小学生だったころに「飼育委員」で学んだこと

先日、神奈川県で30代夫婦が飼育していたペットのウサギ2匹が、わずか2年足らずで200匹以上に増えてしまったという多頭飼育崩壊が起きました。夫婦は2020年8月から9月にかけてウサギ2匹を県内のペットショップで購入し室内で飼っていたところ、1年で約100匹にまで増えたということです。

ウサギのメスは生後4カ月ころから妊娠が可能で、約1カ月の妊娠期間で出産します。7~8匹を産む多産で、今回のケースでは保護までに約1カ月がかかり、その間もウサギは増え続けたそうです。

この飼い主は飼う前に、あるいは飼い始めにウサギの生態や飼育方法等について調べなかったのでしょうか? しかも最初の出産で雄と雌であることがわかったのだから、個々のケージで飼うなど対策ができたはず。なんで100匹、200匹になるまで放っておいたのか、はなはだ疑問です。

現在の小学校には動物を飼育しているところは少ないようですが、私の時代は多くの動物を飼育していました。飼育委員は放課後に動物たちの世話をするのですが、そこにいる動物たちの生態や飼育方法などは事前に勉強をしました。そして、ときどきクラスで飼育報告をしたりして、問題が生じるとみんなで動物たちのことを考え、意見交換しながら大切に育てていました。

ニワトリ、アヒル、キジ、ホロホロ鳥、インコ、ウサギ、モルモットなどがいました。専用の餌のほかに野菜などをあげていて、近所の八百屋さんに不要な野菜を貰いにいって、それぞれに合わせた大きさにカットして与えていました。動物が好きな私はもちろん飼育委員に立候補。この経験のおかげで動物たちのことを学び、ますます動物が好きになりました。そして、命の大切さも身をもって知りました。

小さいころのこのような経験は凄く大切だと思います。飼育委員でなくてもクラスでの飼育報告や実際に動物を見ることで学ぶことができましたし、なぜ今の小学校にはないのかと残念に思います。私はウサギの生態や飼い方は、小学校で学びました。ウサギは度々出産していましたし、雄雌がわかったところで別々にして育てていましたし、産まれた子ウサギを里子に出すことも経験しました。繁殖能力が高いこともみんなで学んで理解しました。私はよい時代に産まれたなぁとつくづく思います。

少し前に学校の先生が読む専門雑誌に「ペットを飼うということ」という題材で記事を書かせていただきました。動物と接したことがない先生もいて、どう命の大切さを伝えたらよいかわからない人もいるとか。

小学校で動物を飼うことは、案外大切なことなのではないかと思った1日でした。