【編集興記】室内マイクロバイオームと健康の関係：ペットが家族に与える意外な健康効果とは？

近年、室内環境が人間やペットの健康に与える影響が注目されています。特に、室内に存在する微生物叢（マイクロバイオーム）が免疫系やアレルギーに大きな役割を果たしていることが、さまざまな研究で明らかになってきました。

また、ペットは家に多様な微生物を持ち込み、室内の微生物バランスを整える重要な存在ともいえます。今回は、マイクロバイオームが私たちやペットの健康に与える影響、室内環境を整えるためのポイントなどを考えます。

室内環境が健康に与える影響とは？

現代の生活では、私たちが過ごす室内環境が健康に与える影響が注目されています。特に、室内に存在する微生物が人間の免疫系やアレルギーの発症に大きな影響を及ぼすことが研究で示されています。

これらの微生物は、建物の素材や清掃の頻度、換気の仕方などにより変動しますが、適切なバランスを保つことで健康を維持する役割を果たします。

室内の微生物が過剰に殺菌されると、免疫機能が低下しやすくなるため、自然な微生物環境を維持することが健康に重要だと考えられています。

ペットがもたらす微生物の恩恵

ペットを飼うことが室内環境のマイクロバイオームにどのように影響するか、最近の研究が示すところです。ペットは、屋外で多様な微生物を体に取り込み、それを室内に持ち込むことで、家のなかの微生物の多様性を高めます。

そして、人間の健康にプラスの影響を与える可能性があり、特に幼少期にペットと一緒に暮らす子どもがアレルギーや喘息にかかりにくくなることがわかっています。

つまり、ペットが提供するプロバイオティクス効果は、家族全員の健康を支える重要な役割を果たしているのです。

室内マイクロバイオームとアレルギー・免疫の関係

室内マイクロバイオームは、アレルギーや免疫システムに密接に関係しています。研究によると、微生物の多様性が豊富な環境で生活することで、アレルギーや自己免疫疾患のリスクが低下する可能性があります。

特に、ペットを飼う家庭では、犬や猫が微生物を家のなかに持ち込むことで、免疫系が適切に刺激され、過剰なアレルギー反応を抑制する働きがあることが示されています。微生物と免疫の健全なバランスを保つことが、健康維持において重要なポイントとなります。

人間とペットの健康を守るための室内環境のつくり方

人間とペットがともに健康に過ごすためには、室内環境を整えることが欠かせません。まず、化学薬品を使った過度な除菌は、耐性菌が繁殖しやすくなり微生物の多様性を低下させる可能性があります。除菌は自然由来のものを使用するようにしましょう。

また、定期的な換気や、ペットが自然で遊ぶ機会を増やすことで、外部から多様な微生物を取り込み、室内環境のバランスを保つことができます。適切なケアを行いながら、家族全員が健康的に過ごせる住環境をづくりを目指しましょう。