犬との暮らしで知っておきたいこと Vol.33

【犬飼いTIPS】愛犬と一緒に初詣に行きたい! でも神社やお寺は入っていいの?

[2020/12/30 6:01 am | 編集部]

2019年にDog Huggyが行った「愛犬との初詣」に関する調査によると、愛犬と初詣ができる神社・お寺があることを知っている飼い主さんは半分以下、愛犬と初詣をしたことのある飼い主さんは3人に1人であるという結果でした。しかし、愛犬と初詣でお参りをしたいと考えている飼い主さんは8割を超えていて、家族の一員という意識が強まっていることがうかがえます。では、実際に神社やお寺に初詣に連れていくことができるのでしょうか? 今回は、愛犬との初詣のお話です。

神社やお寺にペットを連れていくのはNG?

飼い主であれば、愛犬の健康祈願は欠かせないものです。できれば愛犬と一緒に行って、お参りをしたいと考えることでしょう。しかし、少し前までは神社やお寺は、犬に限らず動物が境内に入ることを禁止していました。古くから寺社仏閣では動物は「穢れ(けがれ)」「畜生(ちくしょう)」という考えがあり、人間とは区別された存在である動物を持ち込むことを禁止しているのが一般的でした。なかには「宗教上の理由により、動物を連れての参拝はお控えください」と掲示してあるところもありますが、明確に禁止を掲示していなくても、ペットを連れてくるのは非常識と考えられてきました。

しかし、神社には狛犬もいますし、狐が神様の使いを務める稲荷神社もあります。また、犬を神として祀る神社も多く存在しています。ですから、すべてが「穢れ(けがれ)」「畜生(ちくしょう)」と考えられていたわけではなさそうです。

時代の流れとともに「犬や猫も家族の一員」と考えることが当たり前となり、最近ではペットが入れる神社やお寺が増えてきました。また、「人間も動物も命の尊さは同じである」という考えから、「動物=穢れ(けがれ)」とは考えず、同伴を認めるような流れも出てきています。推奨する神社やお寺ではペット用の健康祈願のお守りやお札、絵馬などが揃えられているところもあります。

愛犬と参拝できる神社やお寺

きちんとルールを守れば、愛犬を連れて参拝できる神社やお寺は増えています。しかし、まだまだNGのところが多いので、事前に確認することが大切です。インターネットなどで「愛犬と一緒に初詣」と検索するとそれをまとめたサイトがいくつか出てきます。ここでは、代表的なところを紹介します。

・神田明神(東京都千代田区)
東京でも参拝客が多いことで知られる。じつはペット可でお祓いもしてもらえる(境内のみ)。

・市谷鶴岡八幡宮(東京都新宿区)
以前よりペットの祈祷や七五三などを行っていて、どちらかというとペットの神社というイメージが強い。雑誌やテレビでも紹介されている有名な神社。毎年「ペットと一緒の初詣」では、多くの着物や袴姿の犬たちが勢揃いする。ただし、参拝には人数制限があるため事前に予約が必要。ペットのお守りは地方発送もしてくれる。

・高幡不動尊(東京都日野市)
弘法大師像が八十八か所に祀られている巡拝コースがあり、約1時間をかけて愛犬と一緒に参拝できる。

・等々力不動尊(東京都世田谷区)
ペット用の御手水が用意されている。

・円覚寺(神奈川県鎌倉市)
靴を脱ぐような場所には入れないが、リードを着用(短く)していれば犬同伴での参拝が可能。犬用の御守りが用意されている。

・座間神社(神奈川県座間市)
境内には2012年に創建されたペットのための神社「伊奴寝子社(いぬねこしゃ)」がある。ペットの健康を祈願し、愛育大神(めぐみのおおかみ)、犬祖大神(いぬみおやのおおかみ)、猫祖大神(ねこみおやのおおかみ)が祀られている。境内にある「犬」「猫」の像を手の平でさすると願いが叶うと言われている。成犬式、成猫式などの珍しい祈願も受け付けている。犬型の絵馬などを用意。

・大本山成田山新勝寺(千葉県成田市)
本堂には入れないが、そのほかはペット可。

・三峯神社(埼玉県秩父市)
最強のパワースポットとして有名。「おいぬ様」としても知られており、そのイラスト入りのお守りや飴が大人気となっている。犬連れの参拝客が多い。

・朝日氷川神社(埼玉県川口市)
ペットのお祓いができる。(お正月予約不可)ペット用の御守りが用意されている。

・高麗神社(埼玉県日高市)
境内のみペット可。神社近くに駐車場があり、ペットを連れての参拝が楽。

・新祇大社(静岡県伊東市)
境内のみペット可。ペット用の御手水、御守りや絵馬が用意されている。犬連れの参拝客が多い。

・東大寺(奈良県奈良市)
大仏で有名な東大寺は、広い敷地内をリード着用で散歩ができる。大仏殿内も抱っこができれば参拝可能。ただし、初詣の時期はかなりの混雑なので、愛犬を連れて行くなら、参拝客が少なくなる時期に初詣するのがよい。

・唐招提寺(奈良県奈良市)
抱っこができる場合は参拝可能。

・南禅寺(京都府京都市)
臨済宗南禅寺派大本山の寺院で、日本におけるすべての禅寺のなかでもっとも高い格式をもつ。リードを着用すれば境内を自由に歩くことができる。

・照友神社(大阪府岸和田市)
お酒の神様として有名な三輪山大神神社の分社。ペットの健康や安全を祈願する神社としても有名。 

・太江寺(三重県伊勢市)
お寺とは別に愛受院がある。ペット墓地のほか、動物愛護の御神石として祀られている「守り石(犬石)」や愛犬愛猫の供養をする地蔵菩薩がある。ペットの健康祈願も行っている。

愛犬を連れていく際の注意点

愛犬と一緒に初詣ができるところだとしても、ルールやマナーは守らなければなりません。飼い主はその点をしっかり理解する必要があります。神社やお寺には鳥居や国宝などの重要文化財が多く存在していますし、樹齢の長い樹木が祀られていたりします。境内を歩くときには、マーキングなどの排泄行為をしないように、事前に済ませておくか、マナーベルトを着用するなど対策をしておくようにしましょう。万が一、粗相をしてしまった際にはきちんと後始末をしましょう。

初詣は多くの人が参拝に訪れます。小型犬は誤って踏まれて怪我をしたり、ほかの人に迷惑をかけてしまう可能性があります。リュックやカートに載せることをオススメします。中型犬や大型犬の場合には、リードを短く持ち、参道の端を歩くなどしてできる限り人混みを避けましょう。

これらのルールやモラルを守らない飼い主が増えてくると、ペット可であった神社やお寺がNGになってしまう可能性もあります。そうならないためにも、飼い主さん一人ひとりが良識を持って参拝することが大切でしょう。

まとめ

愛犬と一緒に初詣は本当に楽しみです。しかし、神社やお寺によっては大混雑になる可能性もあります。万が一の迷子、人混みのストレス、また、飼い主自身も大きなストレスになります。ですから、なるべく三が日は避けるようにして、ある程度、混雑が落ち着いてからのんびり、ゆったりと参拝できる日にちを選んで出かけるようにしましょう。

[編集部]