みなさんは、家族である愛猫には健康で長生きしてほしいと願っているでしょう。そのために、定期的に健康診断を受けたり、グレインフリーや合成添加物などを使わないナチュラルフードを与えたりと気を遣っていることでしょう。
では、猫のトイレについてはどうでしょうか。消臭だったり、飛び散りが少ないといった飼い主としての都合を優先していませんか? 猫砂もフードと同じように毎日使うものです。もし猫砂に有害な物質が使用されていたら、そして誤食してしまったら……。猫砂についてもきちんと考える必要があるのではないでしょうか。
「命の猫砂」とは
そんな、猫にたくさんの愛情をかけているみなさんにご紹介したいのが「命の猫砂」です。この猫砂は、完全無添加の国産杉のみを使ったペレット(小粒)タイプの猫砂です。化学物質を一切使用せず、水さえも使っていません。また、有効成分であるフィトンチッドを最大限残すために、原材料である杉の「おが粉(大鋸粉)」を自然乾燥しています。そのおが粉をペレットとして成型したものです。そのため猫がなめても、誤食しても無害なのです。
「命の猫砂」への思い
まずは、トイレが衛生的で、猫にとって快適であることが重要だと考えました。そのためには、猫砂自体が天然素材を使用していること、そして除菌・消臭効果があることが必須となります。キレイ好きな猫は、野生の状態であれば毎回同じところで排泄をすることはありません。だらかといって、室内飼育でも同じように沢山のトイレを用意するのは現実的ではありません。であるならば、トイレをつねに衛生的に保つ必要があります。それを実現できるのが植物の生命力とも言われる「フィトンチッド」です。フィトンチッドは、植物が外敵から身を守るために自ら消毒・殺菌するための揮発性物質です。一般には、森林浴効果=リラクゼイションとして知られています。さらに、フィトンチッドは害虫忌避や有害菌の不活性化、消臭といった効果もあるのです。
この効果を猫のトイレ環境の向上に活用できないだろうか…そんな思いから猫砂としてペレット状にすることを考えたのですが、そのためにはおが粉を乾燥させてから成型する必要があります。ただ、一般的な木質系猫砂は、原料となるおが粉を人工的に高温で乾燥させるために、有効成分であるフィトンチッドが多量に揮発・喪失してしまい効果が弱いという問題に直面しました。それを解決するには自然乾燥させるしかないのですが、それは乾燥させる広い場所や長い時間が必要といった制約が大きく、商業面ではマイナスと考えられてきました。
さらに、製造する機械も一般のペレット加工機(燃焼用ペレット製造)では、精油分が高いおが粉をペレットにするのには不向きでした。試行錯誤を繰り返しながら、最終的には市販されているペレット加工マシンを自社で改良し、やっと量産できる体制が整いました。ただし、手間や経費がかかりすぎるため、コスト面では大きな不安がありました。しかしながら、家族の一員として猫に愛情を注いでいる多くの飼い主さんからたくさんの応援をもらい、いまでは生産が追いつかないほどのご注文をいただくようになりました。
「命の猫砂」ができるまで
「命の猫砂」の原料となる杉材は、スタート時点では奥会津の杉を使っていましたが、原料調達や品質の維持を鑑み、現在は秩父や奥多摩地方の杉を100%使用しています。また、おが粉についても、当初1~3年間自然乾燥させた丸太を製材する際に出たものを使用するという方法から、間伐材や建材用に製材された際に出る端材(といってもれっきとした杉材)を速やかに粉砕したもの(生おが粉)を使うようになりました。ただし、「生おが粉」はそのままペレット状の猫砂にはできません。含水量が多すぎるのです。なので、しっかり乾燥させる必要があります。乾燥時間は季節や天候によって異なりますが、自然乾燥の場合、1年ほどかかります。時間を短縮するために、一般的には人工的に高温で乾燥させます。しかし、そうすると前述のとおり、フィトンチッドが大量に揮発・喪失してしまいます。そこで、太陽と風の力を最大限活用することで、自然乾燥における時間を短縮する方法を開発しました。この方法でフィトンチッドを最大量残した猫砂こそ「命の猫砂」で、特許も取得しました(特許第6361031号)。
「命の猫砂の」大まかな製造方法は、まず生おが粉をビニールハウスで一次乾燥させます。その後、屋内の吸湿端材プールで二次乾燥させ、水分含有率を半分程度まで下げます。さらに含水率を22~25%までにするために杉箱に入れて天日干しします。こうしたできあがったおが粉を原材料として、いよいよペレットに加工します。加工に最適な含水量は22.2%(にゃんにゃんにゃん)前後なので、その日の天候(湿度)によって水分量を微調整します。これはまさに、そば打ちのような職人技です。こうして調整したおが粉をペレットマシンに投入すると、吐き出し口から圧縮されて固められたペレットがパラパラと出てきます。これが完全無添加の天然杉100%「命の猫砂」です。袋詰めしてみなさんのお宅に出荷されます。
「命の猫砂」の効果
「命の猫砂」の原材料である国産杉は日本の固有種で学名は「Cryptomeria japonica(クリプトメリア・ジャポニカ)」で、“隠された日本の財産”を意味します。杉には杉特有のフィトンチッドという有効成分が高濃度で含まれています。このフィトンチッドは、フィトン(植物)、チッド(殺菌作用)を意味していますが、単に微生物を殺菌するというだけでなく、空気中の酸素と反応し、CO2を浄化する天然のマイナスイオンをつくり出します。
植物は自らの生命を維持・成長を促すために、フィトンチッドを大気中に放出しているのです。この作用が、害虫忌避や有害菌の不活性化、消臭といった効果をもたらします。さらに、精神安定効果により、大脳皮質の活性化による調整力の向上、高血圧の抑制、神経系の緩和、皮膚病・呼吸器系疾患の改善、アレルギー性疾患の予防・回復などといった優れた医療・美容効果も報告されています。
フィトンチッドにはまだまだ分からない効果もあり、世界中で研究が続けられています。ただ、猫のトイレ環境に必須な消臭や有害菌の殺菌や不活性化を実現すること。さらに猫の精神を安定させ、ストレスのない生活を促進し、各種疾患の予防・緩和にもつながるというのは事実のようです。
もちろん、私たち飼い主にとっても同じ効果はあります。フィトンチッドで嫌なニオイを消臭し、リラックス効果が拡散された空間で愛猫と遊んだり一緒の時間を過ごすことで、愛情ホルモン「オキシトシン」がより多く分泌され、優しく幸せな気持ちにしてくれるでしょう。さらにトイレ掃除も苦にならないというメリットも報告されています。
「命の猫砂」とほかの木製猫砂との違い
杉、松、ヒノキとそれぞれ⾹りが異なるように、杉のフィトンチッドには杉特有の効果があることをご理解いただけたと思います。がん細胞に対する高い抗腫瘍活性効果等は、まさに杉ならではのものです。そのその杉フィトンチッドを豊富に含んでいるのが「命の猫砂」なのです。では、同じように販売されている他の木質系猫砂と比べると、何が違うのでしょうか。
まず、ヒノキについては、含まれる成分で猫が中毒をおこすことが知られていますので当然除外されるべき木材といえます。それ以外の木質系猫砂の原材料は、輸入木材や建設廃材などを含む燃料用の木くずやおが粉です。なかには廃材を含まない無添加の良品もありますが、それらも人工的に高温加熱により乾燥されています。この製造方法では、樹木が有する精油分であるフィトンチッドを大量に揮発・喪失させてしまいます。なので、木材を使用しているメリット(フィトンチッド効果)がほとんど残っていないということになります。だからこそ、あとで脱臭剤や撥水剤などの化学物質を加える必要があるのです。“余計なモノを足さない・加えない”自然の恵みだけの猫砂、それが「命の猫砂」なのです。
まとめ
「命の猫砂」は、日本の固有種である「杉」100%でできています。杉の効能を見直し、有効成分であるフィトンチッドを最大限活かすために「命の猫砂」は化学物質を使わず、効率よく自然乾燥させる特許製法でつくられています。なぜ、たかが猫砂にそこまでこだわり多くの手間をかけるのか? それは飼い主のみなさんが家族に対して注ぐ愛情と一緒です。毎日使う必需品の猫砂だからこそ、愛する猫たちが健康で長生きできるように、愛情をもって一つひとつ手作業で丁寧につくられているのです。
また、「命の猫砂」を使用することで環境にも貢献することになります。杉は、戦後復興のために大量に植林されたにもかかわらず、その後安価な輸入材に負けて、日本各地で伐採も手入れもされず放置されています。日本の木材需要は年間約8千万立方メートル。しかし、山林資産は毎年約1億立方メートル増加しています。また、総需要に対して国産材の比率は約3割に留まっています。経済面からは海外の安い木材を使用することは仕方のないかもしれませんが、日本の資産でもある里山を守るための計画的な間伐が災害対策に、さらには地球温暖化の防止にもつながるのです。
愛猫、家族、環境、すべてにとって有用な「命の猫砂」を、より多くの人に実感いただきたいと思います。
「猫砂が届いて、袋を開けた瞬間から良い香りが漂います。我が家ではシステムトイレを使用しているので、トレイに薄めのペットシーツを敷いています。
なぜ薄めかというと、崩れたおが粉がスノコの間から下に落ちて更に水分を吸収してくれるので、ペットシーツが薄くても数回の排尿に対応できるからです。
猫砂は水分を含むと崩れます。それと同時に良い香りが広がります。排尿を含んでいるのにその匂いは消臭されるのです。そのうえ、殺菌効果もあるのなら嬉しい限りです。
適度な大きさで飛び散りも気にならないところが良いです。猫たちも問題なく使用しています。これからも猫たちのために使っていきたい猫砂です」
見学に来た方も、木の良い香りがすると驚くようです。オーナーさんだけでなくブリーダー仲間にも紹介し、「命の猫砂」のファンの輪はどんどん広がっているようです。
協力/ペットかぐ家具.com