犬との暮らしで知っておきたいこと Vol.91

【犬飼いTIPS】犬は果物を食べられる? 食べてもOKとNGの果物

[2022/07/14 6:01 am | 編集部]

夏は、水分が豊富で瑞々しい果物が嬉しい季節です。それは、犬にとっても同じなのでしょうか。今回は犬に与えてよい果物とダメな果物、さらに果物を与えるときの注意点についてのお話です。

犬が食べていい果物

犬が食べてもいい果物は以下のとおりです。ただし、食べ過ぎや食べ方に注意が必要なものもあります。

スイカ

スイカは92%が水分なので、暑い日のおやつに最適です。愛犬の水分補給にもなりますし、凍らせても爽やかで楽しく食べられます。また、スイカにはビタミンA・B6・C、カリウムが豊富に含まれています。ただし、スイカの皮や種は、窒息や腸閉塞の原因になることがあるので、取り除いてから与えてください。

バナナ

バナナは食物繊維やカリウム、ビタミンB6・Cを多く含みます。ただし、ほかの果物に比べて糖分が多いので、量を控えめに、一口大にカットして与えてください。また、バナナの皮は消化が悪く、腸閉塞を起こす可能性があるため与えないでください。

イチゴ

イチゴには、ビタミンCやカリウム、食物繊維、抗酸化成分が豊富に含まれています。また、イチゴには免疫力を高める効果もあります。喉に詰まらせないように小さくカットし、小型犬には潰したり、ピューレにするのがよいでしょう。

ブルーベリー

ブルーベリーは低カロリーで、ビタミン(A・C・E・K)、食物繊維、抗酸化成分、ファイトケミカル(植物が有害なものから体を守るためにつくり出した栄養素で、がんを抑制する働きもある)を多く含んでいます。また、視機能の改善など目にいいとされているほか、細胞の損傷を防いで老化した精神機能を助けることが明らかにされています。

リンゴ

リンゴは、免疫機能を高めるために必要なビタミンC、そのほかにもカルシウム、ビタミンK、ペクチン、そして皮にはファイトケミカルを豊富に含んでいます。また、エネルギー源である炭水化物、消化や体重、血糖値の調節に関わる食物繊維も多く含まれています。ただし、与える際には種と芯を取り除きましょう。リンゴの種は人にも犬にも毒となるシアン化合物が含まれており、低酸素症や体内への酸素供給不足を引き起こす可能性があります。

オレンジやみかん

ビタミンCが豊富に含まれています。また、体の生命維持に欠かせないミネラルであるカリウムや食物繊維も多く含まれています。ただし、オレンジに含まれる糖分と酸味は、犬によっては胃の不調を引き起こすことがあります。また、皮と種は必ず取り除いてください。皮は腸閉塞を引き起こす可能性があります。皮に含まれる油分は、胃腸の不調を引き起こし、嘔吐や下痢、場合によっては脱水症状を引き起こす可能性があります。

そのほかの果物

マンゴー、桃、洋ナシ、パイナップルも皮や種を取り除いた果実部分を与えることはできます。ただし、糖分が多いので、少量に留めましょう。また、日本では野菜に定義されていますが、キュウリも与えることができます。食感が好きな子も多いようです。

犬にとって安全でない果物

アボカドとトマト(日本では野菜に分類)は、グレーゾーンに属するので、愛犬に与えるのは避けたほうがよいとされています。

アボカドの果肉に毒性はありませんが、腸閉塞を起こす可能性があります。また、脂肪分が多いため、少量でも膵炎や胃もたれを起こす犬もいます。

熟したトマトの果実には毒性はありませんが、食べ過ぎるとお腹を壊すことがあります。また、未熟な青いトマトや茎や葉、花にはアルカロイド系の毒素(トマチン)が含まれているので避けましょう。

犬にとって危険な果物

サクランボ、ぶどう(レーズン含む)、野生のベリー類は、犬に有毒とされる果物です。犬に与えることは避けてください。また、ドライフルーツも糖分が非常に高いため避けるほうが賢明です。

愛犬の食事に果物を加える方法

愛犬の食事に安全な果物を少しずつ取り入れるコツをご紹介します。

【果物の摂取量】
おやつと同様に、果物もフードの10%以内にしましょう。ほかのおやつと一緒に果物を与えている場合でも、合計で10%を超えないように量を調節してください。

【調理方法】
与える前によく洗ってください。そのまま生か、冷凍して与えることができます。シロップ漬けのフルーツ缶詰は糖分が多すぎるので、与えないようにしましょう。
果物はおやつとして与えることもできますし、食事に混ぜて与えることもできます。窒息の危険があるので、小さくカットして与え、食べている間には観察してください。

【おなら・下痢・嘔吐に注意】
犬によっては果物を食べるとおならが出たり、下痢や嘔吐をすることがあります。果物は食物繊維が多いので、与えすぎると消化器系の不調を起こすことがあります。
果物をおやつとして与えたい場合は、少量を時間をかけて与え様子を見ましょう。また、前述のような症状が出た場合は果物を与えるのをやめ、動物病院で診察を受けましょう。

まとめ

犬は雑食性です。つまり、健康でバランスのとれた食事をするためには、動物性材料と植物性材料の組み合わせが必要です。

犬は果物を食べることができますが、犬にとって有害になるものもあります。市販のドッグフード(総合栄養食)を与えている限り、バランスが取れているため果物を補う必要はありませんが、おやつとして与えるのは楽しいかもしれません。

愛犬に果物を与える前にはどの果物が安全かを確認し、もし持病(特に糖尿病や膀胱結石などの疾患)がある場合は、必ず事前に獣医師に相談しましょう。

[編集部]