愛犬トラベラーのHappy紀行Vol.14

奥琵琶湖 “癒しの”リゾートに愛犬と泊まる旅

[2020/06/26 6:01 am | ペットジャーナリスト 阪根美果]

日本一の広さを誇る湖・琵琶湖。なかでもここ奥琵琶湖は手つかずの大自然がたくさん残された地域です。日本のさくら名所100選にも選ばれた、海津大崎の桜並木のなかほどに「ロテル・デュ・ラク」 はあります。面積4万坪の広大な敷地に、たった15室という贅沢な空間を味わうことができます。しかも愛犬を連れて泊まれるのは、1日1組限定のドッグ・ヴィラスイートルームのみ。

ホテルの目の前には澄んだ水をたたえる琵琶湖。そして、パワースポットで有名な“神が宿る島”といわれる竹生島を望むことができ、その景色を独り占めできるのです。愛犬とともに大自然を気兼ねなく満喫できます。今回はわが家の愛犬であるウイペットのジギーベイ&リーティラと1泊2日の旅に出かけました。

長距離ドライブでまたもクルマ酔い

千葉県在住の私は、自宅最寄りのインターチェンジから高速道路に乗ります。朝7時に出発したのですが、コロナ禍の影響もあり渋滞はありませんでした。リーティラは、後部座席に設置した大きなクレートに入ってもらっての移動です。彼は前回もクルマ酔いをしたので、朝食を早めに済ませたのですが、やはり吐いてしまいました。途中、東名高速道路の港北PAで休憩をしてクレート内をキレイにしました。クルマ酔いは慣れもあるので、少しずつ改善すればと考えています。彼も少しずつクルマ酔いを克服しているようで、寝て過ごす時間も増えてきました。とてもよい傾向です。

その後は遠州森町PAで休憩。クルマから降りれば彼は元気いっぱい。訪れた先が楽しい場所であれば、徐々にクルマ酔いも解消され、ストレスも少なくて済むことでしょう。ちなみに、ジギーベイは、相変わらず助手席でフリーです。教えたわけでもないのに、いつも置物のようにおとなしく座っています。早くリーティラもそんな風にドライブを満喫できたらよいなぁと思います。

雨の中、湖西道路を通ってホテルへ

滋賀県大津市での用事を済ませ、琵琶湖西縦貫道路を通り奥琵琶湖へ向かいました。この道路は国道161号線のバイパス道路として機能しています。無料で信号がほとんどないので、とても快適に走ることができます。しかし、今回はあいにくの雨。事故を起こすことのないように慎重に運転しながら、ホテルを目指しました。

大津市から1時間ほどで奥琵琶湖の「ロテル・デュ・ラク」に到着しました。敷地に入れるのは宿泊者かレストランの利用者(予約者)に限られているので、門の右手にあるインターホンで名前を告げて開門してもらうことになります。セキュリティがしっかりとなされています。ホテルの本館入口まで進むと、スタッフが出迎えてくれました。「チェックインはご宿泊のディラ内でさせていただきます」とのことで、スタッフの誘導でヴィラまで50Mくらい入っていきます。ジギーベイ&リーティラと荷物を降ろしたら、クルマは本館入り口付近にある駐車場(無料)に停めます。

愛犬と一緒に癒しのヴィラスイートルームを満喫

まず、部屋に入りチェックインを済ませます。今回は「ボラぺ湖」という名前が付いたヴィラです。すべてのヴィラに湖の名前が付いているそうですが、愛犬と一緒に宿泊の場合はこの部屋になるそうです。宿泊内容の確認をして、館内の利用方法などの説明を受けます。宿泊できるのは基本的なしつけができている室内犬で、小型犬・中型犬は最大3匹まで、大型犬は2匹までで、料金は無料です。「愛犬同伴宿泊規約」に署名することと、1年以内の狂犬病予防接種証明書・ワクチン証明書の提示が必要になります。私はあらかじめコピーをして持参しました。

60平米の間取りには、ツインタイプのベッドルーム、リビングルーム、バスルーム、シャワールーム、パウダールームがあり、それぞれ扉で仕切られて独立しています。基本的に室内はドッグフリー(室内に愛犬のみを残す場合や飼い主が就寝する場合にはケージに入れる必要があります)なのですが、ベッドの上は愛犬を上げることはできないので、ベッドルームには入らないように扉を閉めておきました。

室内はアジアンテイストでまとめられており、寝室にはシモンズ社製のベッドが2台、リビングには、ラタン風のソファセットが置かれています。ロンネフェルト社製の紅茶&ハーブティーなどが用意されており、快適さとセンスのよさが感じられます。ちなみに、ミネラルウォーターやお茶、ビールまで冷蔵庫の飲み物もすべて無料というのも嬉しいサービスです。

バスルームには、足が伸ばせるバスタブがあり、窓からは箱庭が眺められます。あまりにも快適なので、翌朝も入ってしまいました(笑)。アロマアソシエイツ社製のアメニティもオシャレで、女性には嬉しい。なお、バスルームとは別にシャワールームがあります。バスルームにもシャワーはあるので、こちらは犬を洗えるスペースになっているといいなと思いました。

また、雰囲気のよい畳のロフトもあります。神秘的なつくりで、瞑想するもよし、昼寝するもよしの癒しの空間です。もし家族連れの場合には、そこにも布団を敷いてベッドルームにもなるそうです。

愛犬用に用意されているのは、大型犬も入れるくらいのケージ1台(屋根付き)、トイレ(ワイド)、フードボール大小3個、ペットシーツ(ワイド)、瞬間消臭剤、除菌消臭剤、お掃除シート、コロコロ、お散歩バッグ等です。愛犬の排泄物などの汚物は、玄関に用意された密閉式の容器に捨てることができます。また、玄関外には足洗いの簡易シャワーが用意されています。私はタオルを別途持参しました。ケージは屋根のないものであれば、ホテル側でもう1つ用意ができるようなので、多頭の場合には事前に連絡を入れておくことをオススメします。

なお、リビングのソファにも犬を上げることはできません。しかし、ジギーベイ&リーティラはどうしても上がってしまうので、持参した大きなバスタオルをソファに敷いて、汚れないようにしました。このような場合のために、大きめのバスタオルやカバーなどを持参するとよいでしょう。また、床はすべて石調タイルなので、万が一愛犬が粗相をしてしまっても拭き取りが可能なので安心です。

チェックイン後は、少し休憩です。残念ながら外は雨なので、彼らは室内で遊びました。部屋が広いので、とても楽しそうに過ごしていました。そして、早めの夕食を済ませてもらいました。

長浜の「手打ち蕎麦 みたに」で夕食

夕食はホテルのレストランでフランス料理のフルコースを堪能できます。ですが、今回はあえて、長浜駅近くの「手打ち蕎麦 みたに」を訪れました。少し前に調べて、行きたいと思っていたお店です。ホテルから長浜まではクルマで40分程度なのですが、徐々に雨が本降りとなり、少し時間がかかりました。

店内は落ち着いた雰囲気のなか、JAZZが流れている素敵な空間です。クルマなのでお酒が飲めないのが残念。板わさ、なめこおろし、野菜の天ぷら盛り合わせ、そら豆焼き、豚の角煮、焼き厚揚げ、だし巻き卵。どれも素材の味が活かされていて、とてもおいしい。この店を選んで大正解でした。おいしいものを食べていると、とても幸せな気分になります。最後にはお目当ての手打ち蕎麦をいただきました。店内にガラス張りの蕎麦打ち処があり、毎日そこでつくられているそうです。コシがあって、茹で加減も私好み。そば湯もいただき、大満足の夕食となりました。

店を出たらまだ雨が降っていました。長浜市内には、この時間に大雨警報が発令されていました。ホテルまでは外灯の少ない道が多く、雨で視界が悪いこともあり慎重に運転して戻りました。ホテルに戻るとジギーベイ&リーティラがケージのなかで出迎えてくれました。おとなしく留守番してくれた彼らに感謝です。ご褒美に「ササミジャーキーパーティ」を開催しました(笑)。その後は、足が延ばせる大きなバスタブでゆっくりとお湯に浸かり、すっきり、さっぱりしてフカフカのベッドで眠りにつきました。

朝食はお部屋でゆっくりと

翌朝は早めに起床して、ホテルの敷地内を散策しました。天気は晴れ。朝日を浴びながら、ゆっくりとジギーベイ&リーティラと散歩を楽しみました。じつは、この周辺はホテルの敷地内を含め国定公園に指定されていて、自然保護が徹底しています。

山側を見ると手入れの行き届いた杉の木が美しく整然と並んでいます。海側には庭の美しい芝生の先に琵琶湖が広がっています。猿、鹿、イノシシ、キツネ、鳥など多数の動物と共生していて、運がよければその姿を見にすることができるそうです。私は、その運があったようです。昨晩、長浜からの帰り道に道路を横切る鹿の姿を見ました。大雨のなかでしたが、クルマのライトに照らされていたので、ハッキリとその姿を確認することができたのです。ホテルの敷地内から見える景色はどれも美しく、「癒される」という言葉にふさわしい場所だと思います。

部屋に戻ってしばらくすると、スタッフが朝食を届けに来てくれました。ホテルのレストランでも朝食を食べることができるのですが、愛犬は連れていくことができません。また、お留守番してもらうのもどうかと思い、部屋食でとお願いしたのです。かわいいバスケットに入ったオシャレな朝食はサンドイッチがメインですが、ボリューム満点。ハムやチーズがとてもおいしくて、完食してしまいました。オレンジジュースも果肉たっぷりでフレッシュ感たっぷり。大満足の朝食でした。留守番が苦手な愛犬の場合には、ぜひとも利用していただきたいサービスです。

ドッグランは広いテニスコート

このホテルのドッグランは、テニスコートを開放したものです。2面のコートが2カ所あります。1時間単位で予約制と書かれていますが、15室しかないホテルなので、テニスコートとして使われているのも稀なようです。空いていればドッグランとして使っても問題ないようでした。

ジギーベイ&リーティラも朝の散歩時に使わせていただきました。昨日は雨で散歩も思うようにできなかったので、リードを外した途端にダッシュ。とても楽しそうでした。しばらくして彼らの足を見ると血が付いています。「あれ、どうしたの?どこから血が出ているの?」と確認すると、肉球が切れていました。テニスコートが固めの人工芝だったので、猛ダッシュして止まる際に摩擦で切れてしまったようです。彼らはとにかく走るのが早い。愛犬がそういう犬種である場合には、靴を履かせるなど注意が必要だと思います。

部屋に戻って、足を洗ってとりあえずの消毒をしました。傷が乾くまでしばらく休憩です。ホテルの支配人さんには「敷地内にある天然芝のスペースをドッグランにしてください!」とリクエストしておきました。できるといいなぁ(笑)。

チェックアウトまでは癒しの時間

朝食後は11時のチェックアウトまで、ゆっくりと過ごせます。部屋には癒し系のCDが用意されていて、それを聞きながらコーヒータイムです。ジギーベイ&リーティラものんびり過ごします。

その後、フロントのある本館へ行ってみました。今回は利用することはありませんでしたが、フリードリンクのクラブラウンジやライブラリーラウンジがあります。用意されているアルコール類も無料で提供されています。滋賀県にちなんだ書籍や観光雑誌等が用意されていて、ゆっくりと読書も楽しむことができます。また、予約制の貸切風呂・温泉もあります。

夏場はプールも利用できます。素晴らしいのは、それらの施設から琵琶湖の絶景を見ることができるのです。それぞれ違った風情があります。次回、訪れた際には、ぜひ利用したいと思いました。

そして、何よりも感動したのがホテルの山手にある小高い丘の上に拡がる空間です。広い芝生の上にラタンのテーブルとソファがポツンと置かれているのです。絵画のような美しい場所でした。ソファに座ると視線の先には琵琶湖が一望できます。この空間で過ごすだけでも来る価値があります。夏の暑い盛りでなければジギーベイ&リーティラも一緒に過ごせます。次回はここで、ゆっくりと本でも読んで過ごしたいなぁと思いました。

大人気のジギーベイとリーティラ

さあ、チェックアウトの時間です。荷物をまとめてクルマに積み込みました。本館のフロントまで鍵を返しに行こうとしたら、スタッフさんが外まで出てきて対応してくれました。ほかのスタッフさんたちも「素敵なワンちゃんが宿泊していると聞いたので」とジギーベイ&リーティラに会いに出てきてくれました。ウイペットが宿泊したのは初めてだそうです。優しいスタッフさんたちに囲まれて、彼らももご満悦でした(笑) 。

帰りは長浜方面に車を走らせ、北陸自動車道の木之本ICより高速に入りました。途中、何度か休憩をしながら自宅へ向けて車を走らせます。今回もまた、ジギーベイ&リーティラは爆睡。なのでリーティラのクルマ酔いもありません。素敵な思い出がたくさんできた楽しい旅となりました。

まとめ

「ロテル・デュ・ラク」は本当に素敵な宿でした。景色も部屋もとても癒される素晴らしい空間でしたが、何よりもスタッフさんの質の高いホスピタリティが端々に感じられて、とても幸せな気持ちになりました。また、愛犬と泊まれる部屋が1日1組限定であるため、ほかの犬が苦手な子も気兼ねなく過ごせる宿だと思いました。すべてにおいて、とても満足感の高い旅になりました。ぜひ、みなさんも訪ねてみてください。

[ペットジャーナリスト 阪根美果]