犬との暮らしで知っておきたいこと Vol.117

【犬飼いTIPS】リブボーン(あばら骨)は、犬にとって最適ですか?

[2023/02/06 6:01 am | 編集部]

犬は骨が大好きです。骨をみると、あなたと遊ぶよりも一心不乱に噛み続けることを好むかもしれません。実際に骨をおやつ代わりに与えている飼い主さんも多いでしょう。

リブミート(骨付き肉)は、調理法によっては犬にとって好ましくない場合がありますが、骨はもっとやっかいな問題です。喉に詰まらせたり、消化不良を起こしたり、鋭い骨片が消化管を傷つける可能性があるため、控えることが推奨されています。今回は犬と骨のお話です。

生のリブミートは危険

私たちが肉やほかの食材を調理するとき、多くの作業を行っています。食べやすくしたり、消化しにくい部分を分割したり、病原菌や汚染物質を確実に除去しているのです。

生肉は細菌によって食中毒を引き起こす可能性があり、扱う人間にもリスクがあります。例えば、生の豚肉や熊肉は、人畜共通寄生虫「旋毛虫(トリヒナ)」に汚染している場合あります。それを未処理のまま食べてしまうと、旋毛虫感染症(トリヒナ症)に感染する可能性があります。

生のリブボーン(あばら骨)にも危険性があります。サルモネラ菌やほかの病原菌で汚染されている可能性が高くなります。もし、細かく噛み砕いて飲み込んでしまうと、窒息する原因となることがあります。与える際は注視しましょう。

調理されたリブボーンはより高い危険性

調理されたリブボーンは、生のリブボーンよりもリスクが高くなります。加熱することで骨が乾燥して弱くなり、骨が折れやすくなるからです。

調理されたものであれ生であれ、細かく砕かれた骨は腸を塞ぎ、厄介な便秘につながる可能性があります。さらに鋭い骨片は、口の裂傷を引き起こしたり、腸管を破り敗血症や死に至ることもあるのです。

犬は昔から生肉を食べ、骨もバリバリ食べて生きてきたという指摘もあります。しかし、野生では何かあっても動物病院に連れ行ってもらえないので、そのまま誰にも知られずに死を待つことになっていたのです。

調理されたリブミートは注意が必要

調理された肉には、本質的に危険性はありません。しかし、食べる際に使う調味料、バーベキュースパイスや塩、砂糖、そのほかの香辛料には、犬の胃に負担をかけたり不快感を与えたりするものがあります。

多量の塩分は犬には不必要です。また、余分なカロリーは体重増を、余分な脂肪は膵臓の炎症を引き起こしすなど、健康を害する可能性があります。脂肪の摂りすぎによる胃の不調や膵炎の兆候には、嘔吐や下痢、食欲不振などがあます。

リブミートを与えるときには、脂肪分が少ない赤身を選び、香辛料などをつけないようにしましょう。特にタマネギやニンニクが入った調味料は犬にとって有毒です。

リブボーンを盗み食いしてしまったら

脂肪分が多く、味付けが濃いリブミートを与えないように注意しながら食事を楽しめました。しかし、なんと愛犬がちょっとした隙に残った骨を盗み食いしてしまいました。その際には、次のことを注意しましょう。

気管

まずもっとも明白なリスクは、窒息の可能性です。窒息の状況は明らかであり、恐ろしいことです。犬は咳をして気管に入った異物を押し返そうとしますが、うまくいかないと酸素不足で倒れてしまうのです。

食道

食道に骨が詰まっていたり刺さっていたりする場合、犬は過剰によだれを垂らし、咳、頭や首を地面にこすりつけたり、あるいは嘔吐する可能性もあります。嘔吐が続くようだったり、血便があるなどの症状が見られた場合は、すぐに動物病院へ行く必要があります。

まとめ

犬は食べることだけでなく、本能的に噛むのが大好きです。仮に骨をあたえないとしても、選択肢はほかにもたくさんあります。

例えば、有害物質を含まない耐久性のある噛むおもちゃを試してみましょう。おいしいおやつを入れて遊べる知育トイもオススメです。

また、どうしても食べたいとねだられたら、噛むことで歯の健康を保つことができる歯磨きガムがよいでしょう。こうしたものを骨の代替えにすることで、愛犬とウィンウィンの関係を築くことができます。

[編集部]