「怪物解き放った」、ラブラドゥードルの生みの親が後悔表明
このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。
読者の皆さんは、「世界でたった1匹の犬」といううたい文句で多くのペットショップで販売されているミックス犬をご存知かと思います。異種の犬種同士を交配して作り出した犬のことで、デザイナー犬とも呼ばれています。両親犬が明確なので、ある程度の価格で販売されています。しかし、純血種ではないので血統書はありません。交雑種(雑種)になるわけです。
今回の記事にあるラブラドゥードルは、ラブラドールレトリーバーとプードルを主体にして他の4犬種を交配して作出されました。生みの親であるウォーリー・コンロン氏が語っているように、オーストラリアにて動物アレルギーを持つ人の介助犬になることを目的として作られた犬です。アレルギーが出にくい、毛が抜けにくい、ニオイが少ない、人懐っこいなどそれぞれの良い特徴をもつ犬とされています。現在のところ国際畜犬連盟等による公認は受けておらず、雑種と位置づけられています。
コンロン氏の言う後悔は「倫理観に欠ける冷酷な人々」が子犬の健康を顧みずにラブラドゥードルを繁殖させている現状にあります。それはどういうことかと言うと、知識を持たない人々が安易に繁殖をしている為に遺伝的疾患を引き継いだ不幸な子犬が沢山産まれているということです。それぞれの犬種が持つ遺伝的疾患について理解をし、遺伝子検査やその他の方法で問題のない親犬同士を交配していかなければ、双方の犬種が持つ遺伝子疾患の複数を引き継いだ子犬が生まれるおそれがあるのです。特にラブラドールレトリーバーとプードルには共通の股関節形成不全や眼病を発生する可能性があり、知識を持って注意深く交配しなければなりません。ラブラドゥードルだけでなく、ミックス犬やデザイナー犬などと呼ばれる交雑種は、知識や経験のない人々が安易に作出するべきものではないのです。
飼い主にとって、愛犬(愛猫)が健康で長生きしてくれることは最も重要なことです。それは、純血種であっても交雑種であっても変わりありません。遺伝性疾患は健全な交配により防ぐことが可能です。交配する親犬(親猫)がしっかりとした遺伝子検査をして問題がなければ、生まれる子犬(子猫)が遺伝性疾患を継承する確率は限りなくゼロに近いと言えます。それを徹底しているのが、ペトハピで紹介している「太鼓判ブリーダー」たちなのです。
<参考> ペットショップの「販売8週齢」「全頭遺伝子検査」は本当に安心なのか
遺伝的疾患のない子犬(子猫)は、しっかりした遺伝子検査で問題のない親犬(親猫)からしか生まれません。子犬(子猫)を迎える際には、私たち飼い主が、ブリーダーやペットショップなどに親犬(親猫)が遺伝的疾患を持っていないことを、確認することが大切なのです。生涯にわたるペットとの幸せな生活はその先にあるのですから。
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