今年の夏は過去最高の気温や猛暑日を記録し、暑い夏となりました。気象庁が発表した予報によると今年の冬(12月~2024年2月)は例年よりも気温が高く、暖冬になると予測されています。
暖冬は猫にとっても朗報でしょう。でも安心は禁物です。今回は、快適で健康的な体温を保つために知っておくべきことについてのお話しです。
猫も風邪をひく?
答えは「イエス」です。じつは猫はとても寒がりなのです。彼らの祖先は砂漠で暮らしていたので、人間よりも体温が高いのです。そのため、私たちよりも敏感に寒さを感じます。
これは、あなたの膝の上に来たり、窓のそばで日向ぼっこしたり、屋外では停まったばかりのクルマのボンネットの上など、日常的に暖かい場所を求めているのを見かけることでも明らかです。
ただし、猫によって寒さの感じ方は異なります。子猫やシニア猫、病気を患っている猫はより寒がります。
また猫種によっても同様で、サイアミーズ(シャム)やシンガプーラなど温暖な地域が原産の猫や短毛種などは寒さに弱く、サイベリアンやノルウェージャンフォレストキャットなど寒い地域が原産で、ダブルコートやトリプルコートの猫種は寒さに強いとされています。
しかし、最終的には寒い気温にさらされたすべての猫が体調を崩すことになります。猫は風邪であっても死に至ることもあります。
猫が寒がっているとき
猫は寒いと感じていても、犬などほかの動物よりわかりにくいことが多いです。猫は寒さを感じると体を丸めて、しっぽで鼻を覆うようになる。やがて震え出し、さらに体を小さく丸めるようになります。
最終的に体温が37℃を下回り、低体温症になる可能性が高くなります。そうなると、動かなくなり反応も鈍くなります。そのまま放っておくと、猫は低体温症で死に至ることになります。
低体温症になる前に、猫が寒がっていたり具合が悪そうにしているのに気づき、体を温める措置をとることが重要です。猫を外で飼育しているケースは稀ではありますが、その場合は室内に入れてあげましょう。
深さのあるベッドや温かい毛布を用意し、猫がそのなかや下に潜り込むことで、素早く体を温めることができます。また、人肌(36℃前後)に温めた水を与えることでも、猫を温めるのに役立ちます。
猫にとって寒すぎる温度とは
子猫、シニア猫、毛並みの薄い猫は、10℃以下の温度には耐えられません。また、体重が著しく減少していたり、関節炎などの病気を患っている猫は、たとえ温度が16度にしか下がらなかったとしても、耐えられないことがあります。
しかし、健康な成猫であっても、0℃(氷点下)を下回る気温に長時間さらされると低体温症や凍傷になる可能性が高まります。
許容温度は猫種によって異なる場合があります。サイベリアンやノルウェージャンフォレストキャットなどの寒い地方原産の猫種は、もともと寒さに強いとされています。
また、黒など濃い色の被毛は太陽からの熱を吸収しやすく、逆に白い被毛の猫は体温を保つのが比較的に困難ともいえます。
もし停電が発生したら
冬は大吹雪や低気圧による暴風などにより、停電が発生することもあります。暖房のない寒い室内でも、あなたと愛猫は暖かく過ごす必要があります。
幸いなことに、多くの猫は膝の上に座ったり、寄り添ったりするのが大好きです。短時間の停電であれば、あなたも愛猫も快適に過ごせるかもしれません。
しかし、停電の時間が長くなる場合は、猫のベッドや普段からくつろいでいる場所に毛布を用意してあげましょう。床にも敷いて、さらに潜り込めるように毛布をかけてあげると暖かく過ごすことができます。
充電式や電池で稼働するホットカーペットや電気毛布などあれば、さらに猫が快適に過ごすことができます。
使い捨てカイロもあると便利です。ただし、皮膚に直接触れると火傷する恐れがあり、噛んで中身を出してしまうこともあるので、ベッドや寝床の下に敷くようにしましょう。
停電が予想より長く続く場合も考え、モバイルバッテリーやポータブル電源などを準備しておくことも大切です。また、自治体の災害対応などの情報も確認し、どの避難所が同行避難可能なのかを把握しておくことも重要です。
まとめ
冬は猫を暖かく保つようにしてあげましょう。室内は、エアコンなど暖房器具によって猫にとって快適な環境になっていることでしょう。ほとんどの猫は、自ら家のなかでもっとも暖かい場所を探して移動します。
しかし、子猫は体温調節がうまくいかなかったり、高いところに登れない場合もあります。シニア猫も同様です。そういった場合は、ホットカーペットなどを用意してあげるとよいでしょう。寒ければ、その上でくつろぐことができます。