猫との暮らしで知っておきたいこと Vol.66

【猫飼いTIPS】猫に卵を与えてもいいですか?

[2022/01/10 6:01 am | ペトハピ編集長 國久豊史]

猫は気まぐれです。それは食に対しても同様です。いままで食べていたフードを急に食べなくなってしまったといった嘆きをよく耳にします。また、つねに健康的でよりよいフードを探している人も多いようです。さらに、大量生産されたフードではなく、自ら手づくり食を与えている飼い主もいます。

そんななかで、愛猫の栄養源として関心を持っているのが卵ではないでしょうか。猫に卵を与えてもいいのかという問いに対する答えは、「イエス」です。今回はスーパーフード・卵のお話です。

卵は猫にとってよい食材?

あなたと同じように、卵は猫にとって重要なタンパク源です。この食べ物は、猫だけでなくほかの動物にとっても非常に栄養価が高いと考える科学者がたくさんいます。

猫は本来肉食動物であるため、食事に卵を加えることで大きな恩恵を受けるでしょう。しかし、毎日与えるのではなく、時々ご馳走として少量を与えるようにします。卵は高カロリーなので猫が太りやすくなります。肥満は重要な疾患の原因にもなるので注意が必要です。

食事に卵を取り入れるメリット

愛猫の食事に卵を取り入れることは、栄養面でメリットがあります。その理由を細かく見ていきましょう。

【動物性たんぱく質の優れた供給源】
卵はすべて動物性タンパク質でできています。猫には乳製品や植物性タンパク質を代謝するための肝臓酵素がないため、食事に動物性タンパク質をたくさん取り入れる必要があります。

【アミノ酸を含んでいる】
猫の体の細胞はタンパク質で構成されています。タンパク質は、アミノ酸が多数つながって構成されている高分子化合物です。愛猫の健康維持のためには、11種類の必須アミノ酸を摂取する必要があります。卵にはそのうちの10種類が含まれています。

【タウリンを含んでいる】
タウリンは、猫の心臓や目の健康を維持するために欠かせない成分です。残念ながら、猫はこのタウリンを自分でつくり出すことができません。もちろん、サプリメントを与えることで不足を補うことはできますが、卵にはタウリンが含まれているので、食事に卵を加えるだけでサプリメントと同じように機能することになります。

【炭水化物は含まれていない】
卵は純粋な動物性タンパク質であるため、炭水化物が含まれていません。猫は炭水化物を摂取する必要がないため、卵は動物性タンパク質の完璧な供給源となります。

【猫に必要なミネラルとビタミン供給源】
それぞれの卵には、猫の体が必要とするさまざまなミネラルやビタミンを含んでいます。これらはすべて、猫の健康を維持するために役立ちます。卵に含まれる主なビタミンは、ビタミンA、D、E、B12です。また、卵にはカルシウム、鉄、セレン、亜鉛、ビオチン、リボフラビンなどのミネラルが含まれています。


生卵を与えてもいいの?

生卵にはサルモネラ菌や大腸菌などの病原菌が含まれている可能性があるので、絶対に食べさせないでください。これらの病原菌は、猫がお腹を壊したり、胃腸障害を発症する危険性があります。手づくりの生食を与える場合でも、決して生卵を使わないようにしましょう。

生卵のもうひとつの問題は、卵白に関するものです。卵白にはアビジンという糖タンパク質が含まれています。アビジンは、ビオチンと結合してビタミンBやビオチンの吸収を阻害します。アビジンは熱に弱いので、加熱することで心配はなくなります。

最適な卵の調理法は?

猫に卵を与える場合。ポーチドエッグ、スクランブルエッグ、フライドエッグ(目玉焼き)、ボイルエッグ(ゆで卵)など、加熱した調理が最適です。

また、卵黄だけ、卵白だけと分けることなく、全卵を与えることができます。ただし、卵黄には脂肪分やコレステロール、カロリーが多く含まれているので、卵黄を与える際には量を調整しましょう。

猫のなかには好き嫌いの多い子もいるので、始めは卵を少量だけ与えるようにします。このようにすることで、猫が卵の味に慣れるようにすることができます。

また、卵を食べさせ始めたら、猫の様子をよく見てあげてください。私たちと同じように、猫も食物アレルギーや不耐症に悩まされることがあります。お腹の調子が悪くなったり、頻繁に体を掻いていたり、耳の病気になったりすることがあります。これは、体質的に卵が合わないというサインかもしれません。

与える卵の量は?

愛猫には健康的でバランスの取れた食事を与えたいものです。しかし、卵を食事に加える場合は、あくまでも補助的なもの=サプリメントのようなものとして考えてください。

回数は週に1~2回。毎日は与えすぎです。そして、まるまる1個ではなく、少量を与えるだけにしましょう。実際、猫に卵を与える場合、総カロリーの10%程度に留めます。例えば愛猫の体重が4㎏であれば、1日に28kcal程度の摂取になります。卵は1個あたり約90kcalなので、1/3以下の少量で十分なのです。

まとめ

愛猫の健康的な食事に新しいものを取り入れることを考えているのであれば、卵は猫にとって検討すべき食材です。ただし、与え方には注意すべきことがあります。すでに述べたように、卵には大量の脂肪とコレステロールが含まれています。もし、卵を頻繁に与えてしまうと、肥満の原因になります。太ってしまうだけでなく、膵炎などの健康被害にも悩まされることにもなりかねません。また、十分に加熱することや消化不良にならないように、1回に与える量にも気を付けましょう。

つまり、いつもの食事ではなく、時々のご馳走として考えるようにします。そうすれば、このスーパーフードは愛猫の健康的な食事として、大いに役立つことでしょう。

[ペトハピ編集長 國久豊史]