Episode 01

信楽の中古戸建で愛犬・愛猫生活はじめました!

[2023/03/14 6:01 am | ペットジャーナリスト 阪根美果]

2年前の夏、愛犬2頭と愛猫15頭を連れ、首都圏から滋賀県の信楽町に移住しました。滋賀県には仕事で約15年間暮らしたことがありましたので、第2の故郷的な感覚があります。築45年の中古戸建を購入。1年をかけてDIYで再生し、愛犬・愛猫と暮らしています。

そんなわが家の日常を通して「移住の知恵」「自宅をDIYする楽しさ」「ペットとの穏やかな生活」、そして「住むほどに味わい深い信楽の暮らし」などをお届けしたいと思います。

首都圏から信楽へ愛犬・愛猫と移住するに至った理由

そもそも、私が長年暮らした首都圏から離れる決意をしたきっかけは、自然災害とコロナ禍でした。2019年に関東地方に大きな被害をもたらした台風15号と19号。甚大な被害を受けた千葉県安房郡鋸南町は全世帯の7割近い2,230世帯が被災しました。

当時、私は鋸南町より内陸で暮らしていましたが、台風の備えも空しく、強風でたたきつける雨水がベランダの扉の隙間から入り浸水。また、あまりの強風に家の屋根が飛ぶのではないかと恐れおののく時を過ごしました。それは愛犬・愛猫も同じでした。

数日後、鋸南町にペット用の支援物資を届けに行ったのですが、その町の光景に愕然としました。半壊状態の家があちこちにあり、自然災害がもたらす脅威を目の当たりにしたのです。正直、「怖い」と感じました。そして、コロナ禍です。いろいろな施設が閉鎖となり、仕事での外出も減り、兄妹や友人、知人にも会えないなか、愛犬や愛猫だけが私の癒しでした。しかし、コロナ禍で外出もままならない生活は、私にとっても愛犬・愛猫にとってもあまりに過酷でした。

「いつかは都会を離れて、地方の広い家で愛犬・愛猫とのびのび暮らしたい」という思いが、一気に現実味を帯びたのです。幸い私の主な仕事はブリーダーとジャーナリストで、どこに住んでもその継続が可能でした。私は愛犬・愛猫とともに生活する環境を変える決心をしました。選んだのは、信楽焼で有名な滋賀県甲賀市信楽町。私が54歳になった春でした。

信楽への移住を決めるまで

じつは50歳を過ぎたころから、漠然ではありましたが不動産会社のサイト等を見ながら移住を模索していました。賃貸で犬や猫を飼う場合には、「汚してはいけない」「傷つけてはいけない」など普段の生活でかなり気を使います。私のそんなストレスが愛犬・愛猫にも影響するのではないかと、いつも考えていました。

そのため、持ち家として購入すると決めていました。ターゲットは地方の中古戸建物件。私、愛犬2頭、愛猫15頭が穏やかにのびのびと暮らすために、あらかじめ決めていた物件の条件がありました。その内容は次のとおりです。

【絶対条件】
▶自然災害に強い場所であること
物件は必ずハザードマップ(自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したもの)を見て安全性を確認。また、過去の災害などをインターネットで検索して確認。まずは安全第一であることを考えた。

▶雪が少ない場所であること
もともと都会育ちなので雪に慣れていない。雪の多い場所での生活は厳しいと考えた。

▶商業施設、医療施設(動物病院も含む)がほどよい距離にある
3日に1度程度の買い物でOK。総合病院でなくても、基本的な治療ができる病院が程よい距離にあればと考えた。

▶隣家と程よく離れていること
愛犬・愛猫との生活であるため、鳴き声などに全く気を遣わなくてよい場所にあればと考えた。

▶物件の広さと程度が許容範囲内であること
愛犬・愛猫とのびのび暮らすためには物件の広さと庭(ドッグランをつくれる程度)が必要。また、水回りや雨漏りのDIYは難易度が高く、リフォーム業者に依頼した場合にはかなり費用がかかるため、たとえ物件を安く購入できてもその部分のリフォームが必要であれば、結果的に高額になると考えた。

▶3台以上停められる駐車スペースがあること
わが家はブリーダーという仕事柄、来客が多いため3台以上停められる駐車スペースが必要と考えた。

▶現金で払える購入価格であること
50歳を過ぎて住宅ローンは組みたくない。中古の戸建でよいので、貯金で購入できる物件がよいと考えた。


【希望条件】
▷竹林が家の窓から見える場所にある
以前から竹林が好きで、見ているだけで風情を感じ癒されていた。家の窓から見たいと考えた。

▷海が近い・海が見える場所にある
長年にわたり客船で仕事をしていたこともあり、海に愛着がある。釣りにも興味があるため、海の近さも重視した。

▷道路環境がよい
仕事もプライベートもクルマ使用頻度が多いため、道路が整備されていたり近くにインターチェンジがあるとよいと考えた。


地方には空き家はあちこちにあります。住まいとしての役割を終えた空き家が、ここ数年で急速に増加しているそうです。しかし、物件情報や空き家バンクの登録は多いとはいえません。実際、購入に至ったわが家も空き家バンクには登録をされておらず、たまたま本屋で手にとった雑誌に載っていた奇跡の物件でした。

それまでに10件近い中古戸建(古民家も含む)物件を巡り、出会ったのが現在のわが家です。決め手は私のひとめぼれでした。物件は高台にあり、石畳に続く玄関までのアプローチがとても風情があり素敵でした。左右には私ができればと希望していた竹林もあり、隣家ともほどよく離れていました。

そして、間取りは8DKと十分な広さがありました。残念ながら海は近くないものの、私が掲げていた条件をほぼクリアした物件。ここなら、思い描いた愛犬・愛猫との生活ができると直感したのです。

25mほどの石畳の駐車場から物件の玄関に続くアプローチ(内見時)
増築した離れの和室はリフォーム不要(内見時)
両方の部屋から開けられる面白い押し入れ(内見時)

愛犬・愛猫との理想の暮らしは自分でつくるのがいい

中古戸建物件を手に入れたら、水回り以外の部分は自分でDIYをすると決めていました。とはいえ、DIY経験はゼロ。物件巡りをしている間に、古い日本家屋の自然の素材から滲み出る温かい空気感を残したいと感じたのです。

DIYはさまざまな魅力があって、「コストパフォーマンスがよい」「好みやサイズに合わせたものを生み出すことができる」「充実感や達成感、楽しさがある」など、近年はハマる人が続出しているそうです。

DIYを思い始めてから、何度もYouTubeを見ました。DIY女子もたくさんいて、私にもできるかもとどんどんハマっていきました。人間の手でつくったというぬくもりが感じられることはもちろん、何より愛犬・愛猫のための快適な空間を思いどおりにつくりたいと思いました。

DIY中に湯船の汚れを落としたら穴が開いていた
工事中に大雨で窓下の隙間から雨が入り1Fまで浸水
荒れ放題の庭(内見時)

ただ、確かに田舎ならでは、また古い物件ならではの苦労が多いのも事実です。のちのちお伝えしていきますが、物件探しや難航した水回りのリフォーム、工事中のハプニング(1Fが雨漏りで浸水)に隙間問題、野生動物問題、虫問題、草刈問題など、苦労は挙げればたくさんあります。

それでも、都会では得られないのびのびとした暮らしは何ものにも代えがたい。そして、愛犬・愛猫との穏やかな生活は私の理想の暮らしです。住んでからもDIYをしながらより快適にと理想を追求。そんなわが家の日常を余すところなく、次回からコツコツ綴りたいと思います。

[ペットジャーナリスト 阪根美果]