犬との暮らしで知っておきたいこと Vol.61

【犬飼いTIPS】なぜ犬は横になる前にグルグル回るの?

[2021/11/05 6:01 am | 編集部]

犬は横になる前に、自分のベッドや自分が選んだ場所(例えばあなたのそばや足元など)をグルグルと回ることがあります。この不思議な行動は何を意味しているのでしょうか。今回は犬のグルグル行動のお話です。

グルグル回るのは本能

このグルグル行動は、太古の昔、犬が自分でベッドをつくっていた時代にまでさかのぼります。安全な “巣” をつくるために、犬の本能に組み込まれたものなのです。犬は私たちとの生活に適応し、しつけも簡単にできるようになりましたが、野生の祖先が持っていた生存本能の一部は残っています。

犬用のベッドや枕は昔からあったわけではないので、野生の犬は自分と子犬のために快適なベッドをつくるために、背の高い草や下草を平らにする必要がありました。そのためのもっとも簡単な方法は、円を描いて歩き回ることでした。

また、この行動は安全のための儀式だったのかもしれません。野生では、旋回して草などを平らにすることで、隠れていた蛇や大きな虫を追い出すことができたといいます。

さらに、平らにしたその場所が縄張りであることをほかの犬たちに示すサインという研究もあります。今ではベッドやクッションの上で寝るようになった犬たちも、この行動は根強く残っています。

安心できる寝床を作ってあげよう

猫ほどではありませんが、犬も奥まった場所を好む傾向はあります。自然界では、ほかの肉食動物から身を守るのに適した場所なのです。背後や横から忍び寄られることがないので、そういった場所は、彼らに安全と安心を与えてくれるのです。

寝床は、私たちの生活動線から外れたところがいいでしょう。部屋の隅や奥まったところなど、静かにくつろげる場所にベッドなどを置いてあげましょう。また、潜るのが好きな子もいるので、ブランケットやバスタオルなどを用意しておくのも一案です。

まとめ

犬は使役目的で改良されてきたので、犬種によっていろいろな本能を持っています。飼う際には、そういった本能を理解することが大切です。しつけによって、むやみに止めさせるのはストレスの原因になるかもしれません。

また、コロナ禍でお家時間が増えたことで、彼らの生活スタイルも変わっています。本来、私たちの仕事の時間は、彼らにとっては昼寝の時間です。彼らのペースに合わせてコミュニケーションして、健康で楽しい生活を送りましょう。

[編集部]