猫と一緒に旅に出よう! Vol.4

【猫旅】超稀少! やっと見つけた猫OKのビジネスホテル(名古屋編)

[2020/05/29 6:01 am | ペットジャーナリスト 阪根美果]

2月に開催されたキャットショーに参加した際の「猫旅」です。新型コロナウイルスの感染拡大における非常事態宣言により掲載を見あわせていました。まだ終息してはいませんが、私たちの生活も徐々に戻ってきました。これから夏の行楽シーズンもはじまりますので、微力ながら応援すべくレジャーコンテンツも再開します。

今回は愛知県名古屋市で行われるキャットショーへ参加するために、愛猫のカルーソとともに1泊2日の旅をしました。泊まる宿は名鉄河和線知多半田駅から徒歩3分にある「ビジネスホテル寿屋」です。中部国際空港(セントレア)からクルマで15分とアクセスもよく、近くには飲食店もあり便利な場所にあります。じつは名古屋市内にはペットと泊まれる宿がほとんどなく、また、猫と泊まれる宿となるとWeb検索をしてもまったく出てきません。この宿を探すまでにかなりの時間を費やしました。やっと見つけた超稀少な宿ですが、猫を愛する方々のために、ドンとご紹介します!

早朝に出発して高速道路をひたすら走る

早朝に自宅を出発し、最寄りのインターチェンジから高速道路に乗りました。首都高速から東名高速に入り、その後は御殿場ICから新東名で名古屋を目指します。少し前に新東名が豊橋ジャンクションまで伸びたおかげで、だいぶ時間が短縮されました。新しい道路は凸凹もなくキレイなので、とても快適です。また、パーキングエリアやサービスエリアも新しく、特にスタイリッシュなデザインの機能的なトイレにはとても感動します。「これぞ日本のトイレだ」と使用するたびに思っています。前職の関係で海外のさまざまな国のトイレを使用したことがありますが、トイレこそ国民性がよく出ていると思います。こんなに「至れり尽くせり」のトイレは日本人でなければ思いつかないことでしょう。「素晴らしい」のひと言です。

今回は長距離ドライブになるので、キャリーバッグでの移動は窮屈です。犬用の大きなクレートをクルマの後部座席に設置し、カルーソには広々とした空間で過ごしてもらうことにしました。飛ぶように流れる外の景色が怖くないように、クレートにはカバーをかけました。

途中、清水サービスエリアで休憩をしました。このサービスエリアからは富士山が見えるのですが、この日は残念なことに霧で見えず。時おり激しい雨が降るという悪天候でした。また、早朝ということもあり、フードコートや売店も開店しておらず、建物内は閑散としていました。自動販売機で暖かいコーヒーを購入。少し休憩をして再び名古屋を目指してクルマを走らせました。

名古屋駅付近で格安の駐車場を探す

キャットショーの会場は、JR名古屋駅から5分の距離にある名古屋動物専門学校です。もちろん、会場の周辺にも時間貸しの駐車場はあるのですが、長時間停めるにはどこも高すぎる! ということで、歩ける範囲の駐車場を事前にリサーチしていました。事前に予約できる駐車場もあるのですが、3連休なので駅周辺の安い駐車場は予約できませんでした。

ただ、予約ができない駐車場が当日に空いているとも限らないので、保険として歩ける範囲のさらに離れた駐車場に予約を入れておきました。「タイムズのB」というWebサイトで予約ができます。これはかなり慎重派の行動ですが(笑)。リサーチしていた駐車場は会場から歩いて5分程度の距離にあります。そこは、三井のリパークが運営するコインパーキングで、1日1200円です。目指して行ってみると、うれしいことに空きがありました。すぐさま駐車して予約していた駐車場は携帯電話でキャンセルしました。無事に停められて、ホッとしました。

キャットショー1日目

駐車場からは、持参したカートにカルーソと必要な荷物を積み徒歩で会場に向かいました。JR名古屋駅が近いだけあって人が多い。なんとか会場に到着しました。キャットショー開催の挨拶では、獣医師でもあるジャッジから新型コロナウイルスについての話がありました。会場には除菌消臭器が各所に設置され、参加者はマスクをしてキャットショーに臨みました。この日は、名古屋在住のわが家の猫を持つブリーダーが遊びに来てくれました。キャットショーに興味を持ってくれたようで、次回は子猫を連れて参加すると嬉しいそうでした。カルーソも連戦にも関わらず、頑張ってくれました。

今夜の宿へ向かう

今回の宿「ビジネスホテル寿屋」は会場からクルマで約40分程度です。高速道路を走って半田ICで降りて向かいました。今回は知人ブリーダーたちも同じ宿に泊まるので、いろいろな話をしながらのドライブです。3連休初日でしたが、渋滞にはまることなく到着しました。駐車場は無料です。10台くらいは停められるスペースがありますが、クルマで行く場合には事前に知らせておいたほうがよいと思います。私は宿に直接電話で予約を入れたので、現地での支払いでした。チェックインの際に事前支払いとなります。犬・猫等の宿泊が可能ですが、ペットに関する注意事項や誓約書等への記入はありませんでした。飼い主のモラルに任せているようです。鍵を受け取って、部屋に向かいました。

部屋も共有スペースもペットのニオイもなく、しっかり清掃されていました。いわゆるビジネスホテル仕様で、シングルベッド、冷蔵庫、テレビ、電気ポット、エアコン等が完備。浴衣も用意されていました。フロントでペット用ケージを借りることができますが、屋根のない犬用ケージなので猫には不向きです。いたずらやマーキング、爪とぎ等を防ぐには簡易ケージの持参をオススメします。今回もワンタッチで簡単に組み立てられる「Sturdi ペットツインケージ」を持参していました。部屋の隅にビニールシートを敷いて、その上にテントケージを設置しました。テント内には敷物、トイレを設置。カバーをかけて安心して過ごせるようにします。今回もカルーソは私の外出時やお風呂時、就寝時にはテントに入って過ごしてもらいました。

カルーソはほとんど鳴かない猫なので、部屋の位置がどこであっても鳴き声で迷惑をかけることはないのですが、もしおしゃべりが好きな愛猫の場合には、予約時にその旨を伝え、角の部屋にしてもらうとよいと思います。猫を連れていない宿泊者もいますので、その点は飼い主のモラルとして気遣いが必要でしょう。

知人ブリーダーたちと有意義な時間を過ごす

猫たちのテントケージの設置が終わったら、しばらく休憩です。その後、猫たちは先に夕食を済ませました。チェックイン時にフロントでおいしいお店を教えていただきました。この宿は名鉄河和線知多半田駅から近く、駅から直結の「クラシティ」という商業施設内にあることを聞きました。近いので知人ブリーダーたちと行ってみることにしました。

今回は「J-DINING 仙之助」で夕食をとることにしました。ここはいわゆる日本料理店で、懐石料理をはじめ、単品物、ランチメニュー、ドリンクも豊富に取り揃えてあるお店です。店内は和の雰囲気でカウンター席、テーブル席のほかに座敷席もあります。掘りごたつになっているので、楽に過ごすことができます。私たちは座敷席を選びました。今回は知人ブリーダー達が一緒でしたので、おしゃべりを楽しみながら、おいしい料理を堪能しました。とても有意義な時間でした。

この名鉄河和線知多半田駅は、中部国際空港からもアクセスがよく、この宿にもビジネス客だけでなく観光客もたくさん訪れるそうです。近くには雁宿公園があり、小型犬から超大型犬まで、猫、そのほかの動物も連れて入ることができます。家族連れは知多郡美浜町にある水族館「南知多ビーチランド」を訪れて、アシカ・イルカショーや海の生き物との触れ合いを楽しむことができます。ここは小型犬であれば入園可能です(条件あり)。また、知多半島の中央部西岸に位置する常滑は、「常滑焼」で有名な町で、瀬戸・信楽・越前・丹波・備前とともに日本六古窯のひとつに数えられています。伝統産業としての古い歴史を見ることができるのです。私も次回は足を延ばして訪れてみたいと思っています。

チェックアウトの前に行うマナー

猫と一緒に泊まれる宿は全国的にも少なく、特にこの名古屋では稀少です。オーナーからすればペット可にすることはリスクが大きいといえます。それでもペット可にしてくれているのは、ペットに対して愛情を持ってくれていて、飼い主の気持ちを理解してくれているからだと思います。その気持ちを踏みにじるようなことを飼い主がしてしまえば、ペット可の宿泊を存続する気持ちを失くしてしまうことでしょう。そんなことにならないようにするには、飼い主にも気遣いが必要だと思うのです。

私はいつもコロコロと除菌消臭剤、ウェットティッシュを持参しています。チェックアウト前には、部屋の布団や床、カーテンなどに付着した被毛などをコロコロで除去します。汚れたところがあれば、ウェットティッシュで拭き取ります。最後に除菌消臭剤を散布して、ニオイを除去します。猫の尿のニオイは犬よりも強く、きちんとトイレでしていても(粗相をしていなくても)、部屋のなかにはニオイが残ります。ですから、私は糞尿の処理をしたら、ビニール袋に入れ、さらにビニール袋を重ねて、なるべくニオイが漏れないようにします。重ねるビニールはジップロックのような密封できるものが最適です。そのうえで、最後に除菌・消臭を心がけています。また、ペットの糞尿入れなど指定されたゴミ箱がない場合には、猫が滞在するなかで出たゴミ(糞尿含む)はすべて持ち帰るようにしています。

もし、万が一床や壁に傷をつけてしまったり、粗相をしたり、物を壊してしまった場合には正直に宿のオーナーに伝えましょう。それが飼い主としての責任であり、モラル、マナーです。飼い主がきちんと過ごすことで、愛猫が楽しく過ごすことができる宿が存続すると私は思っています。

いざ、キャットショー2日目へ

準備を整えて、8時に宿を出発しました。キャットショーの会場である名古屋動物専門学校までは昨日と同様にクルマで40分程度でした。知人ブリーダーたちと荷物を会場前で降ろし、昨日と同じ駐車場に向かいました。その駐車場の奥を見るとさらに安い駐車場が空いていました。そこは1日900円。小さな幸せですが、なんとも嬉しくなりました(笑)。さっそく、その駐車場にクルマを停めて、会場に向かいました。

今回のキャットショーは、TICA傘下のAJCが主催するものです。この日は私の猫を大切に育ててくれている名古屋のオーナーさんが、親子で遊びに来てくれました。間もなく小学校4年生になるSちゃんは、実は我が家の猫のオーナーさんなのです。数頭暮らしているのですが、「マレフィセント」というメインクーンの女の子が彼女の愛猫です。“猫使い”と言えるほどしっかりと飼ってくれています。初めてのキャットショー見学も楽しんでくれたようです。さて、カルーソはというと、昨日同様に疲れを感じさせることもないくらい頑張ってくれました。ありがとう!

キャットショーを終えて帰路へ

16時過ぎにはキャットショーも終了し、片付けをして駐車場に向かいました。この日は名古屋高速の検札所にいる社員が新型コロナウイルスに感染したために、濃厚接触した社員が自宅待機になったとかで、人手不足でいくつかの出入口が閉鎖になっていると聞いていました。出発前にそれをスマホで調べて、開いている入口から高速に乗ることにしました。カーナビをセットして、さあ出発です。

順調に進んでいたのですが、新東名から東名に入る御殿場ジャンクションから先が大渋滞になっていることが判明。御殿場ICで一般道に降り、渋滞が解消し始めた厚木ICからまた高速に戻りました。しかし、その後も事故渋滞や工事渋滞に巻き込まれながら、なんと8時間もかかって帰宅することになりました。事故渋滞は突発的なものなので仕方がないのですが、問題は工事渋滞です。この週末は3連休で、ただでさえ交通量が多いことは誰もが認識しているはず。「なんでこんな日にわざわざこうじするかなあ」と大きな声でぼやきながら、ノロノロ運転でなんとか帰宅したのでした。

まとめ

今回の旅も前回同様にキャットショーへの参加が目的でしたが、「ビジネスホテル寿屋」は快適で、知人ブリーダーたちとの交流もできた有意義な旅となりました。この宿は名古屋市内や知多半島など、どこへ観光に行くにも便利な宿だと思います。知多半島周辺にはペット可の宿がいくつかありますが、名古屋市内までは少し距離があります。広範囲の観光を楽しみたいペット連れの宿泊には、「ビジネスホテル寿屋」は最適です。リーズナブルで、清潔で、嫌なニオイもなく、カルーソにとっても快適で楽しい旅だったと思います。帰路の渋滞は本当にまいりましたが、そのほかは大満足の1泊2日の旅でした。みなさんもぜひ、愛猫とお出かけくださいね。

[ペットジャーナリスト 阪根美果]