「インターペット2016」では、ペットフードやおやつを提供する数多くの企業がブースを出展していました。参加された人は、たくさんのサンプルなどをお土産にしたのではないでしょうか。各ブースを取材して印象に残った製品や、今年のペットフードの傾向をレポートします。
「グレインフリー」フードの知名度がアップ?
まず、ドッグフードについて見ていきましょう。今回、各社のブースを回って印象に残ったキーワードは「グレインフリー」と「シニア」です。
「グレイン」は穀物のこと。つまりグレインフリーは穀物不使用という意味です。ペットショップなどで販売され知名度も高い「ニュートロ」から、「ワイルドレシピ」というグレインフリーフードが登場し、今後はグレインフリーフードを目にする機会が増えそうです。ほかにも、100%グレインフリーではありませんが、肉の配合量を増やしたフードや上質な肉を使用したフードも目立ちました。
グレインフリーフードは、製品としては以前から存在します。このレポートを担当する私も、愛犬・サモエドが若犬だったころはティンバーウルフやオリジンなどのグレインフリーフードを中心に与えていました。ただ、これらのフードはプレミアム中のプレミアムフードでかなり高価ですし、ホームセンターのペットコーナーなどで見かけることも少ないことから、一般的な認知度は低かったのではないでしょうか。
あるメーカーの人に話をうかがったところ、ここのところ穀物不耐症の犬が目立っているのだそうです。不耐症は、特定の食物を消化する力が不足している状態のことで、場合によっては下痢を起こしたりおならが増えたりします。牛乳を飲むと下痢をする乳糖不耐症などは、私たち人でもお馴染みですね。
また、健康診断などの際に犬のアレルギー検査を行う飼い主などは、フードの原料に気を使います。穀物不耐症ではなくても、穀物アレルギーが認められたらグレインフリーフードを、というわけです。我が家でもアレルギー検査を何度も受けていて、そのたびにフード選びの参考にしています。
かかりつけの獣医さんに話をうかがったところ、簡易的な検査は誤差も大きいため、あまり当てにならないのだとか。神経質になり過ぎるのも考え物のようです。しかし、フードは犬の身体をつくり健康を支える大切な土台ですから、上質な原料を使用したフードを選ぶべきなのは間違いないでしょう。
各フードメーカーのブースでも、アレルギー対策に力を注いだフード、素材や製法にこだわったフードが数多く提案されていました。ここのところ国産原料フードが注目を集めているのも、フードに対する飼い主の関心が高まっている証拠と言えそうです。
キャットフードは「グルメ化」「嗜好性重視」が顕著に
キャットフードですが、「グルメ化」「嗜好性重視」というキーワードが目立ちました。とくに、食べ飽きさせないための工夫は各社とも力を入れて取り組んでいます。あるメーカーによると、与えたフードを食べてくれない猫に対するお悩みが多いのだそうです。フードを選り好みする贅沢な猫が増えたのかなあ、と冗談も出ましたが、もちろん、腹が減ったから仕方なく食べるフードではなく、おいしくて品質に優れたフードを与えたほうが、飼い主もメーカーも幸せですよね。