【犬飼いTIPS】愛犬の拾い食いに要注意!!
2019年5月13日に大阪市生野区の「北鶴ふれあい公園」で、散歩中の大型犬が草むらに容器に入って置かれていたドッグフードのようなものを食べてしまい、嘔吐や痙攣(けいれん)を繰り返した末に、1週間後に亡くなりました。警察が容器の中身を調べたところ「エチレングリコール」という有毒な薬品(液体)が混入されていたことが判明。ほかの場所でも同じ容器が見つかったことから、警察は動物愛護法違反の疑いで捜査を続けています。
散歩中に限らず、家のなかでも愛犬がペットフードではないものを口に入れてしまい、ひやりとした経験をしたことがある飼い主も多いことでしょう。拾い食いは上記のように愛犬を命の危険にさらすこともあります。好奇心旺盛な愛犬ほど注意が必要です。今回は危険な拾い食いをやめさせるコツのお話です。
そもそもどうして拾い食いをしてしまうのか?
犬の拾い食いを100%止めさせるのは難しいといわれています。それは犬にとって本能的で自然な行動だからです。人間の場合は常識的な判断力があれば、道端に落ちているものは汚い、腐っている、バイ菌があるかもしれないと考えて口にいれることはありません。しかし、犬の場合は野生動物であったころの摂取行動の名残があり、何か落ちていると近づき確認し、ニオイをかいで口に入れてみるという行動をとります。犬にとって拾い食いは本能的で、習慣ともいえる当たり前のことなのです。
ですから、拾い食いをしたからといっていきなり叱ることは、愛犬にとっては何で叱られたのか全く理解できないということになります。しかし、愛犬の命と健康を守るためには、拾い食いをしないようにしつける必要があります。飼い主は拾い食いの危険性を理解し、対応することが大切です。
拾い食いにはどんな危険があるのか?
■命の危険の恐れ
散歩などで外出した際には、犬にとって毒性のあるもの、腐敗しているもの、尖っている串のようなものなど危険なものが落ちていることがあります。また、動物や魚の死骸や骨などから病気の感染をするかもしれません。また、農地などの近辺では農作物を守るために害獣駆除の駆除剤がまかれていることがあります。近年は前出の事件のように、ドッグフードに薬品を入れたものを公園などに置く、農薬入りのソーセージや毒団子を路上に置くといった悪戯や動物虐待が増えています。自宅近くでも、旅行先でも気を付ける必要があります。
■内部寄生虫などの感染の恐れ
拾い食いをしたあとに急な下痢などの症状が出たときには、内部寄生虫が疑われます。寄生虫そのものや卵が見つかることがあります。回虫、条虫、コクシジウムなど、ほかの動物の糞などから経口感染する恐れがあるのです。散歩中だけでなく、不特定多数の犬が集まる場所(ドッグランなど)や野良犬が多いエリア、野生動物が多いエリアでは注意が必要です。また、飼い主がほかの犬や動物と接触したり、靴などで踏むことにより、自宅に持ち帰ってしまうこともあります。内部寄生虫の多くは人畜共通感染症といわれ、人にも感染するものが多いので、犬の排泄物の処理や掃除にも十分に注意が必要です。
■下痢や嘔吐などの体調不良になる恐れ
命の危険や内部寄生虫の感染、またウイルス感染のような感染症にならなかったとしても、拾い食いしたものが体に合わないと下痢や嘔吐をすることがあります。そのときの体調によっては長引くこともあります。
部屋のなかにも危険物はたくさんある
拾い食いは屋外だけのことではありません。家のなかにも犬にとって危険なものが多く、飼い主は十分な注意が必要です。飼い主には問題なくても犬にとって危険な食材はたくさんあります。例えば、チョコレート、キシリトールガム、ネギ類など。薬品、化粧品、洗剤、毒性のある観葉植物なども危険です。また、屋外にもありますが、たばこの吸い殻もニコチンが含まれているので注意が必要です。愛犬の届かない場所に置くようにしましょう。
拾い食いをやめさせるコツは?
■室内を片付ける
室内で愛犬に拾い食いをさせないためには、まずは室内環境を整える必要があります。整理整頓し、愛犬が届く範囲には危険なものは置かないことが基本です。タバコ・薬品類・洗剤類・化粧品など、またキッチンの野菜や生ごみ、食べ残しなどはすべて棚の中にしまうか、入室禁止にします。観葉植物は愛犬の届かないところに置くようにしましょう。
■庭・倉庫・車庫などを片付ける
農薬・殺虫剤・殺鼠剤、また、ガーデニングなどで使う肥料や栄養剤なども種類によっては危険です。また、クルマに使うラジエーター水やウオッシャー液など犬にとって危険な液剤も厳重にしまっておきましょう。
■基本的なしつけをしておく
合図をしたら飼い主を見るよう、アイコンタクトができるようにします。「マテ」「ストップ」「ノー」などは拾い食いをする前に止めることができるコマンドです。また、万が一、口に入れてしまった場合にも「ダセ」「チョウダイ」などのコマンドを教えて、飼い主が口のなかに手を入れることに慣らしておきます。普段から口の周りを触ることや口のなかに手を入れることに慣らしておくと、無理やり口をこじ開けたり、噛まれたりすることを防ぐことができます。好きなおやつやおもちゃと交換条件にする方法も有効的です。
まとめ
拾い食いで悩んでいる飼い主はたくさんいます。食べることやパクリと口に入れることは、犬の本能であり、ありがちな問題行動です。愛犬だけがしてしまう、特別な行動ではありません。しかし、「命」の危険から守ることができるのは、飼い主であるあなたしかいません。愛犬の過ごす環境や外出先の状況に注意を払い、飼い主が先に察知して、愛犬を近づけないようにし、危険から守る。そして、基本的なしつけを身に付けてもらうようにともにトレーニングを頑張りましょう。
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