【猫飼いTIPS】「トイレの日」に考えたい愛猫の理想的なトイレ環境
11月10日は「トイレの日」です。11(イイ)10(トイレ)の日という語呂合わせで、1986年11月10日に日本トイレ協会が開催したトイレシンポジウムで決められました。年齢や基礎疾患などにもよりますが、人間が一生の間に使うトイレの回数は約20万回といわれています。
猫の場合は、通常おしっこであれば1日2~4回、うんちは1~2回が1日の平均であり、もっとも多い数値で18歳までで計算すると約4万回になります。トイレは人間にとっても猫にとっても大切な施設であり、空間であるといえます。今回は猫の理想的なトイレ環境についてのお話です。
猫はトイレの環境に敏感です
猫はとてもキレイ好きで、トイレの環境に敏感な生き物です。トイレが汚れていたり、大きさが気に入らなかったり、トイレの砂が気に入らなかったり、ほかの猫が占領していたりするとトイレを使わないことがあります。
また、トイレの置き場所が騒がしいなど落ち着かない環境の場合は、ストレスからトイレを使わないこともあります。そうなるとトイレ以外の場所で粗相をしたり、トイレを我慢して病気になってしまうことも。愛猫が好むトイレ環境を準備することはとても大切なことなのです。
猫の理想的なトイレの大きさと環境は?
猫にとって理想的なトイレの大きさと環境は、猫の年齢や体格、基礎疾患の有無、好みや個性などによって異なります。大きさ(サイズ)、形状、深さ、出入口の高さ、猫砂の種類、設置場所などを考慮することが、愛猫にとっての理想的なトイレに近づけるコツです。
トイレの大きさ
動物行動学的には、猫の体長(横から見て胸から尻まで)の1.5倍が理想的なサイズといわれています。猫がトイレのなかで方向転換できる、ゆったりできる大きさが理想的です。特に大型の猫種(メインクーン、ラグドール、サイベリアンなど)の場合には、一般的なトイレの大きさでは窮屈で、排泄物を踏んでしまうこともあります。
最近は市販されている大型トイレの種類も増えてきたので、体長に見合ったトイレを選ぶことをオススメします。また、子猫から飼育する場合には、成長に合わせてトイレのサイズを大きくする必要があります。初めから成長を見越して大きなサイズを用意する場合には、出入口の高さをチェックします。子猫が超えられる高さかどうかしっかりと見極めましょう。
トイレの形状
市販されている猫のトイレにはさまざまな形状があります。ドーム型、ハーフカバー型、トレイ型、BOX型(上部から出入りするもの)などがあります。愛猫の習性や性格などを見極め、最適なトイレの形状を選ぶことが大切です。
一般的に猫にとって快適といわれるのは、屋根なしでニオイがこもらないトレイ型です。排泄したかどうかもすぐに確認できるので、世話がしやすいというメリットもあります。比較的に砂が飛び散らないのはドーム型、ハーフカバー型、BOX型ですが、ニオイがこもるというデメリットがあります。
また、最近では排泄物を自動的に片づけてくれる、全自動猫トイレも市販されています。掃除の時間と手間を省く画期的なトイレですが、月に1度以上の定期的なメンテナンスが必要です。また、構造的な問題で全自動トイレの上部が倒れて死亡事故が起きたという例もあるので、安心安全なものを慎重に選択することが大切です。
トイレの深さ
トイレにはある程度の深さが必要です。深さがないと必然的に砂の量も少なくなり、トイレ本体に排泄物が付着しやすくなります。そして、それがニオイのもとになります。また、深さがないトイレで猫が砂かきすると猫砂がトイレの外に飛び散り、衛生面でもよくありません。深さのあるトイレにたっぷりの猫砂が理想的なトイレといえます。
トイレの出入口の高さ
トイレの出入口は猫がすんなり入れる高さが理想的です。できるだけ低めのトイレを選ぶとよいでしょう。特に子猫や老猫は出入口の高いトイレは苦手です。しかし、低すぎると猫砂が大量に飛び散ってしまいますので、ある程度の高さは必要です。愛猫が出入口の高さを超えられない場合には、スロープやステップを用意して対応しましょう。
トイレの砂の種類
猫のトイレの砂は、原材料によりいくつかの種類に分けられています。鉱物系、紙系、おから系、木材系、シリカゲル系などです。猫が一番好むのは自然の砂に近い鉱物系といわれていますが、これには個体差があります。気に入らない猫砂の場合には、別の場所に粗相をする場合もあります。
例えば、木材系のシステムトイレの猫砂は水分を含まないため、猫がおしっこをした際に跳ね返りがあるようです。その跳ね返りが体に付くのを嫌ってトイレを使わなくなる猫もいます。愛猫がどの猫砂が好みかを試してみて、気に入るものを使用するとよいでしょう。
トイレの設置場所
猫は静かで落ち着く場所にトイレがあることを好みます。トイレを使うかどうかはその設置場所も重要です。トイレの設置場所が気に入らないと、別の場所で粗相をしてしまいます。静かで人の出入りが少ない部屋の隅など、置き場所についても愛猫に合うかどうか十分に検討しましょう。
また、風通しがよくニオイがこもらない場所であること、愛猫の食事場所や寝る場所から離れたところに設置することも大切です。そして、トイレの設置場所を頻繁に変えないことも重要なポイントです。
トイレの数
猫1匹につきトイレ1個ではなく、猫の数+1個以上が理想です。特に部屋数が多い家の場合には、部屋ごとに1個設置するのがベストといえます。
まとめ
トイレは飼い主にとっても、愛猫にとっても大切な施設であり、大切な空間です。今日は「トイレの日」です。この機会に飼い主はもちろん、愛猫のトイレ環境が理想的かどうか、再度考えてみてはいかがでしょうか。
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