滝川クリステルも見限った「犬の殺処分ゼロ」NPOの虐待 獣医師が実名告発するその実態

滝川クリステルも見限った「犬の殺処分ゼロ」NPOの虐待 獣医師が実名告発するその実態

デイリー新潮 | 2018/09/20

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このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。

すでにこの記事をご覧になった人も多いかと思います。詳細は週刊新潮に掲載されていますが、ピースワンコ・ジャパンの実態を告発した内容です。獣医師が実名で出ていることが、事の重大さを物語っています。

しかし、その内容は、すでに周知の事実だったともいえます。NPO法人ピースウィンズ・ジャパンの事業でもあるピースワンコ・ジャパンの保護・譲渡事業には、過去にも同じメディアで問題を指摘する記事が掲載されたり、保護団体からも疑問の声が上がっていました。杉本彩さんも過去に問題を指摘しています。

もちろん、ピースワンコ側も事実無根と反論しています。ただ、実名での告発、さらにこれまでの指摘に対する対応をみる限り、信憑性は高いと思われます。善意がないがしろにされてしまったことは悲しく、心が痛みます。そして、この件が特殊で、すべての保護団体が同様であるという間違った認識が流布しないことを願います。

しかし一方で、このように問題を指摘されている団体を大きくしてしまったのは、私たちメディアや、安易に賛同した芸能人なども責任も大きいと思います。保護や殺処分ゼロを支援する新聞社では代表者の連載が組まれ、テレビの有名動物番組でも彼らの活動を紹介するなど、称賛するものが多くみられました。また、著名人でも、「Animal welfare summit」を共催したタレントの滝川クリステルさん、ミュージシャンのSEKAI NO OWARIや大リーガーの前田健太さんがパートナーになったり、支援をしたことで大きな話題となりました。

もちろん、彼らの行動は善意からのもので、けっして単なるイメージアップのポーズではないと思います。しかし、そもそも問題を指摘されていた団体であったのは事実なので、関わる際に実態を精査する必要はあったのでないでしょうか。影響力の大きい著名人だからこそ、安易に動物愛護や殺処分ゼロの掛け声に乗っかるのではなく、内容をしっかり見極めたうえでの支援を望みたいものです。

「ピースワンコ・ジャパン」のクラウドファンディングプロジェクト

さらにこの事業は、ふるさと納税をも活用していることでも注目されました。2014年11月からはじまり、これまで3万人以上の方々が8億円以上の寄付をしています。今年も目標金額2億円に対して、すでに8000万円以上が寄付されています。これだけのお金があっても、記事にあるような悲惨な現場しかつくれないのでしょうか。この記事が出たことで、善意の人たちも考えを変えるかもしれません。そうなると集まる費用は減少するでしょう。その結果、犬たちの今後はもっと悲惨なことになる可能性もあります。

ペトハピは、不幸なペットをなくすためには根本を変えるしかないと考えます。根本とはビジネスでいう川上=ブリーダー(繁殖者に携わる者)です。このブリーダーを健全化させない限りは、不幸なペットがいなくなることはないのです。“ブリーダーが悪で法律で規制すればいい”という極端な考え方ではなく、ブリーダーが健全な繁殖をすることで健全な種の保存がなされ、健康で問題のないペットたちとの幸せな共生ができるのだと信じています。

儲けだけを考える人たちを健全化させるには時間がかかり、難しいのは事実です。しかし、変化を促進させることはできます。それは、私たち消費者が知り、行動し、チェックすることです。犬・猫について、飼育について、流通についての事実や問題の対しての改善策を知ること。見る目を養い、欧米のように健全なブリーダーが産出する犬・猫を迎えるように行動する。そうすれば、ブリーダーは健全になるよう努力し、儲けしか考えない業者は自然に淘汰されます。結果として流通形態も変わります。以前、「エコシステムのようなもの」を改善しない限り不幸なペットはゼロにならない」で書いたように、私たちの行動が少し変わるだけでも、確実に業界は健全に変わっていくと考えます。

ペトハピはそうした高い志をもつ健全なブリーダーたちを支援しています。彼らが何を考え、どれだけ動物を愛し、飼い主をフォローしているのかを知ってほしいと思います。そこには、ペットとの幸せな共生のヒントがあります。

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