【猫飼いTIPS】うちの猫、あまり水を飲まないけど大丈夫なの?

人間はもちろん「動物」が生きるためには、水は必要不可欠なものです。しかし、犬と比べてみても、猫はあまりガブガブと水を飲む姿は見かけません。それはどうしてなのでしょうか?

猫があまり水を飲まないのはなぜ?

猫は「リビアネコ」といわれる北アフリカに位置するリビアに住んでいた、野生の猫を祖先としています。リビアといえば砂漠地帯であり、飲み水も多くはありません。そこに生きてきた猫は、そもそもあまり水を飲まなくても生きていけるような身体のしくみを持っています。

しかも砂漠では水飲み場に多くの動物が集まるため、水を飲むときに敵に襲われやすいこともあります。そのため、遺伝的に体内の少ない水分を効率よく使用して、凝縮したおしっこを出すようになっているのです。砂漠で捕まえた小動物の体内水分で必要な水分を賄うことができ、足りない分だけ補給していたのです。ですから、水を直接に飲むという習慣がないのです。

飼い主のフードの選択が大きなポイント!

しかし、現在では多くの飼い猫が室内で過ごすようになっているので、野生時代の猫とは事情は変わってきます。猫が自分で小動物を狩ることはなく、飼い主が用意したものを食べることになります。ですから、飼い主のフードの選択が大きなポイントとなります。

主食にしているフードによっては、水分をたっぷり補給しないと、病気になる可能性があるのです。ドライフード中心の食事の場合は水分量が10%と少ないため、水を飲む量が少ないと、尿路結石、膀胱炎、腎不全などの泌尿器系の病気にかかる可能性が高くなります。愛猫が水をあまり飲みたがらない場合は、工夫をして水を飲ませる必要があるのです。

ウェットフードのほかに水分補給ができる方法は?

ウェットフードを取り入れるのもひとつの方法です。ウェットフードには70~80%の水分が含まれているので、水分補給には最適なフードです。しかし、嗜好性が高いためにそれに慣れるとドライフードを食べなくなります。また、ドライフードに比べコストはかなり高くなります。多頭飼育の場合には家計にのしかかってくることもあるでしょう。愛猫のためには仕方ない選択と思われがちですが、コストをあまり上げずにできる方法はあります。

全部を替えるのではなく、ドライフードにウェットフードを少し混ぜたり、週に2~3日ドライフードのほかに与えるということでも効果的です。また、ドライフードをお湯でふやかし水分を含ませたり、茹でた野菜をドライフードに混ぜたりするのもオススメです。煮干しや鰹節でだし汁を取って、あんかけをつくってドライフードにかける方法もあります。

ミルクを与える場合には下痢を避けるため、必ず猫用のミルクを与えるようにします。水を少し温めて、ぬるま湯にするだけでも喜んで飲む猫もいますので試してみるとよいでしょう。このようにさまざまな工夫をしながら、愛猫が好む水分補給の方法を見つけてください。

水を多量に飲むようになったら要注意!

愛猫がいつもよりたくさん水を飲んでいるのに気が付いたら、念のため病院で検査をすることをオススメします。もともと水分をあまりとらない猫が、多量の水を飲んでいたら、それは病気のサインであることが多々あります。その場合にまず疑われるのは腎臓の病気です。

慢性腎不全であれば腎臓機能低下のために水分の再吸収ができず、多量のおしっこが排出されるので、とても喉が渇き水を多量に飲むようになります。猫は凝縮したおしっこをするので、腎臓に大きな負担がかかるのです。6歳以上のほとんどの猫が程度の差はありますが、慢性腎不全を患っている可能性があるといわれています。

軽度の時期には多飲多尿以外の症状が見られないため、気付いたときには重度だったということも多いのです。また、凝縮したおしっこはマグネシウムなどが結晶化しやすいため、尿路結石、膀胱炎にもなりやすくなります。糖尿病や子宮蓄膿症でも多飲になります。少しでもおかしいと感じたら、また定期的健康診断を受けて早期発見に努めることが大切でしょう。

まとめ

おしっこの量や回数は、猫により個体差があります。日ごろから愛猫のトイレを観察して、健康時の状態を把握しておく必要があります。水分の取り方やおしっこが教えてくれるサインを見逃さないようにしましょう。