犬との暮らしで知っておきたいこと Vol.16

【犬飼いTIPS】寒い冬、愛犬に洋服を着せたほうが良いの?

[2020/01/24 6:01 am | 編集部]

この冬は暖冬といわれていますが、それでも寒さが身に染みる日もあります。室内は防寒対策がなされて暖かいのですが、外出時には寒くて「外出したくない」と思う日もあると思います。しかし、愛犬家のみなさんには散歩という日課があります。「散歩に行こう!」という愛犬の嬉しそうな目を見たら、「寒いけど行く?」と出かけることでしょう。

そんな愛犬家のみなさんは、愛犬に洋服を着せていますか? じつは犬に洋服を着せるか否かはいろいろな意見があるのですが、原産地や使役目的などにより被毛の持つ機能は異なり、それを考慮して考えるのが一番よいのではないかといわれています。もちろん、飼育環境や状況により着せるか否かは判断が必要になります。また、年齢にも関係しますので、飼い主が知識を備えてその都度対応してあげることが大切です。今回は犬の被毛と洋服についてのお話です。

犬の被毛の種類について

以前に掲載された犬飼いTIPSの「換毛期には個体差がある?」の部分でもお伝えしましたが、犬の被毛は、基本的には皮膚を保護するためのオーバーコート(上毛)と体温を調節するためのアンダーコート(下毛)の2層構造になっています。しかし、オーバーコートだけの1層構造の犬もいて、それぞれその構造からダブルコートとシングルコートと呼ばれています。寒冷地が原産の犬種の多くは、寒さから身を守るために保温性の高いアンダーコートを持つダブルコートです。暖かい季節になると換毛して、体温調節をしています。

【主なダブルコートの犬種】
セントバーナード、グレートピレニーズ、ゴールデンレトリーバー、秋田犬、サモエド、シベリアンハスキー、ジャーマンシェパード、アラスカンマラミュート、ボーダーコリー、ラブラドールレトリーバー、シェットランドシープドッグ、スピッツ、柴犬、キャバリア、ウェルシュコーギー、ポメラニアン、ダックスフント、チワワ、ジャックラッセルテリア、パグなど

【主なシングルコートの犬種】
グレート・デーン、グレーハウンド、ウイペット、イタリアングレイハウンド、ミニチュアピンシャー、アフガンハウンド、ヨークシャーテリア、パピヨン、プードル、マルチーズなど

主な犬種をあげましたが、もしここにない犬種の場合にはインターネットなどで簡単に調べることができます。愛犬がどちらのコートを持つのか調べてみましょう。

寒さに弱い犬種は?

上記のようにシングルコートの犬種は、もともと原産地が温暖な気候であるため、被毛が寒さに耐える構造にはなっていません。ですから、基本的に寒さに弱いといえます。また、冬は飼い主さんとともに防寒対策をした暖かい部屋にいることが多くなりますので、寒さが堪えます。外出時には洋服を着せたほうが、愛犬にとってもストレスなく過ごせるでしょう。ただ、ダブルコートの犬種でも体温の調節機能がまだ発達していない子犬や低下しやすいシニア犬や病気の犬は、同じように寒さに弱いといえます。その場合は、愛犬の体調に合わせて、うまく洋服を活用することをオススメします。

しかし、防寒対策の場合は着ればよいということではなく、その洋服の素材選びが大切になってきます。薄くてもヒートテックのような暖かい素材、ウールやフリースの素材など、できるだけ保温性の高い素材で作られた洋服を選びましょう。さらに寒さが厳しい場合には、風を通しにくいウインドブレーカーやダウンウエアなどがよいでしょう。犬種によっては、耳の先や縁が凍傷になることもあるので、耳をすっぽり覆うことが出来るスヌード等を利用することもオススメです。

ずっと着せていてもいいの?

外出時には役立つ洋服ですが、室内で何日も着せたままでいることは、いくつかのマイナス面があります。まずは、体温の調節機能を衰えさせ、身体の適応能力を低下させてしまうことです。特に子犬の場合は、その機能が発達する時期なので、それを妨げることは成犬になってから問題を生じることになります。

また、着せたままでいることで、被毛と洋服が擦れて被毛が切れたり、傷んだりする可能性があります。特に長毛種の場合には、気が付いたときには毛玉だらけになっていたということもあります。そうなれば毛玉を切らなければならず、被毛はボロボロの状態になってしまいます。せっかくの長い被毛も台無しです。

そして、洋服の素材によっては通気性が悪く、皮膚のトラブルを生じさせたり、悪化させたりする原因にもなります。アレルギーや皮膚疾患を持っている愛犬の場合には、獣医師と相談しながら上手に洋服を利用することをオススメします。いずれにしても、愛犬の健康や衛生の管理を考慮すれば、着せたままにすることは避けたほうがよさそうです。もちろん、それぞれの飼育環境に違いもありますので、その点も考慮しながら上手く洋服を利用するとよいでしょう。

まとめ

まずは、愛犬が寒さに強い犬種であるかどうかを調べてみましょう。既製品の洋服を購入される際には、素材を確認して保温性の高いものを選びましょう。かわいいデザインの洋服がたくさんありますが、愛犬が快適に過ごせるようにデザインだけでなく素材も厳選することをオススメします。最近はオーダーメイドで洋服を作成してくれるお店もあります。サイズやデザインだけでなく、素材も選ぶことができますので、お店の方に相談してみましょう。

[編集部]