愛犬トラベラーのHappy紀行Vol.16

【愛犬とGo To トラベル】第1弾 那須温泉の隠れ宿を訪ねる旅

[2020/11/02 6:01 am | ペットジャーナリスト 阪根美果]

今回お世話になったのは「那須温泉宿ゆきみそう」。栃木県那須郡に位置する全4室の小さな隠れ宿です。豊かな自然に囲まれた敷地は1600㎡で、夜間は月明かりしか光源がありません。都心では味わうことのできない満天の星、自然の音や香りに包まれて、愛犬とともに過ごすことができます。今回もわが家の愛犬であるウイペットの「ジギーベイ&リーティラ」と1泊2日の旅に出かけました。Go To トラベルキャンペーンでお得な旅を満喫してきました。

Go To トラベルキャンペーンはかなりお得!

この旅の予約には「じゃらんnet」を利用したのですが、このキャンペーンに登録している宿の場合は、自動的に35%OFFの料金が表示されて、そのまま予約することができます。そのうえ、現地で「地域共通クーポン」として、登録店で食事や買い物に使える3000円分のクーポン(宿泊代により金額は変わります)をもらうことができるのです。宿泊代の割引のほかにお得なクーポンをもらえるなんて、かなりウキウキするキャンペーンです。 もちろん、新型コロナウイルスの対策は万全にしていく必要はありますし、現地でも考えた行動をとることが大切です。それらを「しっかりできる!」という飼い主さんには、ぜひキャンペーンを利用して旅に出ることをオススメします。

現地までは約2時間半のドライブ

千葉県在住の私は、自宅最寄りのインターチェンジから高速道路に乗ります。出発日はちょうど日曜日。週末の成田街道の渋滞は半端ではありません。そのため、渋滞を回避しながら京葉道路に入ることにしました。その後は東京外環自動車道を経由して東北自動車道に入りました。今回は近場なので、午前11時に出発。クルマ酔いをするリーティラはいつものように後部座席の大きなクレートに入っての移動です。しばらくしてケージを覗いてみましたが、「あれ、クルマ酔いしてない!?」。なかなかよい傾向です。

途中、上河内サービスエリアで休憩しました。クルマ酔いを克服したか!? と思いましたが、ここに着く直前に吐いてしまいました。でも、前回と比べれば吐く量も少ないし、よだれもなくなりました。少しずつですが、だんだんと慣れてきているようです。休憩場所のテーブルには「DOG HOOK」が設置されていました。愛犬を連れて旅に出る人が増えてきたからでしょう。愛犬家としては嬉しい気遣いです。ここにリードをかけて、しばらく休憩しました。リーティラのクルマ酔いもほどよく回復したところで、最初の目的地へ向けて出発です。

ワンコOKの南が丘牧場へ

最初に立ち寄ったのは「那須高原 南が丘牧場」です。那須連邦の麓に位置し、御用邸にもほど近い、自然豊かな牧場です。安心した「食」を届けるために、生産・加工・販売を一貫して行うことを理念とする酪農家が経営しています。「わが家を訪れる人からお金をもらいますか?」という創業者の言葉のとおり、ここは年中無休・入場無料・駐車場無料。創業から変わらぬおもてなしをしている素敵な牧場なのです。しかもワンコOKなんて嬉しい限りです。

南が丘牧場で人気なのは、那須ブランドの認定を持つ、濃厚でコクがありクリーミーな「ガーンジィゴールデンミルク」です。また、アイスクリームやチーズも人気です。レストランでは自家製ハンバーグなどを食べることもできます。大自然のなかで牛、羊、ヤギ、馬、ロバ、ウサギなどの動物との触れ合いやアーチェリー、パターゴルフ、釣りなども体験することができます。

じつはリーティラは臆病な性格なので、ほかの人やワンコがわくさんいるところが苦手。入口付近から怖くて、ほかのワンコの鳴き声に反応して吠えてしまったので、私が抱っこして牧場内に入ることにしました。体重10㎏は少々大変と思いながら進むと、意外にも抱っこしていれば大丈夫ということが判明。なので抱っこで頑張りました(笑)。ジギーベイは以前に見たことがありましたが、リーティラは牛や馬を見るのは初めて。ちょっとした動きや音にビビりながらも興味津々のようでした。何事も経験が大切ですからね。

1日4組 愛犬と一緒に那須高原で特別な時間を過ごす

南が丘牧場を後にして、いよいよ宿泊する宿に向かいます。宿に近くなると、もう見えるのは森林だけ。豊かな自然に囲まれた宿であることがうかがえます。メインの道路を右折すると、宿が見えてきました。駐車場は宿の前にありますので、荷物が多くても大丈夫です。玄関を入ると、宿を管理するご夫妻が迎えてくれました。

宿には午後3時から入ることができます。フロントで必要事項を記入して、チエックインします。宿泊できるのは小型犬(1000円)・中型犬(1000円)・大型犬(2000円)・猫(1000円)・小動物(500円)で、その犬種・猫種などは予約時に宿に知らせる必要があります。1年以内の狂犬病予防接種・ワクチン接種を必ず行っていることが条件ですが、証明書の提示は求められませんでした。私は念のためコピーを携帯していますが、万が一のときのために持参されたほうが良いかもしれません。

愛犬と一緒に泊まれる部屋は全4室で、そのタイプは洋室2室と和室2室です。私は「つつじ」という一番奥の約8帖の洋室を予約していました。ベッドが2台・ソファとテーブルがあるシンプルな部屋ですが、歴史を感じながらも清潔で気になるニオイはありません。部屋ではペットフリーなので、さっそくジギーベイとリーティラは探検を始めました。

部屋にはトイレ、洗面所、ミニ冷蔵庫、エアコン、空気清浄機、テレビなどが完備されています。無料ではありませんが、冷蔵庫には缶ビール、缶酎ハイ、ジュースなどが入っています。ワンコ用に用意されているのは、ケージ1つ(幅90×奥行90×高さ60㎝)、トイレ(ワイド)、ペットシーツ(ワイド)、トイレットペーパー、粘着ローラー、フードボール(フード&水用)、消臭剤、ウエットティッシュ、マナー袋です。それ以外の用意はありませんので、必要なものは持参しました。ケージは高さが60㎝で屋根がないので、中型犬・大型犬・猫は入れたとしても飛び出してしまうと思いますので、持参することをオススメします。また、ケージはひとつしか用意できないということなので、多頭の場合にも持参する必要があります。じつは今回はうっかりしていて、折り畳みのケージを持参するのを忘れてしまいました。室内フリーで良かったです(笑)。

まずは、ドッグランで猛ダッシュ!!

この宿にはドッグランがあります。小型犬~中型犬なら猛ダッシュしても大丈夫というくらいの広さです。大型犬には少々狭いかな……。ドッグランは食事処から外に出て階段を降りたところにあります。全面に芝が敷かれているので、思い切り走ることができます。しかも周りは森林なので、紅葉など四季折々の美しい自然を眺めながら遊ぶことができます。

冬になると宿の名前とおりに、この地域には雪が降ります。雪の深さによってはドッグランが閉鎖されることがあるようですが、雪遊びを楽しめるのはよいですね。ジギーベイとリーティラも猛ダッシュで遊びました。ただ、ジギーベイはすぐに飽きてしまい、それからはずっとヤギか羊かと思うくらい草を食べていました(笑)。

愛犬と一緒に入れる那須温泉のお風呂

ドッグランで遊んだあとは、この宿自慢の那須温泉に入ることにしました。じつはこの宿のお風呂は愛犬と一緒に入ることができるのです。人間用の湯船のほかにワンコ用の湯船が用意され、飼い主と同じように温泉に浸かることもできます。もちろん、ワンコ用のバスタオルとリンスインシャンプーも用意されています。2つあるお風呂はそれぞれの部屋ごとに貸し切りで使用。40分ごとに時間が区切られていて、宿泊当日に2枠、翌日に2枠の予約をチェックイン時にしておきます。

硫黄の香りがする那須温泉は、日々温度や濃度が変化する天然温泉です。疲労回復・筋肉痛・神経痛・関節痛への効能があり、皮膚病にもよいとされています。古くから、動物が温泉で傷を癒したということから「温泉療養の湯」として知られているのです。これはジギーベイやリーティラにも良い効果がありそうです。

浴場入口を入ると、すぐに硫黄の香りがしてきました。ジギーベイもリーティラも興味深々です。まずは私が温泉を堪能。温度もちょうどよく、日ごろの疲れを癒すには最高のお湯です。「あ~気持ちいい」といっている間もジギーベイとリーティラは浴室内をウロウロ。「こんなところに連れてきてこれから何が始まるの?」と思っているのか落ち着かない感じです(笑)。そう、あなたたちはこれからシャンプーされるのよ。ということで、ワンコ用の湯船に温泉を溜めて、まずはジギーベイに入ってもらいました。案の定、慌てて出てきましたが……。その後は順番にシャンプーをして、家族全員ですっきり、キレイになりました。楽しくてとても癒される時間でした。

こだわりの那須高原食材を使った夕食を堪能する

この宿では、1日4組だからこそ実現できる「炊きたて、揚げたて、焼きたて」の夕食を提供しています。粒の1つひとつが際立った栃木県産のお米「なすひかり」、甘みが強く艶があり、濃厚な味わいの「那須御用卵」、標高の高い那須の地で収穫された「那須高原野菜」などを使用するこだわりの和風コースの夕食です。次々に運ばれてくる料理はやさしい味付けで、とてもおいしくいただきました。思わずご飯はおかわりしてしまうほど。食前酒でいただいた梅酒がおいしかったので、その後も梅酒ロックとともに堪能しました。

夕食は午後6時スタートで、ジギーベイとリーティラも連れて食事処に向かいました。彼らは好き嫌いがあるので、事前に食事を済ませましたが、予約時に「わんちゃん用夕食(1300円)」も頼むことができます。国産エゾシカ肉、高原野菜や那須御用卵などを使用した和テイストのメニューです。私の食事中はジギーベイもリーティラもとてもマナーypく待っていてくれました。おかげで、ゆっくりと食事を楽しむことができました。大満足です。

朝は森林浴をしながら散歩を愉しむ

翌朝は早めに起床して、ホテルの周辺を散策。すでにこの周辺は冷え込んでいるので、ジギーベイとリーティラはフリースマントを羽織って出かけました。夜は雨が降っていたようで、少しひんやり湿った空気ですが、それが心地よい感じでした。

散策をしてみると、すぐ近くに廃業した大きなホテルや従業員用の宿泊施設を見つけました。もうかなり前に廃業したという雰囲気でした。とても素晴らしい場所にあり、建物も雰囲気のある佇まいなのに……。思わず「もったいないなあ」と声が出てしまいました。それ以外は目に入るのは大自然のみ。耳を澄ますと鳥や虫の鳴き声が聞こえてきます。しっかり森林浴をして宿に戻りました。

朝から贅沢な朝食を頂く

ジギーベイとリーティラは昨夜と同じように、先に朝食を部屋で済ませました。そして、朝8時からの朝食をいただくために一緒にお食事処に向かいました。朝食は牧場から取り寄せた牛乳とヨーグルトを使用した贅沢な洋食プレートです。卵はもちろん「那須御用卵」。そのほか、高原野菜のサラダと焼きたてのパンを頂きました。どれもおいしくてついつい食べ過ぎてしまいました。また太るなぁ(苦笑)。

朝食をゆっくりいただいたので、午前10時のチェックアウトより早めに出発することにしました。フロントでチェックアウトの手続きをしていると、宿の女将さんが写真を撮ってくれました。その写真は宿のHPに載っています。ほどよい距離を保ってくれるホスピタリティには居心地のよさを感じました。ありがとうございました。

アジアンオールドバザールと那須野が原公園へ

「アジアンオールドバザール」は、那須高原にあるアジア5カ国の雑貨や衣類、インテリア、食品等を仕入販売しているバザールで、広い敷地内にはレストランも併設されています。移動中に気になって立ち寄ったのですが、敷地内はワンコOK、店舗も抱っこすれば入ることができます。

入口はまさに私が大好きなバリ島の雰囲気。入ってみると除災厄除・財運向上・学問の神として知られるヒンドゥー教の神であるガネーシャが祀ってあったり、コモドオオトカゲのオブジェがあったりとかなり楽しく過ごせました。リーティラはガネーシャがかなり気になったようで、じっと見つめていました。何をお祈りしていたのかな?

そして、予定していたワンコの散歩OKの「那須野が原公園」に向かいました。ここは那須連山に連なる広大な那須野が原の一画に位置する緑豊かな県営都市公園です。周囲は自然環境に恵まれ、芝生広場、そり遊び、アスレチック、ファミリープール、オートキャンプ場などの施設があり、心身のリフレッシュに最適な公園なのです。直径15Mの羽を持つオランダ式風車が牧歌的な雰囲気を演出しています。公園全体の整備がきちんとされていて本当に美しい公園です。ジギーベイとリーティラと一緒に「やすらぎの森」と呼ばれるエリアをのんびりと散歩しました。ここでも再び森林浴です。とても穏やかな素敵な時間となりました。

「蕎麦工房 五色庵」で更科そばを堪能

そして、この旅の最後に訪れたのが「蕎麦工房 五色庵」です。席数およそ70席の広い店内には、さまざまな席が用意されています。「当店では大切なペットと店内でお食事をすることができます」ということで、ペットを連れている場合には、外の木陰のベンチや店内の三和土(たたき)にある土間テーブルで食べることができます。

訪れたのは月曜日だというのに、店内はたくさんの観光客でにぎわっていました。ペット同伴の席は満席でしたので、名前を書いて、駐車場で待つことにしました。空いたら店員さんが呼びに来てくれます。15分程度待っていると私たちの順番がきました。店内に入るとジギーベイとリーティラの席も用意されていました。ワンコ席です。ちゃんと待てるのか心配でしたが、朝から動きっぱなしだったせいか、おとなしく過ごしてくれました。

私が注文したのは冷たいとろろそばです。しかも大盛り。でも普通の大盛りではありませんでした。山盛りです。もちろん、頼んだものは残さない主義の私ですから、完食しましたよ。大盛りをオーダーする際は覚悟してのぞんだほうがいいです(笑)。冷たくて、歯ごたえもあり、とてもおいしかったです。大満足の昼食を済ませ、帰路につきました。 

まとめ

新型コロナウイルスの対策をしながらの旅でしたので、多くの人と接触しないように予約の段階から部屋数の少ない宿を探しました。「那須温泉宿ゆきみそう」は全4室でしたので、食事の時間以外は、ほかの旅行者と会うことはほとんどありませんでした。また、訪れる場所もなるべく密にならない施設を選びました。そのほうが気遣いも少なくてよいと考えたからです。今回の宿ではジギーベイやリーティラと一緒に温泉に入れたのがとても印象に残っています。疲れも癒され、楽しい思い出もたくさんできて、本当に幸せな時間を過ごしました。那須高原には楽しい場所が数多くあります。みなさんもぜひお出かけください!!

[ペットジャーナリスト 阪根美果]