【猫飼いTIPS】子猫はどうやってトイレの使い方を知るの?

犬にはトイレトレーニングが必要です。これを怠ると、その後いろいろなアクシデントに見舞われることになります。では、猫の場合はどうでしょう。

猫にはトレーニングの必要がありません。「トレーニング」は、飼い主であるあなたに必要なものかもしれしません。適切な大きさのトイレを用意し、適切な場所に設置し、猫砂を入れることです。準備してあげる「トレーニング」ということです。

猫におしっこやうんちをトイレですることを教えるのは、まったく手間がかからないのです。なぜ、猫はトレーニングなしでトイレを使えるようになるのでしょうか? 今回は猫のトイレ本能についてのお話です。

猫はどうやってトイレの使い方を覚えるの?

母猫や兄弟猫と一緒に育った子猫でも、野良猫として自分だけで育った子猫でも、自分の排泄したものを覆い隠せる場所で用を足すのが猫のDNAなのです。野生では、自分のニオイを捕食者に捕捉されれないためにうんちを埋めることが知られています。

生まれたばかりの子猫は、排泄のために刺激を与える必要があります。しかし、生後3~4週間になると、自然にトイレを使うようになります(最初は多少散らかしますが……)。

猫は生まれながらにして、排泄物を掘って隠そうとする本能があるのです。理論的には、部屋中に適切なトイレを設置すれば、猫はそれを使うようになります。

屋外から屋内生活に移行した野良猫も、どこで用を足すべきかわかるでしょう。しかし、用意したトイレではなく観葉植物などを使うこともあります。

そういった時には観葉植物を片付けたり、トイレの場所を工夫したり、違う種類の猫砂を試したりして慣れさせてあげましょう。また、猫砂に外の土や砂などを加え、徐々に市販の猫砂に移行することも考えてみてください。

トイレを覚えない猫もいるの?

猫がトイレの使い方を覚えないということはまずありません。一般的には、何かが原因で猫がトイレを使わないのです。しかし、なかには猫砂を掻いてうんちを隠すのが下手な猫もいます。

単純に狙いが定まらずに猫砂をうんちにかけられなかったのか、そもそも排泄物を隠す行動をしなくなったのかなど、行動の変化を見分けることが重要です。なんらかの原因で、トイレで過ごす時間をできるだけ短くしたいので、砂掻きをしないのかもしれません。

もし、あなたの愛猫がトイレで困っていたら、迷わずブリーダーや獣医に相談して、解決策を見つけましょう。できるだけ、あなたも愛猫もストレスをためないように。

猫にトイレの場所を覚えさせる必要はある?

トイレを見つけやすい場所に設置すれば、猫はトイレを認識できます。また、人の往来や音の出る家電製品から離れた静かな場所に置くのがよいでしょう。

トイレは、猫1匹につき1個、プラス1個のトイレを用意することをオススメします。多層階を行き来できる環境であれば、各階にトイレを設置してあげましょう。

猫を抱き上げてトイレに入れる必要はありませんが、どうしてもトイレの場所が分からないようなら、おもちゃやおやつでトイレのある部屋に誘導し、猫が自分でトイレを見つけられるようにするとよいでしょう。

猫がトイレの外で用を足す場合

トイレのトラブルは、何かがうまくいっていないときに起こるもので、けっして珍しい行動ではありません。ASPCAによると、猫の10%が、生涯のある時点でトイレの外で排泄するそうです。確かに、猫がトイレの外でおしっこやうんちをしたりするのはイライラするかもしれませんが、それは猫が「何かがおかしい」と伝えている可能性が高いのです。次の確認をしてみましょう。

環境面

猫はキレイ好きです。用を足すのも静かでプライベートな場所がいいと思っています。トイレの位置、トイレの形や大きさ、トイレの汚れ、猫砂の種類などが原因で、猫が別の場所でトイレをしようとする可能性があります。

行動面

トイレ以外での排泄の一般的な原因は、恐怖心です。トイレに行くということは、どんな動物にとっても無防備な状態です。もし、猫がトイレ内や周辺でネガティブな経験をすると、トイレに入ることを恐れたり、不安になったりするものです。

獣医学面

尿の変化は、尿路感染症や尿量に影響を与える疾患によるものかもしれません。排便習慣の変化は、胃腸障害、腸内寄生虫、または一般的なストレスによるものかもしれません。いつもと異なると感じたら、動物病院で診察を受けることをオススメします。

趣味趣向

少なからず、トイレで寝るのが好きな猫もいます。そうした猫は、トイレを寝床としているので、そこで排泄することはしません。保護施設にいる猫のように、隠れたり寝たりするスペースが限られている場合にトイレで寝ることが多いようです。

しかし、多くの場合は泌尿器系や消化器系の病気など、獣医学的な理由がある場合がほとんどです。そういった場合は動物病院で診察を受けることをオススメします。

まとめ

猫は犬と違ってトイレトレーニングの必要はありません。適切な場所に、適切なトイレを設置し、猫砂をいれてあげれば自然にそこで排泄をするようになります。

ただし、猫は敏感な動物なので、ちょっとした変化でトイレをしなくなることもあります。まずは、前述のとおり現状を確認して修正してあげることが大切です。

それでもトイレ以外で排泄をしてしまう場合は疾患の可能性もあるので、動物病院で診察してもらうとよいでしょう。