猫との暮らしで知っておきたいこと Vol.89

【猫飼いTIPS】猫は果物を食べられる? 食べてもOKとNGの果物

[2022/07/18 6:01 am | 編集部]

猫は、“真”の肉食動物です。肉は彼らの食事に必要な主成分です。では、果物はどうでしょうか。猫にとって安全ですか? もしそうなら、猫が食べてもよい果物は何でしょうか? 今回は猫に与えてよい果物とダメな果物、さらに果物を与えるときの注意点についての方法のお話です。

猫が食べても安全な果物

猫が食べても安全な果物は以下のとおりです。ただし、食べ過ぎや食べ方に注意が必要なものもあります。

スイカ

スイカは92%が水分なので、暑い日のおやつに最適です。愛猫の水分補給にもなりますし、凍らせても爽やかで楽しく食べられます。また、スイカにはビタミンA・B6・C、カリウムが豊富に含まれています。ただし、スイカの皮や種は、窒息や腸閉塞の原因になることがあるので、取り除いてから与えてください。

マンゴー

マンゴーは、食物繊維、ビタミンC・B6・Aを豊富に含んでいます。猫だけでなく、飼い主にとってもご馳走になります。果肉を小さく角切りにしたり、スライスして与えましょう。皮と種は避けてください。

パイナップル

パイナップルは、ビタミン(A・B6・C)、葉酸、ミネラル(マグネシウム、カリウム)を含んでいます。ただし、果糖を多く含んでいるので量には注意しましょう。葉やとげ、皮は完全に取り除いてから与えます。また、缶詰のパイナップルは、保存料を含む甘いシロップが染み込んでいるので避けましょう。

メロン

メロンは、ビタミンC、ベータカロチン、食物繊維、抗酸化成分が豊富に含まれています。比較的低カロリーで、肉のタンパク質の香りに似ているため、好む猫が多いようです。果肉は小さく角切りにするかスライスして与えますが、皮は避けてください。

バナナ

バナナは食物繊維やカリウム、ビタミンB6・Cを多く含みます。ただし、ほかの果物に比べて糖分が多いので、量を控えめに、一口大にカットして与えてください。また、バナナの皮は消化が悪く、腸閉塞を起こす可能性があるため与えないでください。

イチゴ

イチゴには、ビタミンC、カリウム、葉酸、食物繊維、抗酸化成分が豊富に含まれています。また、イチゴには免疫力を高める効果もあります。喉に詰まらせないように小さくカットして与えましょう。

ブルーベリー

ブルーベリーは低カロリーで、ビタミン(A・C・E・K)、食物繊維、抗酸化成分、ファイトケミカル(植物が有害なものから体を守るためにつくり出した栄養素で、がんを抑制する働きもある)を多く含んでいます。また、視機能の改善など目にいいとされているほか、細胞の損傷を防ぎ老化した精神機能を助けることが明らかにされています。

リンゴ

リンゴは、免疫機能を高めるために必要なビタミンCを豊富に含んでいます。また、カルシウム、ビタミンK、ペクチン、皮にはファイトケミカルが多く含まれています。ただし、与える際には種と芯を取り除きましょう。そして、小さくカットして与えましょう。

そのほかの果物

杏、洋ナシ、キウイ、ネクタリンも皮や種を取り除いた果実部分を与えることができます。ただし、少量に留めましょう。また、日本では野菜に定義されていますが、キュウリも与えることができます。

猫にとって危険な果物

ブドウとレーズンは与えてはいけません。猫がそれらを食べると、深刻な消化不良、嘔吐、下痢、嗜眠、さらには急性腎不全を引き起こす可能性があります。

また、レモンやライム、オレンジなどの柑橘類に豊富に含まれる精油成分「リモネン」は、消化器官の炎症、嘔吐、下痢、あるいは中枢神経麻痺を引き起こす可能性があります。

愛猫の食事に果物を加える方法

愛猫の食事に安全な果物を少しずつ取り入れるコツをご紹介します。

【果物の摂取量】
おやつと同様に、果物もフードの2%以内にしましょう。おやつと一緒に果物を与えている場合でも、合計で2%を超えないように量を調節してください。

【調理方法】
与える前によく洗ってください。そのまま生か、冷凍して与えることができます。シロップ漬けのフルーツ缶詰は糖分が多すぎるので、与えないようにしましょう。
果物は、おやつとして与えることもできますし、食事に混ぜて与えることもできます。窒息の危険があるので、小さくカットして与え、食べている間には観察してください。

【嘔吐や下痢に注意】
猫が果物を適切に消化できない場合、嘔吐、下痢、便秘などの消化器系の不調(胃もたれ)の兆候が見られることがあります。また、糖分が多いため、糖尿病の猫には果物を与えないようにしましょう。

果物をおやつとして与えたい場合は、少量を時間をかけて与え、様子を見ましょう。また、前述のような症状が出た場合は、果物を与えるのをやめ、動物病院で診察を受けましょう。

まとめ

猫は甘味を感じる受容体がないため、通常は果物の甘味には興味を示しません。しかし、猫がおやつとして食べられる果物は数種類あり、適度な量であれば食べることができます。

猫は果物を食べることができますが、有害になるものもあります。市販のキャットフード(総合栄養食)を与えている限りはバランスが取れているため、果物を補う必要はありませ。ただし、おやつとして与えるのは楽しいかもしれません。

愛猫に果物を与える前にはどの果物が安全かを確認し、もし持病(特に糖尿病や膀胱結石などの疾患)がある場合は、必ず事前に獣医師に相談しましょう。

[編集部]