犬との暮らしで知っておきたいこと Vol.126

【犬飼いTIPS】なぜうちの愛犬は芝生など草の上で転がるの? その理由とは……

[2023/04/10 6:01 am | 編集部]

犬は本当にかわいい行動をたくさんします。そして、奇妙な行動もたくさんします。愛犬が草の上で転がるのは、あなたにとってはどちらだと感じますか?

犬が芝生で転がる理由はいくつかありますが、その多くは「ニオイ」にまつわるものです。犬は強い嗅覚を持ち、それを使って周りの世界と交流しています。ニオイを利用して獲物の痕跡を見つけたり、ほかの犬とコミュニケーションを取ることができます。

そのため、犬が芝生を転がるのは、ニオイを拾ったり隠したり、または自分のニオイを残しているのではないかと考えられているようです。今回は、犬の転がり行動についてのお話です。

犬が芝生を転がるのは自然なことですか?

犬が芝生で転がるのは、まったく普通の行動です。しかし、犬にとっての「普通」は、人間の社会では、必ずしも受け入れられるとは限りません。愛犬が、いつ・どこで・どのような行動をとるかによって、転がり行動を奨励するか、放置するか、止めさせるを決めなくてはなりません。

犬が芝生で転がる理由は?

私たちにとっては理解しがたいことかもしれませんが、犬が芝生で転がる理由はたくさんあります。それを知ることで、彼らの動機がわかることもあります。

自分のニオイを隠すため

犬は狩りをして進化してきた動物です。芝生を転がるのはその名残りではないかといわれています。犬は自分のニオイを隠すために芝生を転がっているようです。

これは、単に土や草のニオイでマスキングするという意味かもしれませんし、別の動物の排尿や排便のニオイを拾おうとしているという可能性もあります。オオカミはこの行動によって、狩りをする際に獲物の強い嗅覚に気づかれることなく近づくことができるようになったのかもしれません。

嫌いなニオイを消すため

犬が芝生のニオイを身にまとうことで、自分についたニオイを消しているのかもしれません。例えば、多くの犬がシャワーのあとに芝生で転がりますが、これはシャンプーのニオイを消そうとする試みではないかと考えられています。私たちが好きな香りが、犬にとっても快適な香りだとは限りません。

コミュニケーションのため

犬はニオイでコミュニケーションをとります。多くの犬(特にオス)は、散歩の途中に少量の尿で痕跡を残し、ほかの動物に自分がそこにいたことを伝えます。また、芝生で転がるのもニオイを残す方法のひとつです。ある犬が転がって自分のニオイを残すと、別の犬がさらに転がって自分のニオイをつけたりすることもあります。

痒いところを掻くため

犬は体のあらゆる部分に手を伸ばして掻くことができないので、痒みを和らげるために仰向けに転がることがあります。たまになら問題ありませんが、頻繁に転がったり、転がるのをやめない場合は皮膚トラブルのサインかもしれません。

同様に、耳を芝生や地面に擦りつける場合は、耳の感染症にかかっている可能性があります。そうした場合は、すみやかに動物病院で診察してもらいましょう。

単に気持ちいいから

嬉しくて楽しくて、気持ちいいから芝生に転がる犬もいるでしょう。何の問題もなく、特別な動機があるわけでもなく、ただ犬が犬らしくしているだけなのです。

もしかしたら、普段からアスファルトの上ばかりを歩いていて、芝生の上を歩くのは久しぶりかもしれません。その場合は、せっかくの機会ですから、存分に転がってもらいましょう。

芝生で転がるのを止めさせるべき?

場合によります。愛犬が芝生の上を転がって楽しんでいるのであれば、その行動を止める必要はありません。犬が、つねに何かをかじりたいという欲求を持っているのと同様です。

きっとあなたは、愛犬に噛むおもちゃを用意していると思います。転がり行動は、それと同じことです。害がない限り、犬にとっての正常な行動をさせてあげることが大切なのです。

まとめ

犬が芝生の上で転がるのは、犬本来の行動です。本能とも言い換えられます。また、久しぶりで楽しくて転がっているのかもしれません。そうした場合には、満足するまでとことん転げさせてあげましょう。

ただし、転げる場所は選ぶようにしましょう。除草剤や殺虫剤が散布された芝生は、犬に有害である可能性が高いので避けましょう。また、草の生い茂った藪も害虫がいる可能性があるので避けましょう。

また、ノミ・マダニ対策も怠ってはいけません。ノミ・ダニ駆除薬にはチュアブルなどの食べるタイプや、滴下するスポットタイプなどさまざまな製品が発売されているので、愛犬にあったもので予防しましょう。

転がりが頻繁な場合は、アレルギーや皮膚感染症、ノミなどによる慢性的なかゆみの可能性があります。その場合は、動物病院で診察を受けるようにしましょう。

[編集部]