しっかり考えたい「ペットの終活」

近年、周囲に迷惑をかけず、後悔しない有意義な人生を送るために、いろいろな準備を始める「終活」が広がっています。読者のみなさんの身近にも、すでに活動を始めている方もいらっしゃるかもしれません。

そして、その流れはペットにも波及してきました。獣医療の進歩やペットフードの進化は寿命を延ばし、飼い主とともに生きる時間が長くなりました。ペットに対する飼い主の考え方も「家族の一員」へと変化してきました。しかしながら、ペットは人間の約4~5倍の速さで年齢を重ねていきます。そこには「別れ」という避けられない現実があります。人よりも短い生涯であるからこそ、「ペットの終活」をきちんと考え、できるだけ後悔のない、理想的な最期を迎えたいと考える飼い主も増えています。

実際にペットの終活についてはいろいろな解釈が見られ、多くは「最期の過ごし方」や「見送り方」に重きを置く考え方となっています。

しかし、本当に大切なのは、私たち人間と同様に、有意義な一生を送るための準備ではないでしょうか。「別れ」をきちんと受け止め、いずれ訪れる最期に向けて何をするべきかを考えて行動するのです。

「元気なうちにドッグランで走って遊ぶ」「一緒に旅行へ行く」「おもちゃでたくさん遊ぶ」「写真を撮っておく」など、ペットとともに楽しみたいことをできるだけ多くしておくのです。

そして、病気になったら、介護が必要になったら、命が残り少ないとわかったら、別れがきたら、といったことを事前に考えておくことで、後悔を減らすことができるのです。

このような前向きな終活をし、「幸せな一生を過ごせた」という納得した最期を迎えられれば、飼い主がその後に負うペットロスも軽減できることでしょう。いま、「ペットの終活」について、積極的に考える時期が来ているのです。

「ペトハピ」では、シニア期に入ったペットを家族に持つオーナーが、できるだけ後悔のないペットとの別れを迎えられるように、「ペトハピ流ペット終活のすすめ」と題して、8回にわたりノウハウをご紹介していきます。