犬との暮らしで知っておきたいこと Vol.122

【犬飼いTIPS】うちの愛犬はほかの犬になぜ吠えるの? その理由と対処法とは

[2023/03/13 6:01 am | 編集部]

愛犬と散歩しているときに、通りの向こうに犬を見つけると、愛犬は立ち止まり、耳を立て、そして大きな声で「ワンワン」と鳴くことがあります。これは挨拶なのでしょうか。それとも美声を誇示するチャンスだと思っているのでしょうか。

犬は、さまざまな理由でほかの犬に吠えるものです。今回は、犬がほかの犬に吠える理由についてのお話です。

犬が吠えるということ

犬が吠えることは、無数の機能を果たす複合的な一連の行動です。犬は初対面の人に吠え、高速で移動する生き物や物に吠え、そしてほかの犬にも吠えます。吠える犬のすべてが挨拶以外の意図を持っているのか、なぜ声を出す必要があるのかを判断するためには、吠える場面や回数、強さが重要な要素になります。

このようにコミュニケーションする能力は、愛犬が幸せであることを確認するためのひとつの方法です。愛犬が吠え始めたら、愛犬のボディランゲージに細心の注意を払うことが重要です。動物行動学であっても、その場に居合わせない限り、あなたの愛犬がほかの犬に吠える理由を100%確実にいえるわけではありません。

ソーシャルバーキング

犬はとても社会的な生き物で、自分の周りの世界と関わりを持ちたがります。ほかの犬の注意を引くために吠え、挨拶や遊びのきっかけをつくることがあります。近所に犬がいて、楽しく遊んだことがあれば、その犬(仲間)を見ると吠えるかもしれません。

ほかの犬とのコミュニケーションの取り方を学んだばかりの子犬の場合は、何らかの関わりや接触を求めて吠えることがあります。ほかの犬が吠えるのを聞いて吠えることもあります。。

もし、愛犬のボディランゲージが、ゆったりとした姿勢で、リラックスして口を開け、お辞儀や弾むような歩き方など遊びを誘発するものであれば、その吠え方は社会的なもので、心配する必要はないと思われます。

反応性

反応性とは、ほかの犬などの外的刺激に対して過剰に反応することです。恐怖や苦痛など、過去の経験が犬の行動に大きく影響します。犬が不快な思いをすると、その反動で激しく吠えることがあります。また、興奮しすぎて感情のコントロールが難しくなっているケースもあります。

残念ながら、挨拶や遊びができないことへの不満から吠えている犬は、時間が経つにつれてほかの犬を見ると動揺してしまうようになります。あなたが見ている吠えは、引っぱりなどのほかの反応行動と一緒に現れるかもしれません。これは攻撃性のように見えることもありますが、必ずしもそうとは限りません。感情を表現する方法がわからないために吠えている場合もあります。

攻撃的な吠え

吠え声には、犬が怖いと思うものに強く反応しているものがあります。それは、場合によってはほかの犬である場合があります。攻撃的な吠え方の場合、その怖いものを遠ざける、あるいはそれ以上近づかないようにすることが目的です。

社会化されていない犬や、ほかの犬に嫌な目に遭わされたことのある犬は、吠えたり、唸り声を発したりするなどの攻撃的な行動をとる可能性が高くなります。例えば、混雑したドッグランでほかの犬に追いかけられたり、走り寄ってくるなど、望まない状況に追い込まれた場合に攻撃的な吠えをすることがあります。これは不快な状況に対する自然で理解できる反応です。

愛犬の激しい吠え声が気になる場合、特に反応的、攻撃的に見える場合は、動物行動学を専門とする獣医師や、トレーナーに助けを得るのもよいでしょう。

フラストレーション

欲求不満が吠えに関係していることがあります。欲求不満は、いろいろな種類の状況や、さまざまな理由で起こりうる広範なカテゴリです。

一般的に、犬はリードやフェンス、家のなかなど、障害になるものによって自由に行動できない苛立ちから欲求不満になることがあります。これを「バリア・フラストレーション」と呼び、反応性と合わせて起こることもあります。

興味のあるもの(ほかの犬など)に近づくことができないことで、吠えが激しくなるなどの欲求不満の行動につながることがあります。欲求不満は混乱から起こることもあります。犬は状況を理解するのが難しく、何をすればいいのか、飼い主やほかの犬が何をしてほしいのかなど、意図がわからない場合に吠えることがあります。

欲求不満は放置しておくと、反応的な行動や攻撃的な行動につながる可能性があるため、早期に対処することが大切です。幸いなことに、欲求不満は多くの場合、簡単な方法で対処できます。例えば、窓からほかの犬に吠える場合は、カーテンを閉めて外が見えないようにしたり、窓の周りにゲートを設置して、窓に近づけないようにします。

過剰な吠えへの対処法

分化強化トレーニングは、吠える代わりにほかの行動をするよう愛犬に教えるものです。これは、イライラを軽減し、愛犬が満足感を保つための方法です。分化強化の経験が豊富なトレーナーと一緒に始めてみましょう。

まとめ

子犬がほかの子犬に吠えたり、成犬が散歩で自分の声を誇示したりと犬は吠える生き物です。吠えることが本来の犬らしさともいえます。

吠えることは犬にとって自然で機能的に優れた行動ですが、ほかの犬に向けられたほかの激しい行動と一緒になると、気になることがあります。ほかの犬に吠えるということは、その行動が正常なのか、それとも専門家の介入を必要とするのか、状況をよく観察することが大切です。

[編集部]