森永みぐのペット保険加入道 Vol.15

たかがハゲ、されどハゲ。いまは健康だって油断は禁物

[2016/05/25 6:00 am | 森永みぐ]

とらじろうのハゲ再発で、保険加入がまたしてもウヤムヤになってしまいそうな流れですが、人間もペットも生きている以上は病気や怪我と離れられないもの。

特に、いまのところはハゲ以外は問題なく、ハゲ自体ももはやそこまで重要なポイントではないんじゃないかと思うほど。健康的に日常を過ごしているものの、いつなんどき何が起こるかわかりません。先代猫のとらきちは、子猫のころから泌尿器系が危うい感じだったことを考えると、とらじろうはいたって健康なので、ついつい油断してしまいそうなのが危険なわけで……。

とらきちは、拾ってきてすぐおしっこが出にくい異常が見られました。4~5カ月の時点で、どうも上手におしっこができないようなので、動物病院へ連れて行ったところ、おしっこに結晶ができやすい体質だと言われたのが始まり。銀色のトレイに出したおしっこの中に、キラキラと光る結晶が見えたのはけっこうなショックでありました。

このまま放っておくと、結晶が結石になり、最悪の場合は手術になるとのことで、結晶ができにくいペットフードを勧められました。このペットフードがまたお高くて、それなりにタイヘンだったわけですが、それでも愛するとらきちのため(ペット保険でもフードは対象外なんですけどね)。

そんなお高いフードを食べていても、年に1~2回くらいはおしっこが出にくくなり、病院のお世話になることも多かったんですが、歳をとって7~8歳ころになると、いよいよほかの部分にも問題が出てきてしまったのでありました。

当時のとらきちは、いつも以上に元気がなく……、食欲もなく……、でも水ばかり飲んでいて……、どう見てもふつうじゃない状態。

あわてて動物病院へ連れて行ったところ、診断されたのは腎不全。なんと、もはや腎臓が機能していない状態でありました。のどが渇いて水を飲んでも、自分の体内に水分を取り込むことができなくなっていたわけです……。

このまますぐに死んでしまうのでは? と不安になりましたが、人工的に体液を入れ続ければバッタリ死ぬことはないとのこと。猫の場合は、皮下に水分を貯められることができるそうで、そこに月に1~2回ほど体液を注入してあげれば、ふつうに生活できるのだとか。

根本的な治療ではないものの、長く生きられるとのことで、とらきちの輸液の生活が始まったのでした。1リットル近くある液体を、皮の下に針を差してブチューと入れるんですが、この治療が1回につき4~5000円。だいたい、3~4週に1回ほどの通院ですが、暑い夏場は2~3週に1回と短くなります。

お金は毎回かかりますが、それでも、やはりとらきちのため。輸液をすれば元気になるので、きちんと治療を続ければ長生きできるワケです。ですが、やっぱり経済的にもかなりしんどいのも事実。これがこの先ずーっと続くのか、もっとひどくなったらお金がもっとかかるのか、とお金のことを考えてしまうこともありました。その後、1年半ほどでとらきちは天国へ旅立ってしまったのですが……。

しかし、あのままずっと長生きしていれば、経済的負担はかなり大きくのしかかってきてしまう現実もありました。お金なんかよりも、とらきち本人のほうがずっとつらいというのはわかっているのですが、こればっかりはどうしても頭をよぎってしまいます。

当時はペット保険もまだ一般的でない時代だったので、保険の「ほ」の字すら頭に浮かばなかったのですが、もし保険に入っていたらだいぶラクだっただろうというのは想像に難くありません。

誰だってペットの命とお金は天秤にかけたくないものですよねぇ……。

[森永みぐ]