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米 ペット殺処分対策の新法成立で論議

[2017/10/27 6:48 am | 編集部]

米 ペット殺処分対策の新法成立で論議

NHK NEWS WEB| 2017/10/18

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このコーナーでは、注目ニュースに対する編集部や識者のコメントを紹介します。

この記事を読まれた人もいるかと思います。アメリカ・カリフォルニア州で、ペットショップは、保護施設にいる犬や猫などに限って販売できるという法律が成立したというニュースです。この法律により、ペットの殺処分の減少につながると歓迎される一方で、ペットを選ぶ自由を奪うとの批判も出て、論議を呼んでいるとのことです。こういった議論があるのは、アメリカならではだと思います。

ペット先進国のひとつでもあるアメリカでは、年間に飼育放棄された約150万頭が殺処分されているだけでなく、パピーミルといった劣悪な環境下で繁殖する悪徳業者の存在が問題視されているのだそうです。

日本では、環境省の統計データによると2016年の殺処分数は5万5998頭でした。飼育頭数を考慮しても、日本の殺処分数が極端に多いということではないことがわかると思います。

以前、ペトハピでは「日本はペット後進国ではない」という記事を掲載しました。それでも、殺処分をゼロにするためには、ペット流通の上流である生産現場を健全化する必要はあります。

ブリーダーの質を向上させることは必要ですが、ブリーダーの団体がないことや、知見やノウハウが個人にたまる傾向があり、全体で共有することができていません。そういった現状を変えていくべく、ペトハピでは優良ブリーダーの繁殖に対する考えや方法などを紹介し続けています。

これには、ふたつの側面があります。ひとつはブリーダーに、自身に足りないところを確認して成長・向上してもらうこと。もうひとつは、私たち消費者にそういった優良ブリーダーの考えや行動を知ってもらうことです。ブリーダーの質が向上し、優良ブリーダーが増えれば、乱繁殖などによって不幸な犬や猫が増えることはありません。

そして、知識があって相談に乗ってくれる優良ブリーダーから迎えることで、家族として幸せに暮らすことができます。私たちが理想的な出会いと迎え方をすることで、結果的に悪徳業者は退出せざるをえず、市場には健全な犬や猫の比率が多くなるのです。いくら法律をつくったとしても、いろいろな横やりが入り骨抜きにされてしまうのは、周知のとおりです。「8週齢問題」などは、まさにその例です。なので、本当に殺処分ゼロを目指すのであれば、法律やブリーダーの向上心や良心に頼るだけでなく、私たちが消費行動を見直すだけでも健全化することができる。ペトハピではそう考えています。

理想的な家族の迎え方については、こちらの記事で詳しく説明していますので参考にしてください。

[編集部]