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地球上でいちばん軽い物質である水素が活性酸素を消去する理由

[2021/08/31 6:01 am | 獣医師 川野浩志]

ヒトもペットも呼吸をすることで体内に酸素を取り込んで生きています。口から吸い込んだ酸素は肺で血管のなかに飛び込み、赤血球という運送トラックに乗って全身の細胞に運搬されます。また、食べたタンパク質や脂肪、糖質を燃やすことで、生きて行くためのエネルギーをつくっています。そのときにも酸素を使いますが、余った酸素が活性酸素のもとになります。

実際にエネルギーをつくる工場は細胞内の「ミトコンドリア」です。エネルギーをつくる過程で同時に約2~3%の活性酸素(ROS)ができます。つまり、工場でエネルギーをつくる燃えかす(排煙)が活性酸素なので、普通に生活していても活性酸素はできてしまいます。

活性酸素は無差別テロのようにいろいろなものを傷つけます。DNAが傷つき、その細胞が増えるとガンになります。傷ついた細胞の多くはガン細胞になるくらいならと考えて自ら死んでいきます。この繰り返しが老化です。

じゃあ、どんなときに活性酸素ができるのか? 主な要因として、喫煙、排気ガス、紫外線、食生活の乱れ、過剰なアルコール摂取、ストレス、睡眠不足、激しい運動、食品添加物、残留農薬、電磁波、放射線など、さまざま外部環境にも影響されます。

活性酸素ができると「サビる(酸化する)」ことになります。もともと体内に標準装備されている抗酸化能力が減ると、活性酸素による酸化ストレスでガンや糖尿病、動脈硬化など、さまざまな病気や老化に関与することが多数の論文で報告されています。つまり、活性酸素は老化と病気の原因なんです。実際に病気の原因の90%はサビ(酸化ストレス)が関わってるんじゃないの? ともいわれています。

女性にとって気になるシミやくすみ、シワなどの原因は活性酸素だとわかっています。皮膚が紫外線を浴びると、普通の酸素は一重項酸素という強力な悪玉活性酸素に変貌します。この一重項酸素の酸化力は、ラスボス的存在のヒドロキシラジカルの次に強力で、色素細胞を刺激してメラニンがつくられます。本来、メラニンは紫外線から肌を守るという大切な役割があるんですが、大量のメラニンの滞留がシミになるんです。また、一重項酸素は皮膚の張りを保つコラーゲンをつくる線維芽細胞を攻撃するため、皮膚の張りが弱くなってシワの原因になるわけです。

つまり、血管の細胞がサビれば、血管の病気(動脈硬化→脳梗塞、心筋梗塞)になり、皮膚の細胞がサビれば、皮膚の病気(しみ、シワ、くすみやアトピー性皮膚炎など)になるのですね。

ではどうしたらいいのか? 体内に配備されている抗酸化酵素「スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)」の減少を抑え活発にする。体外から抗酸化物質(ビタミンC・E、ポリフェノール、カロテノイドなど)を取り入れて活性酸素を撃退するということが一般的でした。

それに加えて、水素が悪玉活性酸素である細胞中のヒドロキシルラジカルやペルオキシナイトライト(ONOO⁻)など、酸化力が強く老化や病気の悪化に関係する活性酸素を除去することが2007年に発表されました。現在もたくさんの研究や論文が発表されているので、水素の有用性がどんどん明らかになるでしょう。

[獣医師 川野浩志]