スタパ齋藤の猫ラボ Vol.12

フラッシュを使わずに目ん玉まんまる猫をキレイに撮りたい!

[2016/02/19 6:00 am | スタパ齋藤]

猫との暮らしに役立つアイテムをアレコレ試したり、写真の撮り方を研究したり、日々の猫たちの行動を観察したり……。この連載では、スタパ齋藤が「飼い主目線」で、猫にも飼い主にとってもうれしいこと、猫とのシアワセな暮らしなどを研究していきます。

猫の写真、撮りますか? 猫ってフォトジェニックで、見ていると思わず写真に撮りたくなりますよね~♪

でも、なかなかカワイく撮れなかったりします。写真撮影をしやすい明るい昼間だと、なおさら。写真自体はうまく撮れても、肝心の猫の顔が……明るいと猫の目ってちょっとコワくなりがち。「目が縦線」になっちゃうからですな。

昼間の拙宅猫「とろ」。十分明るいので写真がブレずに撮れましたが……目が縦線でコワ~イ! みたいな。ちなみに、薄い黄色に見えている目の部分は虹彩です。その外側には白目がありますが、猫の白目はあまり露出しません
コロッと裏返しになってカワイイポーズを決めましたが、やっぱり微妙に目が怖い感じですね
こちらは明るい場所で撮った拙宅猫「うか」。じつはゴロゴロ言ってゴキゲン状態なんですが、目が縦線で「凄んでいる」ように見えますな
コロッとしても……やっぱり目が肉食獣っぽくて……みたいな

一方、周囲が暗い夜や、暗い場所で撮るとどうでしょうか? 暗いと猫の目の瞳孔がまんまるに開いて、とりあえずカワイく写っちゃうから不思議です。

夜間の「とろ」。瞳孔が大きく開いてとても魅力的な顔に
こちらは夜間の「うか」。目がまんまるでキュートです

というわけで、猫を撮るのは夜(もしくは暗めの場所)に限る! のですが、で・も。

猫ピカ写真もいいけど、やっぱりまんまるでキュートな写真が撮りたいっ!!

暗めの環境で猫を撮ると、手ブレしたり写真が暗くなったりしがち。そこでやっぱり結局、フラッシュを使って撮影しちゃう人も多いと思います。スマートフォンやデジカメに内蔵されている、ピカッと光るフラッシュ機能ですな。

まず、猫に対してフラッシュ撮影を行うことについてですが、さまざまな意見があるようです。頻繁にフラッシュ撮影すると、猫にストレスを与えるほか、目にダメージを与える可能性があるそうです。特に生後すぐの子猫は視覚が十分発達していないので、フラッシュ撮影が視覚障害を起こす可能性もあるらしいです。これをわきまえつつ、ワタクシの場合、フラッシュ撮影をするときはなるべく光量を抑えつつ、かつ、なるべくフラッシュ光が猫の目に直接入らないようにして撮影しています。

さておき、フラッシュ撮影をして、うまく写ることも多いんですが、「?」って感じの失敗もあったりします。失敗の中でもけっこー多いのが「猫が眩しそうな顔をする」「眩しそうな顔ばかり撮れる」みたいなコトです。また、猫の目にフラッシュ光が反射するのも、よくある失敗写真です。

スマートフォンのカメラ機能+フラッシュ機能で「とろ」を撮影。明らかに眩しそうな顔をしています
こちらはデジカメでフラッシュを使って撮影。少し眩しそう、かも。ちなみに「とろ」は眠くなると耳が垂れてきちゃう猫なんです

猫ピカ写真もたまにはいいんですが、まんまるでまっ黒な瞳孔のほうがカワイイかも、です。また、上の写真で猫が眠そうに写っちゃう件ですが、これはそのまんま、猫が「フラッシュを眩しく感じていて目を少し閉じちゃってるから」なんです。

例えばスマートフォンのフラッシュ機能って、撮影の瞬間、やや長めに光り続けたりします。上の「あからさまに眩しそうな顔のとろ」は、その光を眩しく感じて目をつむりかけているわけです。

また、「うか」の場合は「デジカメ内蔵フラッシュのプリ発光の瞬間に目を少し閉じた」のが写っているんです。デジカメの内蔵フラッシュって、撮影時に瞬間的に2度光ったりしています。まずプリ発光があり、瞬時に露出などを決定。直後、本発光があり、撮影。てな流れです。フラッシュをよく見ていると「パッパッ」と2度光っているのがわかると思います。

で、「うか」の場合、そのプリ発光の瞬間に眩しさを感じて目を閉じるんですな。そして閉じる動作の途中で、デジカメ側で本発光が行われて撮影されちゃいます。結果、目を閉じかけている表情が写っちゃうというわけです。

デジカメでフラッシュ機能を使って撮った「うか」。直前まで目をパッチリ見開いていましたが、撮ってみたらこの表情でした
何度撮っても、フラッシュを使うと眠そうな目の表情で写ってしまいます

ただ、どの猫でも「プリ発光の瞬間に目を閉じる」というわけではないようです。「とろ」の場合は、ときどき閉じる程度ですが、「うか」の場合はよく閉じる感じ、みたいな違いがあります。また、同じ猫でも、閉じる場合と閉じない場合があったりするようです。

こちらは猫の目にフラッシュ光が反射した写真。瞳孔の色が薄くなり、ちょっと目力が落ちたような……。猫の目がこんなふうに光るのは、網膜の奥に「タペタム」と呼ばれる反射板があるからだそうです。これにより、網膜を通過した光を再度網膜に戻し、より多くの光を感受することができるとのこと
猫の目に入った光が網膜の奥にあるタペタムで反射してピカッ! ワタクシはこれを「猫ピカ」と呼んでおります。猫ピカー!

これを防ぐには……フラッシュを使わないのがイチバンですが、「それじゃあ暗くて撮れない~」となるかもしれません。わりと手軽な回避策としては、明るいハンドライトなどで猫の近くの天井や壁を照らして撮ることです。ハンドライトの光を間接的に猫に当てるわけですな。また、デジカメに外付けフラッシュを付けて、フラッシュ光を天井や壁に反射させて猫に当てて撮ってもいいと思います。

また、最近のデジカメは非常に高感度になっています。感度は「ISO」で表されますが、ひと昔前は感度がISO800程度まででしたが、最近のデジカメはISO25600など各段に「暗い場所でもよく撮れる」ようになってきました。機会があれば、ぜひ一度そういった「超高感度デジカメ」で猫を撮ってみてください。フラッシュやハンドライトなどの補助光ナシでキレイな写真が撮れると思います♪

外付けフラッシュの光を天井に反射させて猫を撮影。目に直接強い光が入らないため、この方法で撮ると眩しい表情をすることはありません。もちろん「とろ」もです
上の写真を拡大したもの。猫の瞳孔をよーく見ると、照らされた天井が写り込んでいます。また、まぶたの下に影ができていて、猫の目に真正面から直接強い光が入っていないことがわかります
[スタパ齋藤]