【犬飼いTIPS】秋の換毛期の到来。愛犬の抜け毛を止める方法
犬の換毛期は春と秋の年に2回訪れます。これからの時期は秋の換毛期となり、夏毛が抜けて保温性の高い冬毛に生え変わります。通常、抜け毛は正常なものですが、愛犬の抜け毛を減らす方法を探している人も多いのではないでしょうか。
まずは、愛犬の抜け毛の量が正常なのか、それとも健康上の問題で過剰に抜けているのかを判断することが大切です。今回は、愛犬の抜け毛についてのお話です。
うちの子は抜け毛が多い?
犬の抜け毛の量はどれくらいが正常なのでしょうか? 一般的には犬種によって異なります。ボクサーなどほとんどの短毛種のように1年を通して毛が抜ける犬種もあれば、シベリアンハスキーや柴犬のように年に2回抜ける犬種もあります。
長毛種の犬ほど抜け毛が多いと思われがちですが、じつはそうではありません。ほとんどの長毛種は、天候の変化に応じて換毛期を迎えます。
愛犬の普段の抜け毛の量を把握したら、次に愛犬の変化を観察してみましょう。抜け毛の量が増えているのか、減っているのか、いつもと違う時期に抜けているのか。いつもより抜け毛が多い場合は、健康状態に問題がある可能性があります。
換毛期以外で抜け毛が増えた場合、特に以下のような症状を伴う場合は獣医師の診断が必要になります。
・かゆみ
・円形脱毛(斑状脱毛)
・皮膚病変
これらの兆候が見られる場合、犬は診断と治療のために獣医師に診てもらう必要があります。甲状腺疾患、糖尿病、栄養不良などで抜け毛が増えた場合、健康状態を改善することで対処できます。
抜け毛を減らすには
愛犬は健康なのに抜け毛が多い……と感じた場合、以下の方法で抜け毛を減らしましょう。
【食事でコントロールする】
バランスの取れた健康的な食事をすることで、抜け毛を許容範囲内に抑えることができます。過剰な抜け毛を減らすには、健康な被毛の維持に必要な栄養素を摂取することです。具体的には、十分な量の高品質なタンパク質と必須脂肪酸(DHA、EPA、リノール酸など)が必要です。
ドッグフードを選ぶときは、しっかり成分を確認しましょう。足りない栄養素をサプリメントで補うこともできます。愛犬の食べるフードの質は、抜け毛の程度と被毛の質に大きく影響します。
【グルーミングでコントロールする】
理想的なのは毎日ブラッシングをすることです。被毛や皮膚にもいいし、愛犬と一緒に過ごす時間にもなります。しかし、現実的にいえば、少なくとも週に1~2回はブラッシングすることで、抜け毛を最小限に抑えることができるはずです。
自宅でのグルーミングに必要なものは、スリッカーブラシと金属製のコーム、短毛種にはグルーミングクローブ(手袋)など、必要最小限でかつ安価なもので十分です。ブリーダーやペットサロンで最適なツールを教えてもらうとよいでしょう。
【プロにコントロールしてもらう】
プロ(トリマー)に任せるのが最善の場合もあります。プードル種、シュナウザー種、テリア種などは、定期的なトリミングが必要となります。サロンには犬種にあったツールと専用のシャンプーを用意しています。
自宅でのシャンプーは楽しいものですが、すすぎや乾燥が不十分だったり、間違ったシャンプーを使ったりすると、皮膚疾患を引き起こす場合があります。また、犬のpHバランスは人と違うので、シャンプーは必ず犬用を使うようにしましょう。
月1回もしくは2カ月に1回ごとのサロンでのトリミングは、抜け毛を最小限に抑え、家での散らかりを避けるよい方法です。ただし、サロンに行くまでの間は自宅でのグルーミングも忘れずに。
抜け毛の飛散を防ぐ方法
家中ペットの毛だらけ状態を防ぐには、落ちているペットの毛を拾う、ペットの毛が舞わないようにすることです。
もっとも一般的なのは、掃除機をかけることです。住環境や頭数などに適した掃除機を選ぶとよいでしょう。その際に重視したいのは、ゴミの捨てやすさです。販売されている掃除機の集塵能力には大差ありませんが、集めたゴミ捨ての方法には大きな差があります。抜け毛などのゴミをしっかり圧縮すれば掃除作業も簡単に終わります。せっかく集塵したゴミが捨てる際に舞い上がっては元も子もありませんので。
空気清浄機を設置するのも効果的です。ペットの毛は私たちの髪の毛よりも細く軽いので、室内をふわふわ漂うことがあります。ペットの毛やフケは、アレルギーや喘息などの症状を悪化させる可能性があります。
エアコンのフィルターでは十分でないことが多いようです。単体の空気清浄機を設置することで、空気中の抜け毛やフケを集塵してくれます。いろいろな製品が発売されていますが、ペット家庭には空気清浄機能に特化してものがよいでしょう。その際、空気清浄機の性能を示す世界基準である、米国家電製品協会(AHAM)のクリーンエア供給率「CADR」の指標が高い製品を選ぶと間違いはありません。
洋服や家具についた犬の毛を素早く取り除くには、粘着ローラーがおすすめです。また、犬がよく使う家具や場所には、毛布やシーツをかけておくと掃除がしやすくなります。
まとめ
ペットと暮らしていると、ニオイとともに抜け毛の対策は快適な住環境を維持するうえで避けては通れません。昨今のコロナ禍で家で過ごす時間が増え、これまで以上に気にする飼い主さんも増えたようです。
また、新しくペットを迎えた飼い主さんが増えたことと比例して、「こんなはずじゃなかった」という理由で手放す人も増えています。
ペットとの健康で幸せな生活を送るためには、迎える前に、愛犬になる犬種について学ぶことです。獣医学的ケアや栄養、お手入れの面で、そのペットに必要な条件を理解する必要があるのです。