猫との暮らしで知っておきたいこと Vol.180

【猫飼いTIPS】これからの季節に注意したい猫に有毒な花とは

[2024/06/28 6:01 am | 編集部]

これからの季節、家庭内や庭などに色とりどりの花を飾るのは素敵ですが、猫を飼っている人にとって注意が必要です。

猫は好奇心が旺盛で、室内や庭の植物に興味を示し、ときには口にしてしまうこともあります。しかし、見た目は美しい花でも、猫にとって有毒なものが少なくありません。

有害な花を誤って摂取すると、嘔吐や下痢、最悪の場合は命に関わることも。そこで、今回はこれからの季節に避けるべき花をリストアップしました。

アジサイ

アジサイは、世界で広く親しまれている日本産の落葉低木で、梅雨どきに咲く代表的な花木です。国内では、ガクアジサイとホンアジサイ、ヤマアジサイが代表的ですが、国内外で新しい品種がつくり出されていて、約2,000種類にも達しています。

猫はアジサイのどの部分を摂取しても嘔吐や嗜眠、下痢を起こす可能性があります。ただし、アジサイ中毒が起こるのはまれで、大量に食べなければ深刻な影響は出ません。

部屋に飾るときには、少量を猫がいたずらできない場所にしましょう。また、猫を庭に出す場合は、安全な場所に植えるか、植えないようにしましょう。

ユリ

ユリは1年を通して花屋で見ることができますが、旬は初夏から夏です。6月の誕生花であり、初夏の季語としても使われています。

見た目は小さくかわいらしくても、猫に与える影響は決して小さくはありません。ユリのすべての部分は、猫が摂取すると非常に危険です。また、ニオイを嗅いだり、花瓶の水を飲んだりするだけでも中毒を起こす可能性があります。

ユリ中毒が重症化すると、嘔吐や下痢、痙攣とともに腎不全を引き起こすこともあります。ユリは非常に毒性が強いため、家庭で飾ったり栽培してはいけません。

デイジー(ヒナギク)

デイジーはヨーロッパ原産の植物で、イタリアの国花としても知られています。日本ではヒナギクの名前で親しまれ、名前からしてかわいらしい花を咲かせます。

猫が1~2輪花を口にする程度であれば問題はありませんが、それ以上を食べた場合には嘔吐や下痢を起こす可能性があります。軽度の中毒症状であれば数日で治まります。

デイジーは多年草の植物ですが、暑さには弱いので夏がくると枯れてしまいます。ただ、根の生育が旺盛なので開花の時期には多くの花を咲かせます。開花時期には猫が口にしないように気をつけましょう。

ダリア

ダリアは、キク科に属する多年草で、鮮やかな花色と多様な花形が特徴です。中南米が原産で、メキシコの国花としても知られています。春から秋にかけて開花し、特に夏から秋にかけて美しい花を咲かせます。

猫が摂取すると、嘔吐や下痢、食欲不振などの症状が見られることがあります。特に根の部分は有毒成分を多く含んでいるため、猫が噛んだり食べたりしないように注意が必要です。

花の大きさや形は品種によってさまざまで、花壇や切り花として人気があります。室内でダリアを育てる際は、猫がアクセスできない場所に置くなどの対策を講じることが大切です。

キキョウ

キキョウは、日本や東アジア原産の多年草です。夏から秋にかけて紫や白の星形の花を咲かせ、丈夫で育てやすいので人気のある植物です。

美しい花姿と優雅な風情を持つ花ですが、猫にとって有害な植物です。キキョウにはサポニンが含まれており、猫が摂取すると嘔吐、下痢、胃腸の不調などを引き起こします。特に根には高濃度のサポニンが含まれており、摂取量によっては重篤な症状を引き起こすことがあります。

トルコキキョウは、名前は似ていますが別の植物です。マタタビと同じように猫にとって魅力的な植物のようですが、嘔吐や意識障害、流涎(唾液過多)を引き起こすので同様の注意が必要です。

ホオズキ

ホオズキは、ナス科の多年草で、鮮やかなオレンジ色の袋状の果実が特徴です。夏から秋にかけて観賞用として人気があり、お盆飾りの代表的な植物でもあります。

ホオズキの果実や葉にはソラニンという有毒物質が含まれており、嘔吐や下痢、腹痛に食欲不振、さらには神経系の症状を引き起こすことがあります。

特に未熟な果実は有毒成分が多く含まれており、摂取量によっては重篤な症状を招くことがあります。庭や室内でホオズキを育てる際は、猫が触れないように注意することが重要です。

猫が有害植物を食べてしまったら

猫が有毒な植物を食べてしまった場合は、獣医師の診察を受けるのが最善の方法です。有毒な花や植物による中毒の治療に関しては、家庭でできることはほとんどありません。

犬と違い、猫を安全に嘔吐させる方法はありません。通常は、処方薬が嘔吐を誘発することになります。危険な植物については、アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)の「有毒植物リスト」で確認することができます。

まとめ

植物や花が身の回りにあると空間が美しく装飾され、ストレス軽減や気分が明るくなります。また、室内の空気環境を改善する効果もあります。

しかし、植物にも猫にとって有害なものがあります。摂取すると嘔吐や下痢、食欲不振などの症状を引き起こす可能性があります。また、室内では鉢植えや花瓶を倒してしまうリスクもあります。

猫に無害な植物を選び、猫が容易にアクセスできないようにすることで、猫の健康と安全を守りましょう。

[編集部]