少なかれ猫はストレスを伴います。機嫌が悪くなったり、被毛の状態が悪くなるケースもあるので、ショーの前後は「キングアガリクス100ペット用」を摂取させるそうです。

ブリーダーでもあるペットジャーナリストの阪根美果さんが、実際の活用方法を解説

さらに、繁殖期から授乳期、とくに子育て後は積極的に与えるようです。繁殖から出産期に与えることで母体の免疫力を高め、健康な状態で繁殖・出産させることができます。授乳期には、母乳をとおして親猫の免疫力が子猫にも伝わり健康に育ちます。子育て後、母猫の体力は落ちます。そこでもアガリクスで免疫力を高めることで、栄養の吸収を高め、リカバリーを早めるといいます。

巣立った子猫たちも、オーナー宅で引き続きアガリクスを摂取してすくすくと育っているようです。最近はとくにシニアになった猫に与えることで、「被毛の調子がよくなった」「フードの量が増えた」「活動的になった」など、嬉しい報告が写真とともに送られてくるようになったそうです。

つねに勉強しているからこそ、ペットとオーナーをサポートできる
熱心に聞き入るブリーダー

このように、健全なブリーダーは、つねに犬や猫にとって最適な環境をつくるために日々学んでいるのです。そして、そこで得た情報はオーナーさんにも伝えられます。ブリーダーとオーナーさんはそのペットの生涯にわたって付き合いが続きます。困ったことがあれば、何でも相談に乗ってくれます。それが健全なブリーダーなのです。ペトハピは、これからも健全なブリーダーの育成に協力していきます。