「インターペット2019」で見たペット関連商品のトレンド

[2019/04/16 6:00 am | 編集部]

日本最大級のペットイベント「第9回インターペット~人とペットの豊かな暮らしフェア~」が3月28日(木)~3月31日(日)に東京ビッグサイトで開催されました。今年も、ビジネス・一般合計で4万人を超える来場者で賑わいました。会場をまわって見つけたトレンドや新製品などを紹介します。

第9回インターペット~人とペットの豊かな暮らしフェア~

■フード・おやつ・サプリ

まずは、もっとも身近なペットフードについて。多くのメーカーは、例年どおり既存製品などを中心に展示していました。いまや「グレインフリー」などアレルギー対策については当然になっているようで、プラスαを訴求していました。

そのトレンドのひとつが、「グリートライプ」を使用しているものでした。グリーントライプとは、牛や羊、鹿など4つの胃を持つ草食動物の胃袋です。本来、犬や猫は内蔵を好んで食べてきた肉食動物です。グリーントライプには草食動物が消化・吸収した栄養素が豊富に含まれています。肉食動物は、肉だけでは摂取できない栄養素をそこからバランスよく摂取していることになります。

カナダのペットフードメーカー「PetKind」は、グリーントライプ中心のラインナップ。カナダ食品検査庁(CFIA)も承認されている人間用のカナダ産素材を使っています
ニュージーランドのペットフードメーカー「NUTRIPE」は、厳しい食品衛生・生産管理のもと、ニュージーランド産の鹿グリーントライプを使用しています

もうひとつのトレンドが「フリーズドライ」でしょう。近年、フリーズドライ技術の向上もあり、私たちの食事のおいても、フリーズドライ食品はここ数年で倍以上の市場になっているようです。ペットフードやおやつにおいても同様のようで、いくつかのブースで紹介されていました。フリーズドライ製法は、新鮮な生の原材料を乾燥させるので、栄養価の損失が少ないのが特徴です。そのままでも、水やぬるま湯でふやかせば、まさに生食となります。

ニュージーランド発、生の原材料にこだわったプレミアムフリーズドライペットフード「KAIMATA」。最高ランクの生食材のみを使い、素材の栄養価を損なわないように最小限の加工に留めています
「white fox」は、ヒューマングレードの国産素材を使ったフリーズドライのおやつを紹介。茨城県産のさつもいも「紅天使」のフリーズドライも新登場

日本初上陸のフードや、おしゃれなパッケージのフードメーカーを2社ご紹介します。「BRABANÇONNE(ブラバンソンヌ)」は、英国の獣医師が開発したベルギー産のペットフードブランドです。天然素材にこだわり、厳選されたヨーロッパ産ヒューマングレード素材を使った総合栄養食です。「Naturea(ナチュリア)」は、ポルトガルで生まれたフードメーカーです。グレインフリー・グルテンフリーにこだわり、高品質の素材を使用しています。パッケージデザインも特徴的です。

ベルギー産のペットフード「BRABANÇONNE(ブラバンソンヌ)」
ポルトガル産のペットフード「Naturea(ナチュリア)」

ペットの健康維持や病気予防を目的に利用が広がっているのが「サプリメント」です。関節、被毛、腸内環境についてのサプリや、免疫力自体を向上されるものも見られました。サプリにおいてもトレンドは自然由来のようで、さらに今後は“ペット専用”ではなく、飼い主も含め家族全員で使えるというコンセプトが主流になると感じました。

「O・R・P」は、欧米ではペットにもハーブティーを与える文化を紹介。国産のオーガニックハーブティ「ORGANIC GARDEN」は、家族みんなで楽しめます
「清和」は、自然界に微量しか存在しない貴重な資源として、健康や美容、医療分野でも活用される「フルボ酸」を使ったサプリを紹介

■ペットケア・トイレタリー

ペットケア商品は、飼い主の都合ではなく、ペットに負担をかけないという視点で開発された商品が今後のトレンドのように感じました。それを牽引するのは、ペット業界のプレイヤーではなく、人間向けの商品を開発してきた化粧品メーカーの視点が大きいのではないでしょうか。

化粧品会社が獣医師と協力して開発したペット用無添加スキンケアシリーズ「GOOD SKIN DAYS」
欧米で大人気の「TICKLESS(チックレス)」。人間やペットには聞こえない超音波を発し、ダニ・ノミの寄生を防ぎます。
薬品を使わないのでペットへの負担もありません。使い切りタイプに、充電式が新登場

ペットのトイレも機能だけでなく、人間と同じような考え方が浸透し始めました。例えば、猫砂も化学薬品を使わない木材、紙、おからなど無添加のものが好まれるようになりました。毎日使うものだからこそ、健康に害のないものを選びたいという愛情からのニーズでしょう。

「三ヶ日ガーデン」は天然木の端材を使ったペレットタイプの猫砂です
桜、お茶、スズランの香りがあり、それぞれ色づけもされています
フィトンチッドの効果で消臭しつつ、ほのかによい香りが漂います
トイレタリー用品を製造販売する「コーチョー」は、人間用で培った技術をペットシーツやおむつに応用しています。人間やペットには聞こえない超音波を発し、ダニ・ノミの寄生を防ぎます
活性炭が練り込まれたシーツは、トイレのニオイを強力に脱臭します。しっぽ穴のついたおむつもペットに優しいつくりです

■環境・生活関連

ペットのいる家庭をターゲットにした電気製品も最近のトレンドでしょう。ペットの様子を見守るネットワークカメラ、室内の空気環境を快適にする空気清浄、除菌・消臭機、自動給餌・給水器機、新しいところでは自動トイレなどもこのカテゴリに含まれます。多くはIoT(モノがインターネットに繋がる)を謳っています。ただ、そういった魅力的な製品の出展が少なかったのは残念でした。

「PETBLE(ペットブル)」は、ペットの活動情報を記録するヘルスモニタリングシステム。スマートタグとスマートボウルを活用し、ペットの活動量やフード摂取量を管理し健康状態を分析します
シャープの猫トイレ「ペットケアモニター」。猫のトイレ状況や体重などを計測しクラウドに蓄積されます。データはスマホで見られます
光触媒を使用した除菌・脱臭機を紹介していました
この応用技術は、大気の浄化、浄水、防汚、防曇など環境の浄化も期待できるものです
風呂釜とガス給湯器メーカーの「モリタ工業」は、国内初の屋外専用のガスカートリッジを使った移動式瞬間湯沸器「OUTDOOR GAS BOILER」を展示
人やペットが温かいと感じる30~40℃の温水を習慣的につくり、シャワーヘッドから連続で30分間供給し続けます。印象的なデザインはプロダクトデザイナーの倉本 仁さん
中山石材店は、ペットの遺骨(粉骨)を使った手元供養のモニュメント「縁」を紹介
火葬後の遺骨を粉骨にし樹脂と合わせて成型します。モニュメントのほか、ブレスレットやロケットなどアクセサリーにも加工できます
[編集部]