“ジェントルジャイアント”ことメインクーン

ペトハピ編集部が実際に取材し、自信をもって紹介できる “真の優良ブリーダー” です。
掲載基準はこちらからご覧いただけます。

猫種:メインクーン
猫舎名:Cattery Chatile(キャッテリー シャイル)
ブリーダー/動物取扱責任者名:湯本 幸江
登録情報:第56-0075(販売)
繁殖歴:16年
住所:埼玉県上尾市南
電話・FAX:048-771-6661
メール:サイトのお問い合わせフォームから
Webサイト:http://chatile.jp

埼玉県・上尾市の静かな住宅地にあるCattery Chatile(キャッテリー シャイル)。自宅兼猫舎の入口には大きな桜の木があり、春にはとても美しい情景を見せてくれます。一般家庭の中での繁殖ですが、飼育部屋も十分なスペースが確保された猫舎です。

「ケージでの飼育はしておりません。ストレスの少ない環境を心掛けています」と湯本ブリーダー。当時、小学生だった息子が拾ってきた猫があまりに可愛かったので、HHP(雑種猫の部)でキャットショーに出陳するようになります。色々な猫を見るうちに大型でワイルドなメインクーンに魅了され、繁殖の道へと進みました。健康管理を徹底し、スタンダードを追求しながら、誰からも愛される健康で魅力的なメインクーンの産出を心がけています。また、海外からも猫を迎え、離れた血統でも繁殖を行っている猫舎です。

メインクーンの特徴と魅力

メインクーンは大型の猫種で、ジェントルジャイアント(穏やかな巨人、大きな紳士)という愛称を持ち、賢くやさしい性格が特徴です。北東アメリカの寒く厳しい自然条件に適応しながら進化してきたメインクーンは、自然発生的に強固な骨格と耐久性が高い被毛をもつ丈夫な猫となりました。

大きくて長い体形、ボディと同じくらいに長い尾、高い位置にある大きな耳、耳の先の長い飾り毛も魅力的です。卵型で大きな目、幅が広く厚くて強い顎、太く筋肉質な四肢などが理想とされています。

「わが家のメインクーンはケージ飼育をしていないので、ストレスフリーです。多少の個体差はありますが、性格もよく穏やかです。よりスタンダードに近い猫が生まれるよう、タイプの良い猫同士で繁殖しています。」と湯本ブリーダー。

確かに親猫も子猫もバランスのよい美しい顔立ちをしています。また、初めての来客者にも相想がよく、人懐っこいのには驚きます。離乳を終え、体格がしっかりしてきたら、子猫たちはリビングで過ごす時間が多くなるそうです。「家族と一緒に過ごすことで、人懐っこい社会性のある子猫に育ちます」と言うとおり、子猫は十分な愛情をかけて育てられています。

飼育環境

猫舎は静かな環境の広い敷地の中にあります。2Fに飼育部屋3室+サンルームと、子育て部屋1室があり、1Fのリビングにも猫の姿があります。十分なスペースが確保されています。部屋は日当たりもよく、冷暖房設備も整えられていて快適。床は傷に強い硬質なフローリング仕様で、汚れてもふき取りが可能で清潔に保てます。独特なスプレー臭などもありません。

「毎日、一生懸命掃除しています」と話すように、室内はとても清潔に保たれています。特注の大型キャットタワーやキャットウォークがあり、猫たちはそれぞれのお気に入りの場所で、のびのびと過ごしています。「雄猫同士も同じ部屋で一緒に過ごしています」と湯本ブリーダー。去勢前の雄猫同士は喧嘩をしがちなのですが、この猫舎では皆無だそうです。それだけ性格の良い「ジェントルジャイアント」が多いということです。ゲージも置かれていますが、体調の悪いときや隔離したほうがよい状態の場合だけ使用。猫のためにさまざまな工夫がされた空間となっています。

ブリードの考え方

子猫の見学の際には、飼育環境や両親猫を見ることができます。それは飼い主になろうと見学にきた人にとっては、とても安心できることです。まず健康であること。そして、タイプや性格のよい親猫をブリードのラインに入れ、母猫の出産は年に1回程度。出産後に充分に体力を回復してから、次の出産に臨んでいるそうです。

「健康であることが最優先です」だと語る湯本ブリーダーは、フードや水についても勉強するなど、猫に対する深い愛情を感じます。また、両親猫の血統や掛け合わせによって生まれてくる子猫のタイプやカラーも変わってくるので、そのことも考えながら計画的に交配をしているそうです。「タイプのよい親猫を交配することで、子猫もその性質を引き継ぎます。飼い主さんに喜んでもらえる大切な要素だと思います」

遺伝的疾患についての対応

メインクーンはHCM(肥大型心筋症)、PKD(多発性嚢胞腎)、股関節形成不全などの遺伝的疾患が多いと言われています。湯本ブリーダーはこれらの疾患について、きちんと親猫を検査して対応しています。「HCMについてはDNAと心エコー検査、PKDはエコー検査、股関節形成不全についてはレントゲン検査をしています。これらすべてがクリアな親猫だけを繁殖のラインに入れています。それだけで100%回避できるわけではありませんが、最大限できる努力をしています」と湯本ブリーダーは話します。

毎日の日課として、猫たちの様子や体を触ったりして、いつもと違うところはないか健康状態をチェックしているそうです。もちろん定期的な健康診断を受け記録は残しているので、子猫を迎える飼い主としては安心できるでしょう。

引き渡しまでの生活環境

子猫は生後3カ月、2回目のワクチン接種の時期まで、湯本ブリーダーと親猫の愛情を受けながら兄弟姉妹と過ごします。湯本ブリーダーは時間の許す限り、猫たちと一緒に過ごすよう努めています。「やはりペットとしてメインクーンを飼うときに望まれることは、人懐っこく愛らしい性格だと思います。飼い主に愛され、喜んでもらえるよう、生まれたときから人と接することが大切です」と湯本ブリーダーは話します。持って生まれた気質には個体差もありますが、育つ環境により改善される部分も多いとか。1頭1頭、愛情をかけて育てられています。こうした環境で過ごし、子猫たちは新しい家族のもとへ巣立っていきます。

しつけ・お手入れ・アフターフォロー

「困ったときだけでなく、いつでも気軽に連絡をください」とオーナーさんに伝えているそうです。生涯にわたってさまざまな相談ができるのは、安心できます。基本的には日ごろのお手入れはそれほど手がかからず楽。気がついたときにコームで毛をとかしてあげれば、毛玉は防げるそうです。ただ、毛玉ができてしまい、手で解れない場合にはカットが必要。爪切り、シャンプー・ドライヤーやキャリーバックに入ることなどは、子猫のときから慣らしておくとよいそうです。

猫舎トピックス

「繁殖を引退した猫たちの幸せをきちんと考えることもブリーダーの使命です」と湯本ブリーダー。確かに、ブリーダーという仕事を長く続けていくためには、引退した猫をすべて手元に置いておくことはできません。質の高い飼育環境を維持するためには、適正頭数で繁殖をすることが必須です。

猫たちの第2の幸せを考え、ペットとして一般家庭で愛情豊かに、ゆったりとした一生を過ごしてほしいという考えから、成猫の里親募集もあるそうです。気になる人はWebサイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。