愛犬や愛猫のワクチン接種は毎年しなきゃダメ?

[2017/09/19 6:01 am | 編集部]

みなさんの愛犬や愛猫は、ワクチン接種を毎年受けていますか?

狂犬病のワクチン接種は法律で義務づけられているものですが、それとは別に病気を予防するために任意で接種する「混合ワクチン」があります。製薬メーカーによっていろいろありますが、猫は3種混合ワクチン、犬は5種混合ワクチンが一般的です。

完全室内飼育の猫の場合は、以下の3種混合ワクチンで十分だと言われていますが、外猫と接点があったりする場合は、「猫白血病ウイルス感染症」と「クラミジア感染症」を加えた5種混合ワクチンを薦められることが多いです。

【3種混合ワクチン】
・猫ウイルス性鼻気管炎
・猫カリシウイルス感染症
・猫汎白血球減少症

犬の場合は、以下の5種混合ワクチンが主流でしたが、最近では屋外での活動が多い犬を中心に「犬レプトスピラ感染症」を加えた8種、9種などを薦められるようになりました。

【5種混合ワクチン】
・犬ジステンパーウィルス感染症
・犬パルボウィルス感染症
・犬アデノウイルス1型感染症(犬伝染性肝炎)
・犬アデノウイルス2型感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
・犬パラインフルエンザウィルス感染症

昨今は、こうした混合ワクチンの接種において、いろいろな情報があがっています。3年に1度程度でよいとか、獣医の都合で毎年にされているなどなど。

では、実際のところはどうなんでしょうか。私がいつも通っている先生によると、ワクチンの効果は2年くらいは持つとのことです。ただし、それでも個体差があるので、1年~1年半に一度は接種することを推奨しているとのこと。確かに、もともとの免疫力が高ければ、ウイルスに対しての耐性も高いということです。

そして、この免疫力はいつの時点で決まるのでしょうか。それは、出産後に飲む初乳によって決まります。それも24時間以内です。それ以上だと腸壁から抗体の摂取ができなくなるので意味がなくなってしまいます。このように初乳によって母体から抗体をもらうことで、子犬や子猫は初期免疫を作ります。なので、もしこの初乳を飲めないと免疫力が低いままウイルスなどに遭遇することになり、死亡してしまう危険もあります。

実際に猫のブリーダーによると、そういったケースは起こりうるんだそうです。通常、母猫のおちちは8個程度ですが、猫種や個体の大きさによってもバラツキがあり、さらに100%機能してない場合があるとのこと。(機能している)おちちの数よりも多くの猫を出産する場合、たとえば、機能しているおちちが6個しかないのに7頭出産した場合、1頭は初乳にありつけない可能性があります。もともとは猫も野生なので多産です。そして、強い個体だけが生き延びるという厳しい現実があります。では、ペットとしての猫の場合はどうなんでしょうか。実際には、出産からしばらくはブリーダーが付きっきりで見守ります。

初乳を飲めていない子猫がいたら、ローテーションで飲めるように人の手を入れるそうです。もちろん、早産だったり、何かの原因で育児放棄してしまう母猫もいるようです。そういった場合は、市販されている粉末の初乳を与えることになります。

このように、子犬や子猫の免疫力は親から受け継ぎます。なので、親がワクチンを接種し、免疫力をもっていれば、初乳で初期免疫力はつきます。優良ブリーダーは、ブリードラインの親犬や親猫には毎年ワクチン接種をしています。そして、出産のときにも初乳が飲めるようにつきっきりで対応します。だからこそ、健康な子犬や子猫が産出されるのです。

私たち飼い主は、繁殖させることはないと思います。ただ、やはり愛犬や愛猫の健康を考えると、1年~1年半でワクチン接種をするのが、病気を予防し健康で過ごせることだといえます。

もちろん、獣医によっても意見は統一されているわけではありません。そして、ワクチン接種をしていないからといってすぐに病気になるわけでもありません。ただ、飼い主の責任として、愛するペットが健康でいるためにワクチン接種は必要だということを認識すべきことだと思います。

[編集部]