【犬飼いTIPS】アメリカで“素数ゼミ”が大量発生! 愛犬がセミを食べたら? 健康への影響と対策

夏の訪れとともに、日本の各地ではセミの鳴き声が響き渡ります。セミは短い成虫期間を精一杯生きるため、この時期には大量のセミが地上に現れます。

飼い主にとって、セミの存在は気になるものです。庭や散歩中にセミが地面に落ちていたり、飛び回ったりする様子に興味を示し、場合によっては犬がセミを口にしてしまうこともあります。

犬がセミを食べてしまっても大丈夫なのでしょうか? 今回はセミのお話です。

セミはカメムシの仲間

セミとは、カメムシ目に属する昆虫の一種で、夏の日本の風物詩として広く知られています。カメムシの仲間ですが、悪臭を発することはありません。

セミのライフサイクルは非常に興味深く、大部分を地中で幼虫として過ごします。一般的に3~5年の幼虫期間を経て地上に出てきます。地上に出た後、短い成虫期間(数週間)を過ごし、その間に繁殖活動を行います。

セミの存在は、生態系においても重要な役割を果たしています。彼らはほかの動物にとって貴重な食料であり、栄養源になります。

アメリカではセミが大発生

アメリカでセミが大発生したというニュースをご覧になった人も多いと思います。このセミは、周期ゼミ(素数ゼミ)とも呼ばれています。

今年は、221年ぶりに17年周期と13年周期のセミが同時に成虫となるとされ、合わせて1兆匹が羽化するとされています。

ちなみに、素数ゼミの名付け親は、静岡大学名誉教授で生物学者の吉村 仁博士です。素数ゼミがなぜ13年と17年に一度しか発生しないという規則性を持つのかは、氷河期を生き残る術と最小公倍数ということです。興味のある人は、『素数ゼミの謎』にて。

愛犬がセミを食べてしまったら

犬にとってセミは、興味をそそられるおやつである可能性が高いです。幸いなことに、セミは動物や人間を噛んだり刺したりしませんし、病気を広めたりすることはありません。つまり、食べても有毒ではありません。

散歩中に1~2匹食べてしまっても問題にはなりません。しかし、食べ放題のようにお腹いっぱいになるまで食べてしまうと、病気になる可能性があります。

セミには外骨格がありカリカリとした食感で、犬にとっては興味深いおやつです。しかし、たくさん食べると犬の胃の粘膜(内壁)を傷つける可能性があります。

外骨格は硬いので、消化するのはそれほど簡単ではありません。その結果、下痢や嘔吐などの軽い胃腸症状が見られることがありますが、症状は長く続かず、自然に治まります。

セミの羽や外骨格などの硬い部分は飲み込みにくいため、窒息の危険があります。特に小型犬や食べ物を飲み込んでしまう子には注意が必要です。窒息の徴候に気づいたら、ハイムリック法を行い吐き出させます。

まれに腸閉塞になることがありますが、これはより深刻な症状です。嘔吐や下痢が続いたり、嗜眠状態に陥った場合は、すぐにかかりつけの獣医師に連絡しましょう。

まとめ

もともと犬は好奇心旺盛な動物です。しかし、この好奇心は、ときにさまざまなトラブルを引き起こします。実際、食用にならないものを食べてしまうこともあります。

騒々しく飛び回るセミは、彼らにとっておいしいターゲットになることがあります。セミは犬にとって害のない食料ではあり、数匹食べた程度では問題はありません。

ただし、食べ過ぎによる消化不良、まれにですが腸閉塞を引き起こす危険もあります。散歩の際には、むやみに口にしないように注意しましょう。