猫との暮らしで知っておきたいこと Vol.119

【猫飼いTIPS】猫は紙が大好き。もし食べてしまっても問題ないの?

[2023/02/16 6:01 am | 編集部]

猫はさまざまな理由で時に奇妙な行動をとることが知られています。飼い主はその理由を知ると不思議に思うことでしょう。

猫は紙が大好きで、飛ばしたり噛んだりして遊びます。楽しそうに遊んでいるのはよいのですが、ときには食べてしまう猫がいます。それが少量であれば基本的には無害ですが、いくつかの危険も潜んでいます。今回は猫と紙のお話です。

猫が紙を食べる理由

猫は好奇心旺盛な生き物で、手や足、鼻や口を使って、興味深いものに触れたり、ニオイを嗅いだり、噛んだりしてそこからいろいろなことを探ります。

一般的に、紙や段ボールは多くの猫にとって魅力的なものなのです。本や雑誌、トイレットペーパーも大好きです。彼らにかかるとそれらは原型を留めないかもしれません。飼い主が外出から戻ると「部屋に雪が降ったようだった」ということはよく聞きます。

猫は、紙を舐めたり噛んだりして、そのニオイや味を楽しんでいるのかもしれません。単にそれだけならよいのですが、実際に摂取してしまう猫もいます。

猫は肉食動物で、本能的に獲物を狩ることを楽しみます。紙や段ボールをちぎるのは、獲物の肉を引き裂く行為を模倣している可能性があります。

異食症の可能性もある

異食症(Pica)とは、通常食べることのない何の役にも立たない(栄養がない)ものを口にしてしまう行動です。この行動は猫だけでなく、犬や人にも見られます。紙を食べることは猫の異食症の一種であり、それには次のような理由が考えられます。

 ・好奇心や遊び
 ・退屈しのぎ
 ・歯固め
 ・ストレス
 ・強迫性障害
 ・病状や栄養不足


猫が紙を食べても大丈夫ですか?

通常は噛むことで少量を摂取するだけなので問題にはなりません。しかし、異食症などで紙を大量に食べてしまった場合には、健康に害を及ぼす可能性があります。

紙は木材などから抽出したセルロース(植物繊維)を原料としており、加工時にはさまざまな化学物質を含んでいる場合があります。また、チラシなどにはインクが含まれています。猫にとって有害な化学物質を含む紙もありますが、ただし、大量の紙を摂取しなければ、中毒を引き起こすことはありません。

最大のリスクは消化管閉塞です。少量の紙は消化することができます。しかし、大量の紙は水分を吸収し、胃や腸で塊になることがあります。紙の塊が大きいと、食べ物が消化管を通過するのを妨げることがあります。

猫は紙の全部または一部を吐き出すかもしれません。しかし、水分を含んだ紙が消化管に詰まり、閉塞を起こす危険性があります。これは深刻な状態です。

消化管閉塞の初期症状として、嘔吐や下痢、食欲不振などが見られます。腹痛や膨満感が生じることがあります。これらの兆候が見られ、猫が何か非食物を食べたと思われる場合は、すぐに獣医師に診てもらいましょう。

レントゲンや超音波検査で消化器系の閉塞が発見されることがあります。その場合は、異物を除去する必要があります。異物が胃のなかにある場合は、内視鏡で除去できることもありますが、腸閉塞の場合は手術が必要です。

猫に紙を食べさせない方法

猫に紙を食べさせない最善の方法は、手の届かないところに置くことです。本や雑誌は棚や引き出しに収納します。チラシや書類は、プラスチックのファイルやフォルダに保管してください。段ボールは出しっぱなしにせず、紐でまとめて倉庫などにおきましょう。

退屈を軽減するための工夫をするのも回避策になります。猫と遊び、絆を深める時間を持つ。猫が退屈しないように、爪とぎや安全なおもちゃを用意しましょう。キャットタワーやステップなど縦運動できる空間をつくるのも効果的です。

まとめ

紙だけでなく、布や紐なども猫にとって恰好のおもちゃになります。紙と違い、飲み込んでしまうと窒息を起こす危険があります。

猫が暮らす空間には、紙や布、紐などを放置しないことが大切です。特に子猫は、なんでも口にする傾向があります。危険なものは極力片付けるようにしましょう。

[編集部]